顔色が悪く肌がくすんだ状態だと、化粧ノリも悪くなり鏡を見るたび悩んでしまうもの。
肌に透明感がなくなるのは、加齢や不調によって肌のにごりが加速している証拠です。
正しいケアと対策で、くすんだ顔に肌ツヤを取り戻しましょう。
顔肌のくすみとは?
くすみとは、いったいどんな肌の状態のことを指すのでしょうか?
実はくすみに関しては、はっきりとした定義があるわけではありません。一般的にいうと、肌の色やツヤの状態が悪くなることを総称して「くすみ」と呼んでいます。
しかし、くすみと一言でいっても「顔色が悪い」「目の下のクマが目立つ」「肌がトーンダウンして老けて見える」「透明感がなくなった」など、人により症状はさまざま。
つまり、くすみが起こる部位や原因は人によって異なるのです。自分のくすみに合わせた対策をしなければ、一向にくすみは改善されません。
くすみを改善させるには、まず自分の顔肌のくすみの原因を知り、正しく対処する必要があります。
目の周りや口元、顔肌にくすみが起こる原因
顔肌にくすみが起こる原因は、以下の4つが考えられます。
血行不良
肌は血液によって必要な酸素や栄養分をすみずみまで運んでいます。しかし冷えやストレス、疲労などで血流が滞ると、新陳代謝が低下して顔色がトーンダウン。
顔肌が青白くなり、くすんだ印象を与えてしまいます。
紫外線
紫外線を浴びると、肌はダメージから守るためにメラニン色素を作ります。本来、メラニン色素は古い角質と一緒に排出されますが、ターンオーバーが乱れると排出されずに肌に蓄積してしまうことも。これが顔肌のくすみの原因となります。
紫外線によるくすみは、色素沈着したような顔色になるのが特徴です。
角質肥厚
皮膚表面の古い角質が排出されず、厚くなってしまうのもくすみの原因に。
これは肌の乾燥や睡眠不足などによるターンオーバーの乱れによって起こります。
角質が厚くなると、肌に透明感がなくなりどんよりした状態になってしまうのです。
肌の糖化
老化や糖質の多い食事を摂ると、肌が糖化してくすみを招きます。
肌の糖化は、たんぱく質が体内の余分な糖質と結びつくのが原因。糖化が進むことでたんぱく質はAGEs(終末糖化産物)という成分に変質し、結果顔肌が黄色くくすんで見えてしまいます。
・気をつけたい目の周りや口元のくすみ
顔の中でいちばんくすみが目立ちやすい場所は目の周りや口元といわれています。
なぜなら目の周りは顔の他の部位よりも皮膚が薄く、皮脂腺や汗腺が乏しいため外的刺激を受けやすいからです。
また、人は一日に1万5千~2万回まばたきをするといわれています。表情のクセや筋力の衰えが現れやすいため、目元はくすみがもっとも出やすいのです。
口元の場合も同様で、よく動かす唇周辺は皮脂腺が少なく乾燥しやすい場所です。乾燥すると肌のくすみが目立ちやすくなります。
さらに食事の際に布で拭うなど、口元は摩擦される機会も多いためダメージを受けやすくなります。擦ることが肌への刺激となり、メラニンが生成されるため色素沈着が起こる原因に。
このように他よりも刺激を受けやすい目の周り、口元はより丁寧にケアをする必要があるのです。
顔肌のくすみを改善する方法
顔肌のくすみを改善するには、それぞれの原因に合わせて適切な対処をする必要があります。
自分のくすみの症状に合わせてアプローチを行いましょう。
マッサージ&ストレッチ
血行不良が原因のくすみなら、顔肌の新陳代謝を活発にさせるマッサージがもっとも効果的。
以下の簡単にできる1分間マッサージを1セットとし、6回くり返し行ってみましょう。
①頬を指の腹で持ち上げるよう、上から下へ8回大きく円を描きます。
②中指と薬指の腹を使って、口角を引き上げるように4回円を描きましょう。
③次は同様に小鼻の脇を4回引きあげます。
④額は指全体で引き上げるのがポイント。下から上へ大きく円を描くよう2回引きあげます。
⑤目の周りは刺激を受けやすいため、特に優しく中指と薬指を使ってマッサージ。優しく円を1回描きましょう。
⑥最後はこめかみを1回押してマッサージ終了です。
おすすめの時間帯は就寝前、ビタミンE配合のマッサージクリームをつけて行うと保湿効果も相まって艶やかな肌へ導きます。深呼吸をしながらリラックスして行うと効果的です。
顔だけ血の巡りを改善しようとしても、体全体の血液循環が悪くてはマッサージの効果も半減してしまいます。体が冷えやすい、仕事でデスクワークや立ちっぱなしなど長時間同じ姿勢をしている、という方にはストレッチも合わせて行うことをおすすめします。
1時間作業をしたら10分休憩を目安に、空いた時間にストレッチをしましょう。
ストレッチは腕を上に高く伸ばしたり、首や腰をひねって筋肉のコリをほぐしたりと、簡単なもので構いません。隙間時間のストレッチを習慣化させ体全体の血流を促し、くすみを改善させましょう。
UVケア
日常生活でのUVケアは必要不可欠です。紫外線は大きく分けて2種類あり、UV-A(紫外線A波)は波長が長く、真皮まで達するためコラーゲンを破壊して顔肌のくすみをどんどん悪化させます。
UV-B(紫外線B波)は波長が短く、表皮でメラニン色素を作って皮膚に炎症を起こさせます。
これらの紫外線をしっかりブロックするには、正しく日焼け止めを使用することがいちばんです。UV-Aをカットする効果を示す「PA」と、UV-Bをカットする効果のあるSPFの数値を目安に選んで使いこなしましょう。
日常生活ならSPF15~20、PA++くらいで十分です。くすみをカバーするトーンアップ効果のあるものを選ぶようにしましょう。
クレンジング
角質が厚くなってしまうのは、メイクで肌を塞いで老廃物が排出できなくなってしまっているから。きちんとクレンジングをしてメイクを落とすことは鉄則です。
クレンジングの基本はメイクを浮かせてすばやく落とすこと。目元は特にデリケートなため、コットンや綿棒を使って先に落とすと肌に負担がかかりません。
顔肌は絶対にこすらずに、指の腹を使ってらせんを描きながら内から外へマッサージするように落としましょう。最後は32℃前後のぬるま湯で手早く洗い流します。
乾燥を防ぐために、すぐに保湿ケアをすることも大切です。
肌のターンオーバーは就寝中にもっとも活発に行われます。睡眠不足にならないよう、質のいい睡眠も合わせて心がけましょう。
顔肌のくすみ対策におすすめな食べ物
顔肌のくすみは食事を工夫することでも改善が期待できます。お悩みのくすみの状態に適した食材をチョイスして、改善へと導きましょう。
くすみ改善に必要な栄養素と食べ物
・ビタミンA/ひじき
乾燥や紫外線対策には肌に潤いを与えるビタミンAが効果的です。
ビタミンAを豊富に含んだひじきは皮膚や粘膜を正常に保ち、雑菌からも守ります。脂溶性ビタミンなので油と一緒に摂取すると吸収が高まり◎。
・ビタミンE/うなぎ
ビタミンEは皮膚のターンオーバーを促し、顔の血行を改善させます。
ウナギは特に成長ホルモンを活発化させるのでおすすめ。山椒をかけることで抗酸化作用を高めることもできます。
・鉄分/レバー
鉄分不足は体に酸素が行き渡らなくなり、顔をくすませてしまう原因に。
鉄分を効率よく摂取するなら、低カロリーで脂質の少ないレバーを選びましょう。ビタミンCやたんぱく質と合わせて摂ると効果的です。
・たんぱく質/イワシ
たんぱく質はコラーゲンの生成に非常に重要な役割を担っています。
イワシは肌に潤いを与え、みずみずしさを保ってくれる食品のひとつ。血行不良による顔肌のくすみにも大きな効果を発揮します。
体を温める食べ物
血行促進には体を内側から温めることも大切です。しょうがや唐辛子などの薬味や、にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類を積極的に食事に取り入れましょう。
血流が改善されると新陳代謝も活発になり、顔肌のくすみも解消されます。
糖質を制限
糖質は体のエネルギー源であり、肌にも必要な栄養素のひとつです。しかし取り過ぎは肌の糖化につながり、老化を促進させるのでNG!
糖質の多い白米や小麦は、玄米など食物繊維が豊富な穀物に置き換えるのがおすすめ。甘いお菓子やジュースもなるべく控えるよう心がけましょう。
顔肌のくすみは化粧品でとることはできる?
顔肌のくすみは、日々の化粧品でのお手入れも大切です。「角質除去」「保湿」「ポイントケア」の3ステップで、肌ツヤを取り戻しましょう。
ピーリングでくすみをとる
肌の表面に溜まった角質を取り除くことで、角質の状態が整い肌に透明感が生まれます。
お手入れはピーリング化粧品を使い、肌に負担をかけないよう角質除去するのがポイント。
化粧水を顔肌につけて、コットンで優しく拭きとりましょう。お手入れは週に1回が目安です。
保湿
乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を整えるためにもスキンケアは大切。水分の蒸発を防ぐ効果のあるセラミドが配合された化粧品でしっかりと保湿しましょう。
正しい保湿ケアは肌のターンオーバーを正常化させてくすみをとり除き、顔肌の透明感を保ちます。
ポイントケア
目の周りはデリケートなので、ケアにも注意が必要です。おすすめの化粧品はアイクリーム。アイクリームは乳液の後に、人肌に温めてから使用しましょう。
ポイントはくすみの気になる箇所にアイクリームを点置きし、中指と薬指の腹で優しくマッサージするように塗りこむこと。皮膚への吸収時間を考慮して、塗ってから15分ほど時間を置くと効果的です。
顔肌のくすみを隠すファンデーションの使い方
正しいスキンケアのあとは、仕上げとしてメイクでくすみをカバーします。ファンデーションの塗り方の基本とポイントをマスターしましょう。
まずは下地で土台作り
肌を明るく見せて、メイクの持ちをアップさせるには顔肌の土台作りが基本です。
ベースメイクの前は必ずスキンケアの化粧水や乳液が肌に残らないよう、ティッシュオフをします。余分な水分や油分が残っていると下地の塗りムラにつながるため、事前の予防が大切です。
下地の塗りすぎはファンデーションのノリを悪くさせる原因になるため、量はパール大でOK。両頬と額に点置きし、指の腹で内から外へ放射状に伸ばしていきます。最後はきれいなスポンジでタッピングすると、化粧くずれの予防に効果的です。
リキッドファンデーション
くすみをカバーするには顔の中心から外側へ、薄く塗り進めるのが原則。目元は負担がかからないよう、コンシーラーを使うのがおすすめです。
リキッドファンデーションを塗るときは、顔色がはっきり見える自然光のもとで行うようにしましょう。暗い部屋や蛍光灯の下だと肌の色は違って見えます。まずは自分の元の肌色をチェックしてから、肌をトーンアップさせるようにしましょう。
パウダーファンデーション
パウダーファンデーションはパフを使って優しく、厚塗りは厳禁です。小鼻などの塗りにくい部分はパフを折りたたむと塗りムラを防いできれいな仕上がりに。
仕上げはフェイスブラシを使って余分なお粉をはたくと、ツヤと立体感がアップします。
顔肌のくすみは、毎日のお手入れや食事、メイクの方法で驚くほど改善されます。自分のくすみの原因を知り、正しいスキンケアを行って顔肌のハリやツヤをアップさせましょう。