ヤロウ(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ヤロウはヨーロッパで紀元前から薬草として活用されていたとされる植物です。

名前の由来は英語の祖語であるアングロ・サクソン語で治療する人という意味のgearwe(ヤーウェ)がなまってヤロウになったと言われています。

ヤロウ精油は少し癖のある薬のような香りで、アロマセラピーでは香りを楽しむというより、風邪の予防や更年期の緩和などを目的に使われることが多いです。

ヤロウ精油はヤロウブルーと呼ばれるきれいな青色が特徴ですが、衣服につくとシミになりなかなか取れませんので使用の際は衣服につけないよう注意してください。

ここではヤロウとはどのような植物か?ヤロウの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ヤロウってどんな植物?

ヤロウはヨーロッパ原産の多年草で、現在はアジア、アメリカ、オセアニアに分布しています。

とても繁殖力の強い植物で、種だけではなく地下茎を伸ばすことでも繁殖することができ、栄養の少ない土壌でもどんどんと根を広げて生育していくため、日本を含むアジアやアメリカでは野生化し帰化植物となっている地域があります。

草丈は20~100㎝、全体的に細かな毛が生えています。葉は左右に深い切れ込みが複数入り羽毛のような形をしています。

花の色は一般的には白~淡いピンク色ですが、濃いピンク色やオレンジなどカラフルな花が咲く品種もあります。花は中央に筒状の花びらが複数集まっていて、その周りを囲むように丸い花びらが5枚並んでおり、茎の先端に複数集合して咲きます。

ヤロウの使い方・活用法の歴史

ヤロウは古代ギリシャ時代には薬草とする目的で栽培されていたと言われており、古代ギリシャの詩人ホメーロスがトロイア戦争を題材として書いた叙事詩イーリアスには英雄アキレスや兵士たちの傷薬として登場しています。

また、紀元前1世紀頃アイルランドではドルイドと呼ばれるケルト人の司祭達が天候を占う時にヤロウの茎を使っていたと言われています。
5世紀頃からヨーロッパでは薬草や食材、魔除けとして活用されていました。

食材としてはサラダとして食べたり、リキュールの風味付けに活用したりしていました。

年代は不明ですがスウェーデンではホップの代用としてビール醸造に活用していた時代があったそうです。

薬草としては主に火傷や傷、痛みの緩和を目的に活用されており、薬草園で栽培するだけではなく、家庭でも栽培し各家庭で傷薬が作られていたそうです。

16世紀になるとイギリス人の植物学者ジョン・ジェラードが頭痛や歯痛、鼻血の止血に良いと紹介しており、17世紀にはイギリス人の薬剤師ニコラス・カルペパーがヤロウには「乾燥と収れん(一時的に血管や毛穴などを縮める」の性質があると言い、痔や傷の治療にヤロウの葉から作った湿布や軟膏を活用していたそうです。

魔除けとしては、イギリスで結婚式の時に、花嫁が幸せになれるように願いを込めて、ヤロウなど魔除けの効果があると考えられていた複数のハーブを花束にして渡す習慣がありました。この花束はタッジーマッジーと呼ばれており、ウェディングブーケの起源であるとも言われています。

また、イギリスにはヤロウを枕の下に入れて眠ると未来の夫、妻が夢に出てくるというおまじないもあったそうです。
フランスでは夏至のお祭りの日に行う伝統的な魔除けの儀式に使われています。

フランスではキリスト教の祝日である洗礼者聖ヨハネの生誕祭の日に行う魔除けの儀式に活用されていました。

この日はキリスト教を信仰する国々では豊作や無病息災を願う魔よけの儀式が伝統的に行われ、儀式の内容は地域によって様々ですが、フランスでは生誕祭の前日から玄関にヤロウを吊るすことを魔除けの儀式としており、ヤロウのことを聖ヨハネのイブ(前夜)の薬草とも呼んでいました。

アメリカでは年代は不明ですが、インディアン達が止血剤や鎮痛剤として活用したり、特別な力を持つ草としてトーテム(部族の守護神)として扱ってきました。

19世紀になるとアメリカに開拓に来た人々も止血剤や傷薬として活用し、乾燥させた葉はたばことしても活用されるようになったそうです。

日本には明治時代にヨーロッパから輸入され、観賞用植物や牧草として活用されたそうです。

現在は世界各地で主に観賞用植物やハーブティーとして活用されています。

ヤロウ精油の特徴

ヤロウ精油の抽出方法

ヤロウの全草(花、茎、葉)から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は青色~緑がかった青色です。

ヤロウ精油の香りの特徴

精油を滴下した瞬間は少し鼻を刺激する消毒のような香りがしますが、精油成分が揮発していくにつれ、徐々に甘い香りがしてきます。

ヤロウ精油の香料・原料データ

英名 Yarrow ヤロウ、ヤロー
和名 西洋鋸草 セイヨウノコギリソウ
学名 Achillea millefolium アキレア ミレフォリウム
別名 コモンヤロウ、ミルフォイル、アキレア、ブラッドワート、カーペンターズウィード
オールドマンズペッパー、ノーズブリード、ハゴロモソウ
科名 キク科
産地 フランス、ハンガリー、ドイツなど
精油の抽出部位 全草
ノート * ミドル~ベース
精油の主な成分 サビネン、β-ピネン、α-ピネン、1.8シネオール、β-カリオフィレン、カンファー、カマズレン、ツヨンなど
ブレンド相性 カモミールローマンなどフローラル系の香りやシダーウッドバージニアなど樹木系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ヤロウの活用法

ヤロウだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またヤロウを活用する際は、ヤロウの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ヤロウ・・・1滴

コットンに精油のヤロウを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
カモミールローマン・・・1滴

カモミールローマンは通経作用がある可能性がありますので妊娠初期(妊娠4か月目くらいまで)の方は使用を控えてください。キク科の植物ですのでキク科アレルギーの方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ヤロウ・・・3滴

無水エタノールに精油のヤロウを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
シダーウッドバージニア・・・8滴

シダーウッドバージニアはエストロゲンという女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。子宮筋腫などエストロゲンの変動が影響を及ばす病気の方も使用を控えてください。

ヤロウの禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方、小児への使用
ヤロウにはカンファーなど神経毒性が示唆されているケトン類という成分が複数含まれていますので妊娠中、授乳中の方、小児への使用は控えてください。

・てんかん発作を起こしたことのある方
ヤロウに含まれているケトン類は中枢神経を刺激し、てんかん発作を誘発する可能性がありますので、てんかん発作を起こしたことがある方は使用を控えてください。

・高濃度での使用、長期連用について
ケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性がありますのでレシピの濃度を上限として使用してください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。 

・キク科植物にアレルギーのある方
ヤロウはキク科の植物ですのでキク科植物に対してアレルギーのある方は使用を控えてください。


ヤロウ ブルー・野生種(ヤロー)
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

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