ラベンダー(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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ラベンダーという名前はラテン語で洗うという意味のLavare(ラヴァレ)が語源で、ラベンダーの一種が古代ローマで入浴や洗濯といった何かを洗う場面で使われていたことが理由であると言われています。

ラベンダーには多くの種類があり、そのうちいくつかの品種が精油の原料となっていますが、アロマセラピーにおいては単にラベンダーという場合にはラヴァンドラアングスティフォリアという品種を指します。他のラベンダーと区別して真正ラベンダー、トゥルーラベンダーと呼ぶこともあります。

ラベンダー精油は万人に好まれやすい軽やかな花の香りで、扱う際の禁忌事項も少ないため初心者の方にもおすすめの精油です。

ここではラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)とはどのような植物か?ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)の精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)どんな植物?

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)は地中海沿岸、北アフリカ、インド原産の多年草で、現在の主産地はフランス、ブルガリアです。日本でも栽培されており、日本の主産地は北海道です。

元々雪山など標高の高い場所に自生していた植物で、寒さにはとても強く雪に埋もれたままでも枯れませんが、高温多湿には弱いです。

草丈は20~60㎝、茎は細く枝分かれしながら伸びていき、成長すると樹形は半球状になります。

茎の断面は四角形で、若い茎は緑色で表面に産毛のような細かい毛が生えており、地面に近い部分の茎は茶色で木のような質感になっています。

葉はとても細く幅は5mm程度、長さは5㎝程度です。

茎の先端部の花穂(カスイ)と呼ばれる部分に5~10個位、紫色の花が稲穂のような形に集合して咲き、花が終わるとケシの実のような茶色の種が実ります。

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)の使い方・活用法の歴史

古代ローマ時代にラベンダーが入浴や洗濯に使われていた理由は、殺菌作用を期待していたとも、香りを楽しむ目的であったとも言われています。

ただ、この時代に使われていたラベンダーはラヴァンドラアングスティフォリアではなく、他の品種のラベンダーであるという説もあります。

ヨーロッパではいつ頃かは不明ですが、民間療法として鎮痛や精神安定、殺菌効果を持つ薬草として活用されてきました。

12世紀には、ドイツ薬草学の祖と言われている修道女ヒルデガルド・フォン・ビンゲンが、「ラベンダーをワインで煮たものを飲むと、肝臓と肺の痛み、呼吸困難を和らげる。ラベンダーの香りを嗅ぐとシラミが死ぬ。」と書き残しています。

16世紀になるとヨーロッパではペストや結核が流行し、予防には植物の香りが有効と考えられていました。
ラベンダーも伝染病予防に効果のある植物とされ、ラベンダーの花を床に撒いて家の中に香りを拡散させていたそうです。

この頃になるとヨーロッパに精油の蒸留技術が普及してきており、香料としても活用されるようになりました。

当時のイギリス女王、エリザベス1世はラベンダー香水を愛用しており、貴族の女性達も女王の真似をしてラベンダー香水をつけていたそうです。
また、女王は片頭痛持ちで、片頭痛の緩和にラベンダーのお茶を飲んでいたと言われています。

さらに16世紀フランスでは、精油を革製品用の香料として活用していました。

当時の革製品は動物の香りが強く、悪臭とも言える匂いがしており、その匂いを消す目的でラベンダーなどの香料を使ったそうで、香料を使った革手袋は花の香りがする手袋として貴族の間で人気となったそうです。

20世紀になると、ラベンダー精油を医療に活用できないかという研究が行われるようになります。

そのきっかけを作ったのは、フランスで香料会社を経営し、香料に関する研究も行っていたルネ=モーリス・ガットフォセだと言われています。

ルネは実験中に火傷を負った時、とっさに手元にあったラベンダー精油を火傷につけたところ火傷の症状が改善したため、ラベンダーに火傷を治す力があるのではないかと研究するようになったと言われています。ルネは医師の協力のもと研究を進め、いくつかの論文を発表しています。

ルネは1937年に精油で行う療法、芳香療法という意味のAromatherapie(アロマテラピー)という本を書いており、アロマテラピー(英語ではアロマセラピー)という言葉を初めて作った人物とされています。

1953年にはフランスの軍医、ジャン・バルネがラベンダー精油を負傷兵の治療に活用しており、1964年に臨床現場での精油の活用についてまとめた本を書いています。

現在でもヨーロッパでは、傷の手当や不眠症、痛みの緩和に対する代替医療の1つとして活用されていますが、日本では精油は薬としては扱われておらず、治療目的で使うことは原則として禁止されています。

日本に伝わったのは1937年、曽田香料株式会社がフランスの香料商アントワン・ヴィアルからラベンダーの種を入手したことが始まりだと言われています。

種は北海道、千葉、岡山県の農事試験場で試験栽培し、北海道が最も栽培に適していると判断され北海道で栽培が開始されました。栽培地には精油蒸留所も作られ1942年にラベンダー精油の生産が開始されました。

戦後になると海外産精油の輸入や人工香料の普及に伴い香料原料としての栽培は縮小されましたが、1976年国鉄のカレンダーに富良野のラベンダー畑の風景が採用されたことで全国に絶景として知られるようになり、広大なラベンダー畑が観光資源として活用されるようになりました。

現在は観賞用植物として活用したり、リラックスや安眠を目的としたハーブティーや、肌の炎症を抑えたり、ニキビ肌を改善する効果を期待して化粧品添加物として活用したり、サシェ(匂い袋)、ポプリ、ドライフラワーとしてとして活用されています。

化粧品や香水用の香料としても活用されており、アナスイのスイートドリームスインパープルやモンゲランオーデパルファンなどの女性向け香水だけではなく、グッチギルティプールオムやバーバリーフォーメンなどの男性向けの香水にも活用されています。

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)精油の特徴

ラベンダー精油の抽出方法

ラベンダーの花(花穂)、葉、茎から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄い黄色です。

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)精油の香りの特徴

草原のような爽やかな草の香りと、軽やかな甘みのある花の香りがします。

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)精油の香料・原料データ

英名Lavender ラベンダー
和名薫衣草 クンイソウ、クヌエソウ
学名Lavandula angustifolia ラヴァンドラ アングスティフォリア
別名トゥルーラベンダー、真正ラベンダー、イングリッシュラベンダー、コモンラベンダー、ラベンダーアングスティフォリア
科名シソ科
産地フランス、ブルガリア、イギリス、モロッコ、日本など
精油の抽出部位花(花穂)、葉、茎
ノート *トップ~ミドル
精油の主な成分酢酸リナリル、リナロール、シス-β-オシメン、トランス-β-オシメン、テルピネン-4-オール、酢酸ラバンデュリル、3-オクタノンなど
ブレンド相性カモミールローマンなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)の活用法

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ラベンダー・・・2滴

コットンに精油のラベンダーを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
オレンジ・スイート・・・2滴

オレンジ・スイートは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ラベンダー・・・7滴

無水エタノールに精油のラベンダーを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ユーカリ・ラディアタ・・・5滴

ユーカリ・ラディアタは使用上の禁忌事項はとくにありません。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
ラベンダー・・・2滴

計量した天然塩に精油のラベンダーを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】 
カモミールローマン・・・1滴

カモミールローマンは通経作用がある可能性がありますので妊娠初期(妊娠4か月目くらいまで)の方は使用を控えてください。ブタクサなどキク科植物に対してアレルギーをお持ちの方も使用を控えてください。

ラベンダー(ラヴァンドラアングスティフォリア)の禁忌・注意点

・妊娠初期の方
ラベンダーは通経作用がありますので妊娠初期(妊娠4か月目くらいまで)の方は使用を控えてください。


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アロマ 精油 エッセンシャルオイル

 

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