ユーカリ(ユーカリプタス)アロマ精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ユーカリという名前は、ギリシャ語で「よく覆われた」という意味のeukalyptos(エウカリプトス)が語源だと言われています。

理由は蕾の上部に花びらとガク(花びらの外側にある葉のようなもの)が癒着したものが蕾を覆うように被さっているからという説や、乾燥地や焼け跡の大地でもよく育ち大地を緑で覆うからという説、ユーカリの多い森はユーカリの葉から発生する霧状の油分によって霧に覆われたように見えるからという説があります。

ユーカリには600を超える品種があり、複数の品種から精油が抽出されていますが、日本で主に流通しているのはユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアタ、ユーカリ・シトリオドラです。この3種は使用上の注意事項が大きく異なりますので、使用前に確認が必要です。

ここではユーカリ(ユーカリプタス)とはどのような植物か?ユーカリ(ユーカリプタス)の精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ユーカリ(ユーカリプタス)どんな植物?

ユーカリはオーストラリア原産の常緑樹で、現在はアジア、南アフリカ、ヨーロッパ、アメリカにも分布しています。

ほとんどのユーカリは葉に油分が多く、揮発性の油分を空気中に放出しているため山火事を発生させやすい性質があります。
ただ、ユーカリ自身は山火事が起きても表面が焼けるのみで完全に枯れてしまうことはほとんどないうえに、高熱にさらされることで種の殻が割れる性質があり、山火事で他の植物が焼けて無くなった後に発芽することで繁殖していきます。

ユーカリ・グロブルスとユーカリ・ラディアタは樹高60m程度、ユーカリ・シトリオドラは樹高30m程度です。

樹皮の色はユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアタは灰色~茶褐色、ユーカリ・シトリオドラは灰白色~ピンク色で、3種とも成長とともに表面の樹皮が剥がれていきます。

葉の形は3種とも笹の葉のような細長い形で、ユーカリ・シトリオドラの新しい葉の表面には細かな毛が生えておりザラザラとしています。

花は3種とも葉の付け根付近に咲きます。蕾は上部に花びらとガクが被さっており、花が開花すると花びらとガクはすぐに落下して、雄しべと雌しべが露出します。

開花すると花びらはなくなってしまいますが、白~クリーム色の糸状の雄しべが集合した姿がふわふわした花のように見えます。
受粉が終わると雌しべのところに木のような質感の殻に入った種が実ります。

ユーカリ(ユーカリプタス)の使い方・活用法の歴史

ユーカリの活用法の歴史については、品種不明の情報が多いため区別せずにユーカリとして記載していきます。

ユーカリはいつ頃からかは不明ですが、オーストラリアの先住民アボリジニ達が万能薬として活用していました。

16世紀になるとオーストラリアにヨーロッパ人が上陸したことでヨーロッパに伝わりましたが、当時は特に注目されなかったようです。

その後徐々にオーストラリアの動植物の調査が進み、19世紀にはドイツの植物学者フェルディナント・フォン・ミュラーがユーカリには人に役立つ有効な作用があり、今後産業として発展していく可能性があると現地の薬剤師ジョセフ・ボシストにアドバイスしたことで、オーストラリアに初めてのユーカリオイル蒸留所が作られました。

ユーカリオイルの需要が最も高まったのは第一次世界大戦中で、スペイン風邪の対策に活用されたそうです。この頃からオーストラリア以外でもユーカリの栽培、オイルの抽出が行われるようになりました。

日本には大正時代に伝わり、葉が胃腸や膀胱の不調に良い薬草として活用され、1932~1951年の間はユーカリ葉として日本薬局方(日本国内の医薬品に関する基準書)に収載されていました。現在ユーカリ葉は収載されていませんが、ユーカリオイルがうがい薬や去痰薬の添加物として収載されています。

現在、世界では各地で、主に生活用品用香料や、薬品添加物、ハーブティー、街路樹、パルプ原料として活用されています。

ユーカリ(ユーカリプタス)精油の特徴

ユーカリ(ユーカリプタス)精油の抽出方法

ユーカリの葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は3種とも無色から薄い黄色です。

ユーカリ(ユーカリプタス)精油の香りの特徴

ユーカリ・グロブルスは鼻がスッと通るような爽やかな香りとほんのり消毒のような香り、ユーカリ・ラディアタはユーカリ・グロブルスを少し甘くしたような香りです。ユーカリ・シトリオドラはレモンのような香りです。

ユーカリ(ユーカリプタス)精油の香料・原料データ

【ユーカリ・グロブルス】

英名 Eucalyptus globulus ユーカリプタス グロブルス
Blue gum ブルー ガム
和名 有加利樹 ユーカリノキ
学名 Eucalyptus globulus エウカリプトゥス グロブルス
別名 ユーカリ・グロブルス、タスマニアンブルーガム、サザンブルーガム
科名 フトモモ科
産地 オーストラリア、スペイン、南アフリカ、ポルトガルなど
精油の抽出部位
ノート * トップ
精油の主な成分 1.8シネオール、α-ピネン、リモネン、アロマデンドレン、グロブロール、β-ピネン、ピペリトンなど
ブレンド相性 ラベンダーなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。

【ユーカリ・ラディアタ】

英名 Eucalyptus radiata ユーカリプタス ラディアタ
和名 有加利樹 ユーカリノキ
学名 Eucalyptus radiata エウカリプトゥス ラディアタ
別名 ユーカリ・ラディアタ、ユーカリラジアタ、ユーカリナローリーフ、ナローリーフペパーミント
科名 フトモモ科
産地 オーストラリア、ポルトガル、南アフリカなど
精油の抽出部位
ノート * トップ
精油の主な成分 1.8シネオール、α-ピネン、リモネン、p-シメンなど
ブレンド相性 ラベンダーなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。

【ユーカリ・シトリオドラ】

英名 Eucalyptus citriodora ユーカリプタス シトリオドラ
Lemon scented gum レモンセンテッド ガム
和名 檸檬有加利樹 レモンユーカリノキ
学名 Eucalyptus citriodora ユーカリプトゥス キトリオドラ
別名 ユーカリ・シトリオドラ、レモンユーカリ
科名 フトモモ科
産地 オーストラリア、中国、インドネシアなど
精油の抽出部位
ノート * トップ~ミドル
精油の主な成分 シトロネラール、イソ-イソプレゴール、イソプレゴール、シトロネロール、リナロールなど
ブレンド相性 ラベンダーなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ユーカリ(ユーカリプタス)の活用法

ユーカリ(ユーカリプタス)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ユーカリ(ユーカリプタス)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ユーカリ(3種どれでも可)・・・2滴

コットンに精油のユーカリを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
オレンジ・スイート・・・1滴

オレンジ・スイートは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ユーカリ(3種どれでも可)・・・5滴

無水エタノールに精油のユーカリを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
レモン・・・8滴

レモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
ユーカリ・ラディアタ・・・2滴

計量した天然塩に精油のユーカリを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・1滴

ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。

ユーカリ(ユーカリプタス)の禁忌・注意点

ユーカリ・グロブルス

・妊娠中、授乳中の方、小児への使用
ユーカリ・グロブルスには神経毒性が示唆されているケトン類が少量含まれています。
妊娠中、授乳中、小児への使用は控えてください。

・てんかん発作を起こしたことのある方
ユーカリ・グロブルスはてんかん発作を誘発する可能性があります。てんかん発作を起こしたことがある方は使用を控えてください。

・高濃度での使用、長期連用について
ユーカリ・グロブルスに含まれるケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性がありますのでレシピの濃度を上限として使用してください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。 

ユーカリ・ラディアタ

ユーカリ・ラディアタは使用上の禁忌・注意点は特にありません。

ユーカリ・シトリオドラ

・妊娠初期の方
ユーカリ・シトリオドラは文献によっては妊娠初期の使用が禁忌となっておりますので、妊娠初期(妊娠4か月目位まで)の方は使用を控えてください。

・敏感肌の方
ユーカリ・シトリオドラは皮膚刺激を与える可能性がありますので敏感肌の方は肌に塗布する使い方は控えてください。

・高濃度での使用、長期連用について
ユーカリ・シトリオドラに含まれるアルデヒド類は高濃度頻回使用でアレルギーを引き起こす可能性がありますので、レシピの濃度を上限とし、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。