シミやそばかす、くすみのない美白肌を作るためには、美白化粧品などでのセルフケアが重要になります。
しかし、シミやそばかす以外の悩みも多い20代や、徐々にシミが増えてくる30代、シミが目立ち始める40代以降と、年代によって肌の悩みは異なります。
そのため効率よく美白肌を叶えるためには、年代に適したケアが必要になります。
今回は、年代別におすすめ美白化粧水の選び方をご紹介します。
また、コスパが良く手に取りやすい「プチプラ」の美白化粧水についても解説していくので参考にしてみてください。
美白化粧水とは
美白化粧水とは、「美白成分」が含まれている種類の化粧水のことです。
シミは、本来肌を守るために作られるメラニンが多く生成され、角質層より奥の表皮に潜り込むことで、「色素沈着」が起こります。
化粧水を含めた美白化粧品と呼ばれるアイテムはこのメラニンの過剰生成を防ぐ効果があります。
また、肌のターンオーバーを正常にすることで、すでにできてしまったメラニンを排出し、シミとして定着させない成分が含まれています。
なお、「美白化粧品」と聞くと、気になるシミがきれいに消えて無くなったり肌がパッと明るくなるイメージがありますが、実はそうではありません。
美白化粧品で期待できる効果は、「肌の新陳代謝を健康な状態にし、肌に余計なメラニンが無い状態」を作り出すものです。
そのため、すでに気になるシミがあって、そのシミを今すぐに消し去りたいという場合は、美白化粧品でのセルフケアではなく、レーザーなどによるシミ取り治療が必要です。
化粧水の本来の役割は肌に潤いを与え、さらに美容液やクリームの浸透率を良くすることです。
新品のスポンジがすぐに水を吸収しないのと同じように、乾燥した肌には美容成分が浸透しづらくなっています。
そのため化粧水であらかじめ潤いを与え、肌を柔らかくすることで化粧品が持つ美容成分を肌の奥深くまで浸透させることができます。
この化粧水の役割から、化粧水そのものの美容成分は美容液などと比較すると少なくなっています。
より強力な美白効果を期待する場合は、美白化粧水と合わせて美白美容液などの使用をおすすめします。
美白化粧水プチプラはどうなの?
美白化粧水プチプラのメリット
美白化粧水の効果を感じるためには、継続して使用し続けることが大切です。
そのため、「とっておきの高級美白化粧水」を短期間だけ使うよりも「手に取りやすい金額の美白化粧水」を長期間継続して使い続けたほうが効果を実感しやすくなります。
その点、プチプラの美白化粧水は継続しやすい美白化粧水と言えるでしょう。
また、化粧水は少量を伸ばして使うのでは意味がありません。
少量の美白化粧水では、美白成分が十分に肌に行き渡らないだけではなく、肌の上で無理やり伸ばすことによって肌への刺激やダメージになります。
そのため、今使用している美白化粧水を十分な量の化粧水を使うことに対して「もったいない」と感じるようであればプチプラ美白化粧水に切り替えるのもおすすめです。
美白化粧水プチプラは効果が薄い?
安価なプチプラ化粧水は、高級品と比較して効果が薄いのではないか、という不安もあるかと思います。
結論から言うと、そんなことはありません。
プチプラ美白化粧水にも、ビタミンC誘導体やm-トラネキサム酸などの美容成分が含まれています。
そのため正しく使い続けることによってしっかりと効果を感じることができます。
高価な美白化粧水は、メーカー独自の美容成分を配合していたり、より多くの悩みに効果がある美容成分が含まれていることが多いです。
しかし、プチプラ美白化粧水でも、きちんと目的を明確にして、必要な美容成分が含まれているアイテムを選ぶことで効果的に使用することができます。
美白化粧水を効果的にする成分
美白化粧水のなかでも、コスパが良い製品を選ぶためには、目的に合った成分が含まれている製品を選ぶことが重要になります。
プチプラ美白化粧水は有効美容成分の種類を絞って作られている製品も多いので、自分の肌の状態にあわせて必要な成分を調べてから購入するのがおすすめです。
トラネキサム酸・m-トラネキサム酸
トラネキサム酸は人工合成されたアミノ酸で、止血剤や抗炎症剤として治療などに用いられる成分です。
最近では、セルフケアが難しいとされてきた肝斑の治療薬としても有効と言われています。
肌は、強い紫外線を浴びると炎症を起こしメラニン色素を生成します。
このメラニン色素が色素沈着を起こし、シミになります。
トラネキサム酸には、シミができる原因であるメラニンの生成を抑制し、肌荒れを抑える効果があります。
なかでも、「m-トラネキサム酸」は、「資生堂」が開発した美容成分で美白効果に特化しています。
アルブチン
アルブチンはハイドロキノン誘導体の一種でコケモモや梨に含まれている成分です。
メラニンを生成する「チロシナーゼ」という酵素の働きを妨害しシミができるのを防ぎます。
「資生堂」が開発した成分ですが、現在は特許期間が終了したため資生堂以外の多くの化粧品メーカーで使用されています。
なお、一般的にアルブチンと表示されているのはβ-アルブチンのことで他に「α-アルブチン」があります。
α-アルブチンは「江崎グリコ」が開発した美容成分で、β-アルブチンの10倍のチロシナーゼ阻害効果があるためより高い美白効果が期待できます。
プラセンタエキス
プラセンタとは生物の胎盤のことです。
胎盤は胎児を育てるために作られているため、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富です。
若返りの成分とも言われており、豊富な栄養素が肌のターンオーバーを促進させアンチエイジング効果が期待できます。
プラセンタはメラニンの生成を抑制するため、シミの予防としても効果があります。
またターンオーバーを促進することで古い角質が剥がれ落ちやすくなりシミの原因となるメラニンも同時に剥がれ落ちるため自然に消えていきます。
ビタミンC
ビタミンCは肌のターンオーバーの正常化やコラーゲンの生成、肌の抗酸化力の向上に役立つ成分です。
紫外線ダメージによって生成されるメラニンを阻止したり、すでにできてしまったメラニンを淡色化させる作用もあります。
また、美白化粧水には「ビタミンC誘導体」が含まれている製品もあります。
ビタミンCには肌への浸透率が低く壊れやすいという特徴がありますが、ビタミンC誘導体はビタミンCを守り安定して肌に届ける効果を持っています。
コウジ酸
コウジ酸は、酒類や醤油を醗酵する過程で生まれる麹に含まれる天然の美容成分です。
コウジ酸にはメラニンを生成する酵素の働きを抑える効果がありシミやそばかすの原因となるメラニンの発生を抑制します。
また、シワやたるみの原因となる活性酸素や炎症の発生を抑える作用もあります。
またコウジ酸には肌の黄くすみの原因となる「AGEs」を抑える効果もあるため、肌の透明感を出すことができます。
ルシノール
ルシノールはシベリアに生えるもみの木に含まれる天然由来の成分です。
ルシノールはメラニンの材料となるチロシナーゼを抑え込み、メラニンの生成を抑制します。
アルブチンやコウジ酸よりも数百倍以上高いチロシナーゼ活性阻害作用があると言われている効果の高い美白成分です。
ニコチン酸アミド
ニコチン酸アミドはビタミンBの一種で、ナイアシンアミドとも呼ばれています。
米ぬかや牛の肝臓から抽出される天然成分ですが、人工的に合成されることもあります。
ニコチン酸アミドは、作られたメラニンが肌細胞に届くのを阻止し、シミができるのを妨害します。
また、セラミドの生成を促すため肌のバリアを正常化する働きがあります。
なお、ニコチンという文字が含まれていますが、タバコに含まれる「ニコチン」とは別の物質で、毒性はありません。
カモミラET
「花王」が開発したカモミールから抽出される天然由来成分です。
カモミール自体に高い抗菌・抗炎症作用があり古くから婦人病などの改善に用いられてきました。
カモミラETは、メラニンを生成しろと言う指令自体を阻害しメラニンの発生を防ぎます。
また、ターンオーバーを促進し、すでにできてしまった黒色メラニンの排出を促します。
炎症を抑える抗炎症作用により、ニキビなどの肌トラブルで悩んでいる人にもおすすめの美容成分です。
4MSK
4MSKは「資生堂」が独自に研究・開発した美白成分です。
サリチル酸の誘導体で、正式には「4-メトキシサリチル酸カリウム塩」という名称を持ちます。
メラニンの生成を抑制する効果はもちろん、「慢性角化エラー」というシミ部位で発生する働きに反応して、溜まったメラニンの排出を促進する効果を持つため、効果的にシミを淡色化していきます。
また殺菌・抗菌作用を持つためニキビ等の肌トラブルを改善する効果もあります。
資生堂が特許を持つ美白成分なため資生堂とその子会社が販売している美白化粧品にのみ配合されています。
美白化粧水選び方
コスパもよく効果的に美白ケアをするためには年代に合ったセルフケアを意識することが大切です。
年代によっては肌の状態や悩みは変化していきます。
そのため、必要な美白成分も変わっていくのです。
自分自身の肌の悩みに合わせた美白化粧水を選ぶのは大切ですが、年代に合った成分を選ぶのもまた重要なポイントです。
20代の美白化粧水選び方
20代はまだまだ肌のターンオーバーが活発で、潤いも多くシミができ辛い年代です。
基本的には、シンプルな成分の肌に潤いを与える化粧水をたっぷりと使用することでセルフケアすることができます。
なお、20代のうちは肌がダメージを追っても修復する力が強いため、紫外線などの刺激に対して鈍感になりがちなので注意が必要です。
日焼けも治りやすいため、日焼け止めを塗らなかったりとつい油断してしまいますが、紫外線の影響は蓄積され、30代や40代になってからシミやシワなど老化となって表れてきます。
美白化粧水を選ぶことも大切ですが、まずは日焼け止めを頻繁に塗るなど日常的な紫外線対策を心がけましょう。
また、20代と言えども乾燥には注意が必要です。
皮脂の量は年齢と共に減少するため、20代でも後半になるごとに徐々に乾燥が気になり始めます。
乾燥はターンオーバーの乱れを生み出し、シミの原因となるため保湿効果の高い化粧水を選ぶことが重要です。
30代の美白化粧水選び方
30代は仕事でのプレッシャーや結婚・出産など人生の大きな転換期になることが多い年代です。
周囲の出来事に時間を取られ、自分のケアに手が回らなくなってきます。
そのため、オールインワンゲルなどの時短化粧品を活用するなど自分のライフスタイルに合った化粧品を選ぶことが大切です。
また30代は乾燥のダメージに加え、ホルモンバランスも乱れがちになり、これまでに蓄積されてきた紫外線ダメージなどがシミやシワとなって表れる年代です。
肌の乾燥を防ぐために保湿成分が十分に入っていることを意識するほかにも、シミなど自分の肌の悩みに合った成分の化粧水を選びましょう。
40代の美白化粧水選び方
40代は、肌表面に古い角質が溜まりやすくなるため、化粧水が肌の奥深く、角質層まで浸透しづらくなります。
そのため、美容成分も大切ですが、その美容成分を肌の角質層まで届けるための工夫が必要になってきます。
化粧品メーカーによって美容成分を肌の角質層まで届けるための様々な工夫がなされていますが、なかでもセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などが含まれた保湿力が高い化粧水がおすすめです。
特にプラセンタエキスが含まれている化粧水は保湿効果だけではなく肌の炎症を抑え美白効果も持っており、様々な肌トラブルの改善が期待できます。
なお、40代になってくると肌表面のバリア機能が徐々に弱っていきます。
そのため刺激の強い化粧品は避けるようにしましょう。
例えば、アルコール(エタノール)が含まれている美白化粧水は肌の引き締め効果がありますが、刺激が強く乾燥の原因にもなります。
40代の美白化粧水はノンアルコールがおすすめです。
50代の美白化粧水選び方
50代の美白化粧水は、保湿や美白成分以外にもエイジングケアが重要になります。
女性ホルモンが減少するため、肌の水分保有量も減っていきます。
そのため、肌が乾燥し、弾力やハリが衰え始めます。
衰えてしまった肌の弾力やハリを取り戻すためにはコラーゲンや、コラーゲンをサポートするビタミンC誘導体が有効です。
50代になると肌のターンオーバーも滞りがちで色素の沈着が起こりやすくなります。そのため50代の肌の衰えは化粧水だけでカバーすることは現実的に困難です。
美白化粧水の効果に頼りすぎず、美容液や乳液を含めたセルフケアはもちろん、日頃から季節や屋内外を問わず紫外線対策を徹底するよう心がけましょう