ローズ(ローズ・アブソリュート、ローズ・オットー)アロマ精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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ローズという名前はケルト語で赤いという意味のrhodd(ロッド)が語源で、赤い花を咲かせることから名付けられたと言われています。

ローズには数万もの品種がありますが、精油の原料として活用されているのは原種に近い数品種で、現在流通しているもののほとんどはロサケンティファリアかロサダマスケナという品種から抽出された精油です。

ローズ精油は抽出方法で区別されており、有機溶剤抽出法のものをローズ・アブソリュート、水蒸気蒸留法のものをローズ・オットーとよんでいます。

どちらの精油も採油率(原料から精油が採れる割合)がとても低いため精油が高額で、特により採油率の低いローズ・オットーは1mlで1万円前後の値段になります。

ローズ精油は上品な花の香りで、メンタルケアや女性特有の不調の緩和に優れた精油とされています。

ここではローズとはどのような植物か?ローズの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ローズってどんな植物?

ローズはアジア原産で、現在は中近東、ヨーロッパ、アメリカにも分布しています。

自然交雑や品種改良により様々な地域で新たな品種が生まれておりロサケンティフォリアはオランダ、ロサダマスケナはペルシャ(現在のイラン)、が発祥の地と言われています。

ローズには幹や枝が自立できる木立性、つる状で支柱がないと自立できないつる性、その中間位の強度の半つる性があり、ロサケンティフォリア、ロサダマスケナともに半つる性です。

ロサケンティファリアは樹高1.5m~2.5m程度、樹高が低いうちは自立できますが、成長すると支柱が必要になります。
葉は卵型で明るい緑色、品種によっては葉の縁にギザギザがあるものや表面にしわが入ったものもあります。
花は直径7㎝程度、色は白やピンクで、数十枚の花びらが密集しキャベツのような形になっています。

ロサダマスケナは樹高1.5~2m、成長すると枝は下垂していきますが自立可能です。
葉は卵型で明るい緑色、葉の縁に細かいギザギザがあります。

花は直径6㎝程度でピンク色、ロサケンティファリアほど大量の花びらはなく、花びらが密集していないため、花の中央部に黄色の雄しべが見えます。

 

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ローズの使い方・活用法の歴史

ローズは紀元前7000年頃、メソポタミア文明が始まる少し前からメソポタミアで活用されていたのではないかと考えられています。

文献として最古のものは紀元前2000~1800年頃に書かれたとされるギルガメッシュ叙事詩で、ローズは永遠の命を与える樹として登場しています。

紀元前後の古代ローマ時代には栽培が行われ、お祝い事や死者の供養に使ったり、二日酔い予防の薬草として使ったりしていたと言われています。

10世紀になるとペルシャ人の科学者であり医学者のイブン・シーナが精油を水蒸気蒸留法で抽出する技術を確立し、ローズから精油と芳香蒸留水(精油を蒸留する際に出る、水溶性の芳香成分が入った水)を作りだしました。
精油や芳香蒸留水は香りを楽しむ目的や、薬効は不明ですが薬として活用されていたと言われています。

11世紀頃になるとヨーロッパからエルサレム方面へ遠征してきた十字軍の軍人達がローズや蒸留技術、精油、芳香蒸留水を自国に持ち帰り広めていったと言われています。

ヨーロッパでローズは見た目の美しさと良い香りで人気となり、観賞目的に栽培されたり、絵画のモチーフとして活用されたり、胃薬や頭痛薬など薬用品としても活用されていたそうです。

14世紀頃にはヨーロッパでも精油が作れるようになり、香水や革手袋の臭い消しに活用されるようになりました。

18世紀にはフランス皇帝ナポレオンの妻、ジョセフィーヌが世界各地からローズを収集し、自分の庭でおよそ250もの品種を栽培していたそうです。

この庭の園芸家が人工授粉による品種改良の技術を確立させ、豊富な品種とその技術を活用したことで19世紀頃フランスは品種改良の中心となりました。

日本はローズの原産地の1つであり、ノイバラなどの原種が元々自生していました。

海外の品種が伝わったのは平安時代で、中国からコウシンバラという品種が伝わり、貴族たちが庭に観賞目的で植えていたそうです。

西洋の品種が伝わったのは江戸時代で、仙台藩主伊達政宗の命でスペイン、ローマへ渡った支倉常長が持ち帰ったものが最古であると言われています。

その後明治時代には西洋のローズが輸入されるようになり、一般にも広く知られ各家庭で栽培されるようになりました。

現在は世界各国で観賞用植物やジャムやハーブティーといった食用品、香料として活用されておりブルガリのローズゴルデア、クロエのローズドクロエなど数多くの香水に配合されています。

また、ローズ精油は肌をきれいにすることに役立つと言われており、ボディケア用品やスキンケア用品にも配合されています。

ローズ精油の特徴

ローズ精油の抽出方法

ローズの花からローズ・アブソリュートは有機溶剤抽出法、ローズ・オットーは水蒸気蒸留法で精油を抽出します。

精油の色は、ローズ・アブソリュートは暗いオレンジ色~オリーブ色、ローズ・オットーは薄黄色~薄オリーブ色です。

どちらの精油も気温が低くなるにつれ精油の粘り気が強くなり、10℃前後まで下がると固形状になります。

ローズ精油の香りの特徴

上品なローズの香りに蜂蜜の甘さを足したような香りです。

アブソリュートのほうがローズそのものに近い香りで、オットーのほうが若干軽やかな香りでほんのりスパイシーな香りも感じられます。

ローズ精油の香料・原料データ

英名Rose ローズ
和名薔薇 バラ
学名Rosa centifolia ロサ ケンティフォリア
Rosa damascena ロサ ダマスケナ
別名【共通】
ソウビ、ショウビ
【ロサ ケンティフォリア】
センティフォリアローズ、キャベッジローズ、ハンドレッドペタルローズ
【ロサ ダマスケナ】
ダマスクローズ、ブルガリアンローズ
科名バラ科
産地トルコ、ブルガリア、モロッコ、フランス、イランなど
精油の抽出部位
ノート *ミドル~ベース
精油の主な成分【ローズ・アアブソリュート】
フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、酢酸ゲラニルなど
【ローズ・オットー】
シトロネロール、ゲラニオール、ノナデカン、ネロール、メチルオイゲノール、リナロールなど
ブレンド相性カモミールローマンなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ローズの活用法

ローズだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ローズの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

レシピはローズ・アブソリュート、ローズ・オットー共通です。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ローズ・・・1滴

コットンに精油のローズを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
オレンジ・スイート・・・2滴

オレンジ・スイートは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ローズ・・・2滴

無水エタノールに精油のローズを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
パルマローザ・・・8滴

パルマローザは子宮を収縮させる働きがある可能性がありますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
ローズ・・・1滴

計量した天然塩に精油のローズを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】 
カモミールローマン・・・1滴

カモミールローマンは通経作用がある可能性がありますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。
キク科の植物ですので、ブタクサなどキク科に対するアレルギーをお持ちの方は使用を控えてください。

ローズの禁忌・注意点

・妊娠中の方
ローズ・アブソリュート、ローズ・オットー精油は女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関わりますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

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