ある日突然、ポツンと出てくるニキビ。すぐ治ると思ってほったらかしにしていませんか?
ニキビは適切なケアを行わないとニキビ跡となり、なかなか消すことができなくなります。
今回は万が一、ニキビ跡が顔に残ってしまったときの対策や消す方法・治す方法をご紹介します。
◆ニキビの原因
ニキビ跡ができるということは、それだけ多くのニキビが顔に出てしまったということ。
まずはニキビができるまでの課程を見ていきましょう。
・ニキビができるメカニズム
①皮脂腺が活発になり、皮脂分泌が多くなる
②毛穴が詰まり、皮脂が毛穴に溜まる
③毛穴に溜まった皮脂を餌に、アクネ菌が増殖して炎症が起きる
④皮脂の出口が詰まっているため毛穴が膨らみ、全体に炎症が広がる
ニキビの主な原因は皮脂の詰まりとアクネ菌の繁殖による炎症です。ではどうして皮脂やアクネ菌に変化が起こるのでしょうか?
・知っておきたい大人ニキビのあれこれ
20代、30代を過ぎて現れるニキビは「大人ニキビ」といい、思春期にできるニキビとはできやすい部位や原因が違ってきます。
大人ニキビは皮脂分泌に影響を与える「ホルモン」とアクネ菌の活動に影響を及ぼす「免疫」といった、体内バランスの乱れが大きな要因。
つまりストレスや食生活の乱れ、睡眠不足や運動不足など生活習慣が大きな原因となります。
そのため大人ニキビの発症を防ぐにはまずは生活習慣を見直し、ニキビのできない体質にすることを心がけることが大切です。
それでも大人ニキビができてしまい、万が一ニキビ跡になってしまった場合は速やかに適切な対処をしなければなりません。
◆ニキビ跡の種類
ニキビ跡は種類によって治し方や消す方法が異なります。まずは自分のニキビ跡の種類を知りましょう。
・赤みが残るタイプ
ニキビの炎症が進み赤みが出た場合、ニキビが治っても赤みだけがいつまでも残る可能性があります。しかし一生消えないかといえばそうではなく通常2~3年、長くて5年ほどで消える場合がほとんどです。
・シミが残るタイプ
炎症の影響で出た赤みが茶色くシミになって残ってしまうパターンです。これは色素沈着によるもので、何年もかけて消える場合と跡が残ってしまう場合があります。
・陥没が残るタイプ
いわゆる「クレーター」タイプのニキビ跡です。残念ながら皮膚が陥没してしまうと完全に元の肌に戻すことはできません。これはニキビの炎症が毛穴やその周辺に及ぶまで悪化すると起こります。毛穴そのものが破壊されて陥没してしまうと、皮膚は元通りに再生できなくなるのです。
これは炎症を起こしやすい人や皮膚の硬い体質の人がなりやすいといわれています。
また、ニキビを掻いてしまうなどして傷ができると、その部分がケロイド状になり跡が残ってしまう場合もあります。
◆ニキビ跡は消せるのか?
ニキビ跡は、一度できてしまったら「ケアで薄くする」か「隠して目立たなくさせる」という考え方が基本となります。
赤みやシミが残るタイプの人は日常のスキンケアや紫外線対策で悪化を防ぎ、少しでも早く跡が消せるよう肌に働きかけましょう。
陥没タイプは皮膚科でのケミカルピーリングやレーザー治療が効果的。あとはメイク方法を工夫するだけでクレーター部分をカバーして隠すことができるので、上手にニキビ跡と付き合っていくことが大切です。
◆ニキビ跡の治し方・消す方法
自分のニキビ跡のタイプがわかったら、タイプに合わせた対処法でニキビ跡を改善させましょう。ニキビをできにくくさせるノウハウと合わせてご紹介します。
①ニキビをできにくくさせる洗顔法
ニキビ跡を増やさないためには、ニキビ自体を顔にできにくくする必要があります。
ニキビをなくす洗顔の4つのポイント
1:洗いすぎない
ニキビに悩む人の中には、皮脂や汚れを落とすことに必死になってしまい過度に洗顔をしてしまう人がいます。これは逆効果なので絶対にやめましょう。
余分な皮脂や汚れを落とすことは確かに大切ですが、一生懸命洗ったからといって詰まった油は取れません。さらに洗いすぎは肌にある「うるおい成分」まで落としてしまうため、肌の乾燥を招く恐れがあります。
乾燥は角質を硬く厚くさせ、余計に毛穴を詰まらせる原因となります。
予防のために行った洗顔で余計にニキビを悪化させては本末転倒。ニキビができやすい人は、一度洗顔法を見直してみましょう。
2:朝はさっぱりタイプの石鹸を
朝はさっぱりタイプの固形石鹸でサッと洗顔するのが基本です。朝からしっかり洗顔をすると過度に皮脂やうるおい成分を落とし、肌の乾燥を招くからです。
洗顔は熱いお湯やバシャバシャと勢いよくすすぐのはNG。肌に強い刺激を与えないよう優しく洗い上げましょう。
3:夜はソフトなクリームタイプのクレンジングで
メイクをしているときは必ずクレンジングでしっかりメイクを落とすことが大切です。
クレンジングは油分が多すぎず、少なすぎないもので、ソフトなクリームタイプのものを選ぶのがおすすめ。
気をつけたいのはオイルクレンジングです。このタイプは界面活性剤が多く含まれていて、毎日使うことで肌を傷める原因となるのでできるだけ避けましょう。
どうしても使用する場合は、落ちにくい部分にポイントとして使うくらいにしたほうがよさそうです。
4:シミが残るタイプにはピーリング用石鹸も有効
シミが残るタイプのニキビ跡が気になる人には週1~2回、ピーリング用石鹸で洗顔するのも効果的です。
ピーリング石鹸は余分な角質をとって毛穴を詰まらせにくくする以外に、ターンオーバーを促して肌の新陳代謝を高めるため、ニキビ跡の改善に役立ちます。
②ニキビ跡へのスキンケア
日常のお手入れひとつで、ニキビ跡は驚くほどグッと改善されます。ニキビ跡に効果的な化粧水や美容液で保湿を行い、症状を改善へと導きましょう。
・ニキビ跡におすすめの化粧水
赤みの残るタイプのニキビ跡には、ビタミンC誘導体の配合された化粧品を使うのが効果的です。
ビタミンC誘導体はコラーゲンの合成促進や美白など、肌にさまざまな恩恵があります。また水に配合したほうが安定性のよい成分なので、化粧水に配合されているのが最も有効です。
皮脂を抑えてニキビを予防するほか、ニキビ跡の赤みを薄くする作用もあるのでおすすめ。
手に適量をとって、肌を押さえるようにしながら手のひらや指の腹でつけましょう。叩きこむようにつけるのは刺激が強すぎて、かえって赤ら顔やシミの原因となるので要注意。
・ニキビ跡におすすめの美容液
ニキビ対策には保湿が必要不可欠。予防のためにはヒアルロン酸やセラミドが配合された保湿美容液で肌にたっぷり水分補給をしましょう。
また、美白の働きをもつ美容液はシミの残るタイプのニキビ跡に効果てきめん。
保湿タイプと美白タイプの2種類の美容液を使う場合は最初に保湿、次に美白用のものを塗るようにしましょう。
・紫外線対策はしっかり
赤み、シミが残るタイプのニキビ跡は、特に紫外線対策が必要。日焼けをするとシミや赤みが消えにくくなってしまいます。
外出時はSPF20程度のノンケミカルの日焼け止めクリームを塗って、しっかり日焼け対策を行いましょう。
・ニキビ用化粧品は逆効果?
角質を軟化させ殺菌効果のあるイオウを配合したニキビ用の化粧品は、大人ニキビには合わない場合があります。
これは思春期のニキビには効果的ですが、肌を乾燥させるので使い続けると肌荒れを起こす可能性があるためです。
大人ニキビはニキビ用化粧品よりも、毛穴を詰まらせないように作られた「ノンコメドジェニック」と表記されたものを選ぶようにしましょう。
◆ニキビ跡を皮膚科で改善
ひどいニキビやニキビ跡がある場合は、皮膚科に頼るのも手です。陥没タイプのクレーター肌は皮膚科の処置以外にあまり効果的な方法がないため、陥没したニキビ跡は迷わず皮膚科に相談しましょう。
・ニキビ自体には服薬や塗布薬を
皮膚科でニキビの予防をする場合は、皮膚科で処方される薬を使いましょう。
飲み薬の場合は皮脂分泌をコントロールするビタミン剤やアクネ菌を殺菌する目的で抗生剤が処方されるのが一般的です。
ホルモンバランスや皮膚の免疫力を高めるために漢方薬をすすめられる場合もあります。ニキビを根本的に治すには、肌本来の力を取り戻し体の内側から症状を改善させる漢方薬がおすすめの治療薬といえるでしょう。
塗布薬の場合は抗生物質を含むクリームやローション、ジェルなどのタイプがあります。
飲み薬と比べて副作用のリスクは下がりますが、その分毛穴までなかなか浸透しづらいので効果は緩やかになります。
・ケミカルピーリング
シミ・陥没タイプのニキビ跡に効果的な施術です。ピーリングとは日本語でいうと、科学的に皮を剥がすということ。
ピーリングは、古い角質を剥がし表皮のターンオーバーを促すほか、真皮のコラーゲンを増やす作用があります。
この効果のおかげで、ニキビ跡のシミが薄くなったり皮膚の凹凸が目立たなくなったりするのです。
しかしピーリングは保険適応外で自費診療になるため、コストがかかることを覚えておきましょう。
・クレーター肌にはレーザー治療
クレーターのように陥没が残るニキビ跡にはレーザー治療が有効です。レーザーとは単一の波長をもつ光を発する機械のこと。
レーザーはニキビ跡に照射することで組織に穴を開け、その部位を縮めさせる作用があります。縮められた部分はコラーゲンの再生が起こり、皮膚の自然治癒力を高めることで陥没が目立たなくなってくるのです。
ただしこちらも自費診療で、ピーリングよりも費用がかかるため治療する際はお財布とよく相談しましょう。
◆ニキビ跡を消すメイク方法
ニキビ跡はメイクを工夫すると、上手に消したり隠したりすることができます。
おすすめの化粧品とニキビ跡を消すポイントをご紹介します。
・陥没が残るタイプのニキビ跡はリキッドファンデーションで厚み出しを
肌に陥没があるニキビ跡は、どうしても肌の凹凸が気になってしまいます。
それを隠すにはリキッドファンデーションが役立ちます。2cmほど厚みのあるスポンジにリキッドファンデーションをとったら、窪みの目立つ箇所にまずは薄付けしましょう。
次に窪んだ箇所を埋め込むように、スポンジをプッシュして重ね付けし、陥没しているところに厚みを出していきます。
こうすることで肌表面が平らになり、クレーターが目立たなくなります。
・赤みやシミが残るタイプのニキビ跡にはコンシーラーを
赤みやシミの跡が気になる場合は、その部分にだけコンシーラーを塗るといいでしょう。
綿棒にコンシーラーをとり、気になる部分にポンポン塗布します。塗ったら指の腹で優しくなじませましょう。
コンシーラーの2色使いも、ニキビ跡を消すのに効果的です。
まずはオレンジ系の色味のコンシーラーを縫って赤みをカバーしましょう。その後に自分の肌色に合わせたコンシーラーを塗布することでカバー力がアップしてニキビ跡が目立たなくなります。
◆ニキビ跡を消す食べ物とは
ニキビ自体やニキビ跡を治すには、体の内側のバランスも整えなければなりません。普段の食事から必要な栄養素を摂取し、ニキビ跡を改善させましょう。
・ビタミンB1/豚肉
ビタミンB1は、水に溶けず熱に強い成分のため加熱調理による損失が少ないのがポイントです。ビタミンB1を多く含む代表的な食べ物である豚肉は、皮脂の量を抑えニキビができるのを防ぎます。
・ビタミンE/タラコ
ビタミンEをたっぷり含んだタラコは、炎症を起こす原因の活性酸素を分解する働きがあります。また血流を改善させる作用があるため、角化異常や色素沈着を防ぐ効果も。シミが残るタイプのニキビ跡に有効です。
・ビタミンC/レモン
ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、皮膚の再生能力を高めるのでニキビ跡のために積極的に摂りたい栄養素。レモンは生食がいちばん効果的です。
・リコピン/トマト
リコピンは活性酸素を除去する抗酸化作用があります。リコピンを多く含むトマトを摂取することで、抗酸化作用で炎症を抑えるため、赤みの残るニキビ跡に効果的です。
ニキビ跡が残るかどうかは、実はほとんどが元々の体質や肌質によって決まるもの。ニキビは悪化すればするほど跡が残りやすくなるため、正しいニキビケア・ニキビ跡のケアが大切になります。
自分のニキビ跡のタイプを知り、正しい対処をすることがニキビ跡を改善へと導く近道。
ぜひ早めのニキビケアを心がけましょう。