精油バニラの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点
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バニラはラン科の植物です。
バニラは洋菓子を連想するような甘い香りが特徴ですが、自然の状態では特に香りはなく、バニラビーンズと呼ばれるさやの部分を約一年かけて発酵熟成させることで甘い香りが生まれます。
また精油のバニラは甘いだけではなくスパイシーさもあり、バニラエッセンスよりも大人っぽい印象の香りで、心が塞ぎこんでいるときに良い香りだと言われています。
なおバニラは、収穫や発酵熟成に多くの時間と手間が必要であるため、スパイスや精油はとても高価です。
ここではバニラとはどのような植物か?バニラの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
バニラってどんな植物?
バニラは中央アメリカ原産のつる性の植物で、現在はマダガスカルやレユニオン島などにも分布しています。マダガスカル産、レユニオン島産のものは品質が良いとされており、この二つの産地から採れるバニラを、他の産地のバニラと区別してブルボンバニラと呼ぶこともあります。
バニラは地面ではなく木の幹や岩肌に根を張る、着生ランという種類の植物で、木の幹や岩などに張りつけた根から空気中の水分を吸収し成長します。他の植物に張りついて成長する場合もありますが、寄生植物のように他の植物から栄養を吸収してはいません。
つるの直径は1㎝程度、草丈は10m~30mです。つるは自立できないため支えとなるものに巻き付いて成長します。
葉は長さ10~20㎝程度、楕円形で先端が尖っており、表面に光沢があります。
花はランの花に似た形で、薄い黄緑色です。花は一日しか咲かず、その間に受粉できれば、長さ15~30㎝程度のインゲンに似た形のさやができます。さやの中にはとても小さな黒い種が数千個も入っています。
バニラの開花期間はとても短いため、栽培する時は人口授粉をしないとさやを形成することは難しいです。

バニラの名前の由来
バニラという名前は、スペイン語でさやという意味のVaina(バイナ)が語源であると言われています。バニラがさやを実らせることからつけられたと言われています。
バニラの使い方・活用法の歴史
バニラは、年代は不明ですがメキシコの先住民が熱病やヒステリーの薬、飲み物やたばこの香り付けなどに活用していたそうです。
バニラがヨーロッパに伝わったのは16世紀、スペインがメキシコのアステカ帝国を征服した時だと言われています。
征服した際にスペインの将軍エルナン・コルテスが現地で飲まれていたバニラ入りのココアドリンクを飲み、あまりのおいしさに自国に持ち帰ったそうです。
ただ、ヨーロッパに伝わった当初はバニラとココアのみで甘みを加えずに飲んでしまったためとても苦く、「人間ではなく豚用の飲み物」と呼ばれ広まらなかったそうです。しかしその後、牛乳と砂糖を加えるようになり、人気の飲み物になっていったそうです。
また当時バニラには催淫作用があると考えられており、催淫剤しても活用されたそうです。
17世紀にはイギリス女王エリザベス一世に仕えていた医師ヒュー・モルガンがバニラを使った砂糖菓子を考案しました。女王がこの菓子を好んで食べたことから、上流階級の人々にバニラが知れ渡るようになったと言われています。
18世紀になると、フランスでアイスクリームの香料として活用されるようになりました。
この時にフランスに滞在していたアメリカ大使がバニラアイスを気に入り、アメリカにレシピを持ち帰ったそうです。この時のレシピは今も米国議会図書館に収蔵されているそうです。
現在は主にスパイスや香料として活用されており、ランコムのトレゾァオードゥパルファンやバーバリーのブリットフォーハーオードトワレなどに配合されています。
バニラ精油の特徴
バニラ精油の抽出方法
発酵熟成させた果実と種子(さや)から有機溶剤抽出法で精油を抽出します。精油は濃い琥珀色です。
バニラ精油の香りの特徴
バニラエッセンスのような甘い香りです。甘さの中にほのかにスパイシーな香りがします。
バニラの香料・原料データ
英名 | Vanilla バニラ |
和名 | ― |
学名 | Vanilla planifolia ヴァニラ プラニフォリア |
別名 | バーボンバニラ、ブルボンバニラ |
科名 | ラン科 |
産地 | マダガスカル、レユニオン島など |
精油の抽出部位 | 果実、種子 |
ノート * | ミドル~ベース |
精油の主な成分 | バニリン、バニリン酸、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシ安息香酸など |
ブレンド相性 | シナモンバークなどスパイス系の香りやマンダリンなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
バニラの活用法
バニラだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、バニラの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
バニラ・・・2滴
コットンに精油のバニラを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
シナモンバーク・・・1滴
シナモンバークは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。また、文献によっては通経作用があるとされていますので妊娠中の方は使用を控えてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
バニラ・・・5滴
無水エタノールに精油のバニラを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
マンダリン・・・10滴
マンダリンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
バニラの禁忌・注意点
・肌への使用について
バニラにはバニリンやp-ヒドロキシベンズアルデヒドなどは皮膚刺激を与える可能性がある成分が多く含まれています。肌へ塗布する使い方は控えてください。
・妊娠中の方、授乳中の方
バニラ精油は文献によっては妊娠中、授乳中使用は控えるようにとなっています。
使用データが少ない精油でもありますので、妊娠中、授乳中の方は使用を控えてください。