ミルラ(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ミルラは良い香りのする樹脂を分泌する樹木で、4000年以上前から樹脂が薬や香料として活用されてきました。

ミルラという名前はアラビア語やヘブライ語で苦いという意味のmur(マー、マール)が語源で、ミルラ樹脂の味が苦いことから名付けられたと言われています。

ミルラ樹脂には樹皮に傷をつけて採取した樹脂と自然ににじみ出てきた樹脂があり、自然ににじみ出た樹脂をスタクテスと呼んで区別することもあります。

ミルラ樹脂からは精油が抽出されますが、精油に関しては基本的には採取方法で区別することはありません。ミルラ精油は落ち着きのある甘い香りで、瞑想をする時に役立つ香りとされています。

ここではミルラとはどのような植物か?ミルラの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ミルラってどんな植物?

ミルラはアフリカ原産の常緑樹で、中東やインドの乾燥地域にも分布しています。

樹高は3m~5m、樹皮は古くなると剥がれ落ちていき、下から新しい樹皮が出てきます。
古い樹皮は灰褐色、新しい樹皮は緑色をしています。

樹皮の裂け目からは樹脂がにじみ出ており、にじみ出た直後は薄黄色ですが、時間が経ち乾燥するにつれ赤褐色になっていきます。

枝には鋭いトゲがあり、横に広がるように伸びていきます。
葉は卵型で明るい緑色です。
花は白色で、枝先に小さな花が円錐状に集合して咲きます。

ミルラの使い方・活用法の歴史

ミルラは約4000年前から古代エジプトで香料やミイラ作りに使う防腐剤などに活用されていたと言われています。

古代エジプトでは太陽神に神聖な香りを捧げる目的で朝、昼、夕に香料を焚く儀式が行われており、昼に焚く香料はミルラと決まっていたそうです。

ミイラ作りの際には、遺体が乾燥する前に腐ることを予防するために、内臓を取り除いたあと体内にミルラなど防腐作用があるとされている複数の植物を詰め込んでいたそうです。
ミイラ作りに使われていたことから、ミルラがミイラの語源になっているのではないかとも言われています。

また、しわを取り、肌を若返らせる作用があるとして、女性達は化粧品の材料に入れて顔につけていたそうです。

さらに、ミルラはエジプトからギリシャ、ローマに伝わり香料や薬として活用されました。

ローマ時代の医師ディオスコリデスは自身の著書「薬物誌」に、ミルラの樹脂を飲むと下痢や脇腹の痛み、胸痛が改善し、ミルラを浸けたお酒は咳や胃の不調を改善すると記載しているそうです。

ローマではミルラは歯磨き粉としても活用されていました。

当時歯の手入れをしていたのは一部の富裕層の人達だけだったため、白い歯が裕福さの象徴となっており、富裕層の人達は白い歯を保つために灰や卵の殻にミルラを混ぜたものを歯磨き粉として使っていたそうです。

またミルラは、紀元前4~5世紀にまとめられた旧約聖書や西暦100年頃に完成したとされる新約聖書に何度も登場しています。

旧約聖書では聖なるもの、高価で貴重なものというような表現ですが、新約聖書ではキリストが磔(はりつけ)になる際は、キリストが苦しまないようにと麻酔目的でミルラ入りのワインが作られ、キリストを埋葬する際は遺体をきれいに保つ目的でミルラとアロエを混ぜ合わせたものを使ったなど、ミルラに具体的な作用を期待して使っている様子が書かれています。

7世紀頃には中国に伝わり、止血剤や鎮痛剤として活用されており、現在も消腫(腫れ物や浮腫を消す)、止痛効能がある生薬として活用されています。

日本には江戸時代に中国とオランダから伝わり、通経、去痰の作用を持つ生薬として活用されていたそうです。

現在は世界各地で鉢植えにして観賞用植物として活用したり、乾燥した樹脂をそのまま焚いたり、粉砕してお香の原料、香水用香料とされており、ジョーマローンロンドンのミルラ&トンカコロンインテンスなどに配合されています。

また、ミルラチンキ液(アルコールに浸けて成分を抽出したもの)は口の粘膜の炎症を鎮め、腫れを改善する働きがあるとされており、口腔ケア製品にも配合されています。

ミルラ精油の特徴

ミルラ精油の抽出方法

ミルラの樹脂から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~薄オレンジ色です。

ミルラ精油の香りの特徴

落ち着きのある甘い香りに、ほんのりスパイスのような香りや薬のような苦みのある香りが感じられます。ムスクのような香りと表現されることもあります。

ミルラ精油の香料・原料データ

英名 Myrrh ミルラ
和名 没薬 モツヤク
学名 Commiphora myrrha コンミフォラ ミルラ
Commiphora molmol コンミフォラ モルモル
別名 マー
科名 カンラン科
産地 ソマリア、インド、エチオピアなど
精油の抽出部位 樹脂
ノート * ベース
精油の主な成分 フラノオイデスマ-1.3-ジエン、クルゼレン、リンデストレン、βエレメン、δエレメン、ゲルマクレンBなど
ブレンド相性 フランキンセンスなど樹脂系の香りやゼラニウムなどフローラル系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ミルラの活用法

ミルラだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ミルラの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ミルラ・・・2滴

コットンに精油のミルラを垂らして香りを拡散させます。
精油に粘り気があるためアロマデフューザーをつまらせてしまう可能性があります。
アロマデフューザーの使用は避けてください。

【おすすめのブレンド】
フランキンセンス・・・1滴

フランキンセンスは使用上の禁忌事項はとくにありません。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ミルラ・・・5滴

無水エタノールに精油のミルラを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ゼラニウム・・・7滴

ゼラニウムは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
ミルラ・・・2滴

計量した天然塩に精油のミルラを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
プチグレン・・・1滴

プチグレンは使用上の禁忌事項はとくにありません。

ミルラの禁忌・注意点

・妊娠中の方
ミルラは通経作用があるとされていますので妊娠中の方は使用を控えてください。

・過多月経の方
ミルラは月経量を増やす可能性がありますので、過多月経の方は使用を控えてください。


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