精油パルマローザの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点
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パルマローザは稲の仲間で、見た目は地味で、道端に生えている草のようですが、葉にバラのような華やかな香りを持っています。
この香りはバラやゼラニウムの花に含まれているゲラニオールという芳香成分によるもので、パルマローザは花ではなく、葉にゲラニオールを含有しています。
パルマローザ精油は、葉の青々とした爽やかさとバラの甘さを併せ持った香りで、花の濃厚な甘い香りが苦手な方にも受け入れやすい香りです。
ここではパルマローザとはどのような植物か?パルマローザの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
目次
パルマローザどんな植物?
パルマローザはインド原産の多年草で、現在はインドネシアや東アフリカでも栽培されています。
草丈は1~3m、茎の一部は地下茎となっており、地下茎の部分は木のように硬くなっています。
葉の大きさは幅1~2㎝程度、長さは最大50㎝程度まで成長します。色は表面が濃い緑色で、裏面は少し白っぽい緑色です。葉に厚みはなく、揉むとバラのような香りがします。
花は小穂(しょうすい)と呼ばれる稲や麦の穂のような形で、花びらはなく、小さなおしべとめしべが穂に垂れ下がるような形でくっついています。
パルマローザの名前の由来
パルマローザという名前は、ラテン語で手の平を意味するpalma(パルマ)とバラを意味するrosa(ローザ)が語源であると言われています。細長い葉が指のようで、葉の集まる様子が指を広げた手の平に見えること、バラに似た香りがすることが理由であると言われています。
パルマローザの使い方・活用法の歴史
パルマローザがいつから活用されているかは不明ですが、原産地のインドでは古くから葉をすり潰したものを神経痛や腰痛、リウマチの薬にしたり、風呂に入れて香りを楽しんだりしていたそうです。伝統的に虫がパルマローザの香りを嫌うと考えられており、防虫剤としても活用していたそうです。
18世紀頃になるとパルマローザはインドと貿易していたペルシャ(現在のイラン)へ伝わり、ペルシャからトルコ、ヨーロッパ全域へと伝わっていき、香料として活用されました。
パルマローザ精油は高級品であるバラ精油に似た香りでありながら、バラ精油よりもずっと安価であるため、バラ精油と偽って売られたり、バラ精油を増量させるための混ぜ物とされることもあったそうです。
日本での活用の歴史は特にありませんが、現在は生活用品などの香料として輸入しています。
また現在、世界各地で主に香料やゲラニオールの単離香料(精油から人工的に特定の成分を抽出した香料)を作るための原料として活用されています。
アロマセラピーやハーブ療法においては、虫よけや肌を引き締める働きがあると考えられており、虫よけスプレーやスキンケア用品の成分としても活用されています。
パルマローザ精油の特徴
パルマローザ精油の抽出方法
パルマローザの葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~薄いオリーブ色です。
パルマローザ精油の香りの特徴
爽やかな草の香りの中にバラのような花の香りが感じられます。
パルマローザの香料・原料データ
英名 | Palmarosa パルマローザ |
和名 | ― |
学名 | Cymbopogon martini キムボポゴン マルティニ Cymbopogon martini var.motia キムボポゴン マルティニ バー モティア |
別名 | パルマロサグラス、インディアンゼラニウム、トルコゼラニウム、ローザグラス、ロシャ、ルシャ |
科名 | イネ科 |
産地 | コモロ諸島、マダガスカル、インド、セイシャルなど |
精油の抽出部位 | 果実、種子 |
ノート * | ミドル~ベース |
精油の主な成分 | ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール、ミルセン、β-カリオフィレン、ネロール、シトラールなど |
ブレンド相性 | ゼラニウムなどフローラル系の香りやレモンなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
パルマローザの活用法
パルマローザだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、パルマローザの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
パルマローザ・・・2滴
コットンに精油のパルマローザを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ジンジャー・・・1滴
ジンジャーは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
パルマローザ・・・8滴
無水エタノールに精油のパルマローザを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
レモン・・・5滴
レモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
入浴剤
精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。
【レシピ】
天然塩・・・30g
パルマローザ・・・2滴
計量した天然塩に精油のパルマローザを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ゼラニウム・・・1滴
ゼラニウムは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。また、敏感肌の方は皮膚刺激を感じる場合があります。敏感肌の方は使用を控えてください。
パルマローザの禁忌・注意点
・妊娠中の方
パルマローザは文献によっては子宮を収縮させる働きがあるとされています。妊娠中の方は使用を控えてください。
パルマローザ 5ml
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