精油ティートリーの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点
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ティートリー(Tea tree)は、直訳すると「茶の木」ですが緑茶などの原料となるチャノキ(Tea plant)という植物とは全く別の植物です。ティートリーとチャノキを混同しないためにティートリーをTi treeと表記することもあります。
ティートリー精油は爽やかな香りが特徴ですが、香料としてはあまり活用されず、消毒や殺菌を目的として薬のように使われてきた歴史があります。
現在も消毒や殺菌を目的として使われることが多く、その作用について研究が進められています。
ここではティートリーとはどのような植物か?ティートリーの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
目次
ティートリーってどんな植物?
ティートリーはオーストラリア原産の常緑樹で、マレーシアやニューカレドニアにも自生しています。
樹高は5m程度、葉は長さ3㎝、幅1mm程度の針のような細長い形をしており、花は白色でふわふわとした羽毛のような見た目をしています。
樹皮は、幹に薄い樹皮が何枚も重なるようになっており、幹の表面を引っ張ると一枚ずつ剥がすことができます。
ティートリーの名前の由来
ティートリーという名前の由来は、オーストラリアの先住民アボリジニーがお茶にしていた植物だからという説や、オーストラリアを発見したキャプテンクックが壊血病予防のためにお茶にして飲んでいた植物だからという説があります。
ティートリーは別名Paper bark(ペーパーバーク)と呼ばれていますが、この名前は樹皮(バーク)が薄い紙のように剥がれる樹ということから名付けられたと言われています。
ティートリーの使い方・活用法の歴史
ティートリーはいつから活用されているかは不明ですが、オーストラリアの先住民アボリジニーは、葉をお茶や風邪薬、頭痛薬として、樹皮を屋根や雨具の材料、包帯として活用していたそうです。
1770年代になるとイギリスの海軍士官ジェームズ・クック(通称キャプテン・クック)がオーストラリア大陸を発見、上陸し、その際にティートリーをイギリスに持ち帰ります。
ジェームズ・クックはアボリジニー達がお茶にしていたのを真似て、壊血病予防になるお茶として乗組員とともに飲んでいたそうですが、一般にはあまり普及しなかったと言われています。
1920~1930年代になるとティートリーの成分や働きに関する研究が行われるようになり、消毒の働きを持つオイルとしてオーストラリアで商業的にティートリーオイルが生産されるようになりました。
第二次世界大戦時(1939~1945)には戦争で負傷した兵士の傷の治療や消毒に活用されていましたが、この頃は野生のティートリーを採取してオイルを生産しており、生産量は多くはありませんでした。
1980年代頃になると、さらに研究が進み、ティートリーオイルは防腐作用や抗菌作用があり、薬に比べて副作用が少なく耐性菌発生のリスクが少ないと広く注目されるようになり、大規模に栽培されるようになりました。
日本に伝わった時期は不明ですが、現在は日本でも精油抽出目的で栽培されています。
現在ティートリーは世界各地で日用品の香料や観賞用植物、消毒スプレーの添加物として活用されています。
ティートリー精油の特徴
ティートリー精油の抽出方法
ティートリーの葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は透明~薄黄緑です。
ティートリー精油の香りの特徴
清涼感のある森林浴の香りです。消毒のような香りと表現されることもあります。
ティートリーの香料・原料データ
英名 | Tea tree ティートリー |
和名 | ― |
学名 | Melaleuca alternifolia メラレウカ アルテルニフォリア |
別名 | ナロウリーフペーパーバークティートリー、ペーパーバーク |
科名 | フトモモ科 |
産地 | オーストラリアなど |
精油の抽出部位 | 葉 |
ノート * | トップ |
精油の主な成分 | テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、α-テルピネン、パラシメン、1.8シネオール、α-ピネンなど |
ブレンド相性 | スペアミントなどハーブ系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
ティートリーの活用法
ティートリーだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
レシピを活用する際は、ティートリーの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
ティートリー・・・2滴
コットンに精油のティートリーを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・1滴
スペアミントは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。また、通経作用がある可能性がありますので妊娠中の方は使用を控えてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ティートリー・・・5滴
無水エタノールに精油のティートリーを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・10滴
グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
入浴剤
精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。
【レシピ】
天然塩・・・30g
ティートリー・・・1滴
計量した天然塩に精油を加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・2滴
ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。
ティートリーの禁忌・注意点
・敏感肌の方
ティートリーに含まれる1.8-シネオールは皮膚刺激を与える可能性があります。敏感肌の方は肌につける使い方は控えてください。
・プラスチック製品に関する注意
ティートリー精油には樹脂に侵食し、溶かす性質があります。プラスチック容器に保管すると容器を溶かしてしまう可能性がありますので、プラスチック容器に保管することは避けてください。
また、樹脂塗装に付着させると塗装が変質する可能性がありますので、樹脂塗装の近くでの使用は控えてください。