フランキンセンス(アロマ・精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

精油フランキンセンスの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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フランキンセンスはボスウェリア属の樹木から出る樹脂の呼び名で、紀元前からお香として活用されてきた歴史があることから、古いフランス語で良質なお香という意味のFranc encense(フランオンソン)から名付けられたと言われています。

日本では乳香(ニュウコウ)と呼んでいますが、この呼び名は樹木から染み出たばかりの樹脂がミルクのように白いことが由来となっていると言われています。

フランキンセンス精油は、アロマセラピーでは肌をきれいにする精油とされており、フェイシャルケアやボディトリートメントに多く使われています。

レモンのような爽やかで甘い香りで、使用上の禁忌事項も特になく、初心者でも扱いやすい精油です。

ここではフランキンセンスが採れるのはどのような植物か?フランキンセンスの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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フランキンセンスが採れるのはどんな植物?

フランキンセンスは複数のボスウェリア属の樹木から採れますが、精油の原料として主に活用されているのはインドや北東アフリカ、中東地域に自生しているボスウェリア サクラ、ボスウェリア カルテリという種類です。

樹高は3~10mと生息している環境によって大きな違いがあります。
樹皮は薄い樹皮が何層にも重なっており、表面は灰白色、幹に近い方は緑色をしています。

幹に到達するくらい深い傷をつけると、甘い香りがする白い樹液が染み出てきます。染み出た樹液は2週間くらい経つと固まりはじめ、さらに時間が経つと黄金色~琥珀色になります。

葉は羽状複葉(ウジョウフクハ)と呼ばれる形で、枝から伸びている葉軸(ヨウジク)という細い茎の先端と両脇に楕円形の葉がついています。

花の色は白で、中央部分が黄色になっており、枝から伸びた細い茎に小さな花が複数並んで咲きます。

フランキンセンスの使い方・活用法の歴史

フランキンセンスは古代エジプト時代(紀元前3000年~30年頃)には太陽神ラーの汗が固まったものと考えられており、日が無事に上るようにと祈りをこめて日の出に焚かれていたと言われています。神殿や王宮でも空間の浄化や、自分たちの存在を神格化する目的で焚いていたそうです。

また、古代エジプトでは魔除けのために目の周りを黒く囲う化粧が行われており、その時に使う「コール」という黒い粉にも配合されていたそうです。

ただ、エジプトにはボスウェリア属の樹木はなく、エジプトの南東にあったプントという国からフランキンセンスを入手しており、ボスウェリア属の樹木が運ばれる様子が紀元前15世紀頃に造られたとされるハトシェプト女王葬祭殿の壁画に描かれています。

古代ローマ時代(紀元前753年~紀元後476年頃)にはお香や薬として活用されており、古代ローマの博物学者プリニウス(紀元後23年~79年)はドクニンジンの解毒剤として活用していたそうです。

また死者の弔いにも活用され、ローマ皇帝ネロ(37年~68年)は妻ポッパエアの葬儀の際、当時のアラビアで一年間に生産される量よりも多くのフランキンセンスを焚いて供養をしたと言われています。

10世紀頃のアラブ地域でも神に捧げるお香や、薬として活用されていました。イスラム文化において最高の知識人と言われる医学者アヴィセンナ(980年~1037年)は嘔吐、赤痢、熱などの治療薬として活用していたそうです。
イスラム教では現在も悪霊を払う香りとされており、モスク(礼拝を行う寺院)で焚いているそうです。

また、フランキンセンスは、イエスキリストへの贈り物として聖書にも登場しています。
イエスキリストが生まれた時に、東方の三賢者と呼ばれる三人の賢者がキリストの元にお祝いに駆け付け、王の象徴として黄金を、預言者の象徴としてフランキンセンスを、死と復活の象徴としてミルラを送ったという内容が書かれています。
キリストに縁の深い香りとして現在も教会で礼拝など儀式を行う際に焚かれています。

日本には6世紀頃、仏教とともにインドから唐を経由して伝わったと言われています。当時は日本でも神に捧げる香りとして神社で行う儀式の際にお香として活用していました。
10世紀頃になると平安貴族の間で香りを楽しむ目的で活用されるようになったと言われています。

現在でも各地で樹脂がお香として活用されていますが、フランキンセンス精油には保湿作用があるとされており、現在は化粧水やハンドクリームなどの添加物としても活用されています。

フランキンセンス精油の特徴

フランキンセンス精油の抽出方法

フランキンセンスの樹脂から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~緑がかった琥珀色です。

フランキンセンス精油の香りの特徴

レモンのような爽やかな香りと優しい甘い香り、ほんのりとスパイシーな香りが感じられます。

フランキンセンス精油の香料・原料データ

英名 Frankincense フランキンセンス
和名 乳香 ニュウコウ、乳香樹 ニュウコウジュ
学名 Boswellia sacra ボスウェリア サクラ

Boswellia carterii ボスウェリア カルテリ

別名 オリバナム、ルバーン
科名 カンラン科
産地 ソマリア、オマーン、エチオピアなど
精油の抽出部位 樹脂
ノート * ミドル~ベース
精油の主な成分 α-ピネン、リモネン、ミルセン、α-ツヨネン、サビネン、オクタノール、リナロールなど
ブレンド相性 ラベンダーなどフローラル系の香りやベルガモットなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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フランキンセンスの活用法

フランキンセンスだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、フランキンセンスの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
フランキンセンス・・・2滴

コットンに精油のフランキンセンスを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
ベルガモットフロクマリンフリー・・・1滴

ベルガモットフロクマリンフリーは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
フランキンセンス・・・8滴

無水エタノールに精油のフランキンセンスを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
サイプレス・・・4滴

サイプレスは女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠維持や出産に関りますので、妊娠中の方は使用を控えてください。また、子宮筋腫などエストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
フランキンセンス・・・2滴

計量した天然塩に精油のフランキンセンスを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ローズ・オットー・・・1滴

ローズ・オットーは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠維持や出産に関りますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

フランキンセンスの禁忌・注意点

使用上の禁忌・注意事項は特にありません。


フランキンセンス 10ml
アロマ エッセンシャルオイル 精油

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