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摩擦、タバコ、ストレスなどシミの原因は紫外線以外にも!食べ物、生活改善など正しいケアと対策
ひとつできるだけで、老けた印象を与えてしまうシミ。紫外線対策をしっかりしているのに、なぜかシミが増える。という人は少なくありません。
シミができたり濃くなったりする原因は、実にさまざま。自分のシミの原因を知り、正しいケアと対策をしてシミを予防しましょう。
シミの原因はメラニン
シミはメラニンが色素沈着した結果できるもの。メラニンは紫外線などのダメージによって肌の表皮細胞の核にある大切なDNAが損傷しないよう、保護するために生成されます。
長時間紫外線を浴びると、メラニンの元となるメラノサイトが大量発生。メラニン生成の活性化につながり、シミの原因となります。
通常は肌のターンオーバーとともにメラニンが剥がれ落ちるため、シミにはなりません。
しかし何らかの要因でターンオーバーが乱れて正常に働かなくなると、メラニンが蓄積して色素沈着を起こします。
この色素沈着こそがシミの正体なのです。
そこで、シミの原因であるメラニンを生成させないため、まず始めに取り組みたいのが紫外線対策です。
しかし、シミはできてしまうと、化粧品ではなかなか解消できないといわれています。
よって、大切なのはシミになる前の予防です。
紫外線は6月~7月に最も強くなりますが、1年中影響を受けます。
よって常に日焼け止めを塗ってUVケアをしましょう。
日常生活ではSPF15〜20、PA++の日焼け止めがおすすめです。
日差しが強いときは、帽子や日傘も併用しましょう。
また、美白成分の含まれた美白化粧品の使用も紫外線には有効です。
美白成分とはメラニン生成のメカニズムに働きかけ、メラニンの生成を抑えて排出を促す成分のことです。
美白成分には2種類あります。
ひとつは厚生労働省が認めた医薬部外品の美白有効成分で、抗酸化作用の優れたビタミンC誘導体や、肌のターンオーバーを促す作用のあるAMPなどが挙げられます。
もうひとつは医薬部外品以外の美白効果のある成分で、肌の漂白作用のあるハイドロキノンなどがあります。
一般的には医薬部外品の美白有効成分の方が安全性と有効性に優れているといわれています。
太陽光の中にはUVA、UVB、UVCの波長の紫外線が含まれますが、UVCは大気を通過できないため人体に影響を及ぼしませんが、UVA、UVBは地表まで届くため人の健康に影響を及ぼします。UVAは人体に及ぼす紫外線のうちの約95%を占めます。
PAとは「Protection Grade of UVA」の略で、UVAの防止に効果を示すものです。「PA+」~「PA++++」まであり、「+」が多いほど効果が高くなります。
一方、SPFは「Sun Protection Factor」の略で、UVBの防止に効果を示すものです。「SPF2~50」、50以上は「SPF50+」があり、数値が大きいほど効果が高くなります。
PAもSPFも数値が大きいほど効果が紫外線防止効果が高くなりますが、肌への刺激も大きくなるため使用法には注意が必要です。
メラニンができるのは紫外線だけじゃない
メラニンができる原因は紫外線が主とされていますが、実はそれだけではありません。
ホルモンバランスの乱れやストレス、不規則な生活習慣や洗顔のしすぎなどで起こる肌の摩擦による色素沈着などが複雑に絡み合っている場合も多いです。
また、シミと一言でいってもシミにもたくさんの種類があります。
まず老人性色素斑と呼ばれるものが、一般的にいわれるシミ。紫外線の影響や肌の老化によってメラニンが蓄積されることでできます。
ほかにも肝斑と呼ばれるストレスや不規則な生活習慣からくるホルモンの乱れの影響で30〜40代に多く見られるシミや、炎症後色素沈着というニキビや傷、洗顔のしすぎなどによる肌の摩擦などによる炎症が治ったあとにできるシミなどさまざまです。
紫外線でできるシミには日焼けを防止するUVケアが有効ですが、それ以外の要因でできるシミにはそれ相応の対策をする必要があります。
タバコもシミの原因に
タバコもシミの原因になります。
タバコを吸うと女性ホルモンの分泌低下や、血管の収縮から血行不良を招きます。
これにより新陳代謝が正常に行われなくなるため、肌のターンオーバーが乱れがちになります。
ターンオーバーが乱れると、メラニンの排出がされずに肌に蓄積して色素沈着を起こし、シミの原因となります。
さらにタバコを吸うとレモン約半分のビタミンCを体内で消費してしまいます。
ビタミンCはメラニンの代謝や還元に重要な栄養素のため、その欠乏はシミが悪化する大きな要因になります。
もし自身が喫煙者の場合、禁煙がシミ対策にはいちばん効果的な改善法になります。
ストレスがシミの原因ってどういうこと?
鏡に映る自分の顔にシミがあると、化粧のノリも悪くなりストレスを感じてしまうこともあるかと思います。
しかしこのストレスもシミにとっては大敵です。特にホルモンバランスと関係する肝斑と呼ばれるシミの原因となるため要注意です。
体にストレスがかかると、体はストレスから身を守るためホルモンをたくさんつくり出そうとします。これによりホルモンのバランスが乱れると、肌のメラニサイトが活性化されてシミを増やしたり濃くさせたりしてしまうのです。
肝斑は30歳を過ぎると増えるといわれていますが、ホルモンバランスが崩れやすく、シミが気になり出す30代以降はストレスが多くなりがちな時期。家事や育児、仕事や人間関係のイライラなど、精神的なストレスから情緒不安定に陥りがちです。
休息をとったり趣味で発散させるなど、できるだけリラックスをしてシミの要因であるストレスを溜め込まないようにしましょう。
シミを作らないための食べ物
シミを作らないためにはシミの予防が必要不可欠です。
シミの予防にはメラニン色素の沈着を抑える抗酸化ビタミンを含む食べ物が有効です。
抗酸化ビタミンとはビタミンCやビタミンEが主な成分ですが、ほかにもβ-カロテンやリコピンも優れた抗酸化作用を持つため、シミの予防に有効です。
紫外線が強くなる3月頃から積極的にこれらを含んだ食べ物を補給するようにしましょう。
〈ビタミンCを含む食品〉
ブロッコリー・ピーマン・レモン・ゴーヤ・柿・キウイなど
ビタミンCは予防だけでなく、生成されたメラニン色素にも有効で、線維芽細胞の働きを高めてコラーゲンを生成し、メラニン色素を無色化させます。
寒い時期は体内のビタミンC消費量が高まるので、冬は多めに摂取するようにしましょう。
〈ビタミンEを含む食品〉
イワシ・イクラ・モロヘイヤ・カボチャ・ウナギ・タラコなど
抗酸化作用のほかにも、皮膚の新陳代謝を高めてターンオーバーを促進します。できてしまったシミを薄くする効果もあります。
肉や魚の脂肪と一緒に食べることで吸収率がアップするため、調理法を工夫してみましょう。
〈β-カロテンを含む食品〉
人参・シソ・バジル・ほうれん草・海苔・ワカメなど
β-カロテンは活性酸素の発生を抑え、取り除く優れた抗酸化作用を待ち、メラニンの色素沈着を抑えるため紫外線対策に効果的です。
摂取してから約10時間後に効果が現れるため、夕食時の摂取がもっとも有効です。
〈リコピンを含む食品〉
トマト・人参・マンゴー・ピンクグレープフルーツ・スイカなど
脂溶性の赤い色素で、シミの原因となるメラニンの生成を抑制します。
油と調理すると吸収率が高まるため、炒め料理がおすすめです。
シミ対策には生活改善、生活習慣の見直しも
シミの予防、改善にはメラニンの生成を抑えてターンオーバーを促すことが大切です。
そのためには体の新陳代謝を高めることが必要です。
体の新陳代謝を高めることでターンオーバーをスムーズにさせ、メラニンの排出力が高まるのです。
新陳代謝をアップさせるには、日常の生活改善がもっとも効果的です。まずは自分の生活習慣を見直してみましょう。
・食生活
食事は先に紹介したシミに効果的な食べ物を意識的に摂取するようにしましょう。
ただし、シミに効くからといってそればかり食べるのはNG。栄養素は互いの働きを補いながら作用するため、バランスよく摂取することが大切です。
三大栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質と合わせてバランスよく食べることで、最大限の効果を発揮します。
・睡眠
睡眠中に、肌は日中に受けた紫外線などのダメージを修復しようと、肌には血液とともに栄養が運ばれて新陳代謝を促します。この働きに必要なのが睡眠中に分泌される成長ホルモンです。
成長ホルモンは深い眠りのときに分泌がさかんになります。そのため、睡眠不足や眠りの浅さはホルモンバランスを乱す原因になります。
肌のダメージを回復させシミを予防、改善するためには質の良い睡眠が必要です。
睡眠時間は6時間を理想とし、しっかり熟睡できるようリラックスして深い眠りを呼び込みましょう。
質の良い睡眠を得るポイントは、光の刺激を遮断すること。寝室はなるべく照明を落として暗くし、寝る1時間前にはスマホやパソコンの使用を控えるようにします。
・入浴
シミの改善に有効活用したいのがバスタイム。女性はエネルギーを作り出す筋肉量が少なく脂肪が多いのが特徴。そのため冷え性に陥りやすく、血行不良で新陳代謝が低下しがちです。
お風呂のお湯にゆっくり浸かることは、血流やリンパの流れを整える、心身をリラックスさせる、汗とともに老廃物を排出させるなどの効果があり、新陳代謝を高め肌のターンオーバーを促すために有効です。
季節を問わずに入浴はシャワーだけで済ませることなく、お湯を張ったバスタブにゆっくりと浸かって体を温めましょう。
・運動
30代を過ぎると、体を動かす機会も減って運動不足に陥りやすくなります。
運動不足は血流を滞らせ、老廃物が蓄積してシミができやすくなる体質を招く要因に。
運動をして筋肉を動かすことで血液やリンパを流し、栄養や酸素を体のすみずみまで送り届けて血行不良を解消させましょう。
また、運動することによって成長ホルモンが分泌されるので、新陳代謝が活発になり、肌のターンオーバーが整い、シミを予防したり薄くさせたりする働きがよくなります。
運動といっても、スポーツクラブに通うなど特別なことをする必要はありません。
ウォーキングなど、日常生活の中で無理なく体を動かし、運動を習慣化させることが大切です。
空いた時間を有効活用した、寝る前のストレッチも効果的。夜のストレッチは体のコリをほぐすとともに、高ぶった神経をクールダウンさせます。
心身をリラックスさせ、質の良い睡眠へ導いてくれ、ホルモンバランスを整えるうれしい作用も。
日常生活においては、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うなど、1日15分の運動を心がけて体を動かす機会を増やしましょう。
おわりに
シミは紫外線だけではなく、ホルモンの影響や精神的なストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れと、さまざまな原因で発生します。
シミが気になり始めたら、紫外線対策のほかにストレス発散や生活習慣の見直しも有効です。
シミの種類やケア法など、ぜひ本記事を参考にしてみてください。