マートル(ギンバイカ)アロマ精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

精油マートル(ギンバイカ)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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マートルは真っ白な美しい花を咲かせる樹木です。

花の形が梅の花に似ており、光が当たると白い花が銀色に輝いて見えることから日本では銀梅花(ギンバイカ)という名前で親しまれています。

マートルは葉に爽やかな香りがする成分を持っていますが、香りの成分比率が生息地域によって異なるため、爽快感の強い香りのレッドマートル(シネオールタイプ)と、甘みの強い香りのグリーンマートル(スイートマートル)という2種類の精油が採れます。

ただ、禁忌事項や働きなど精油の性質に大きな違いはないため、特に区別せず単にマートルと表記されている場合もあります。

ここではマートル(ギンバイカ)とはどのような植物か?マートル(ギンバイカ)から採れた精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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マートル(ギンバイカ)ってどんな植物?

マートルは地中海沿岸地域原産の常緑樹で、現在はヨーロッパ、アジア、北アフリカにも分布しています。

樹高は3m程度、樹皮は明るい茶色で表面はなめらかです。

葉は先端の尖った卵型、大きさは2㎝程度で枝にびっしりと密集するようについています。葉の色は基本的には緑一色ですが、斑入り(フイリ)と呼ばれる白色の筋のような模様が入ったものもあります。

花の大きさは直径3㎝程度、色は白で、5枚の花びらの中央に長い雄しべが数本密集して生えています。

花が終わるとブルーベリーを細長くしたような形の暗紫色の実が実り、中には勾玉のような形をした茶色の種が数個入っています。

マートル(ギンバイカ)の使い方・活用法の歴史

マートル(ギンバイカ)は紀元前4000年頃から中東地域で崇拝されていた愛と美、戦い、豊穣の女神イナンナを象徴する聖なる木として扱われていたと言われています。

古代ギリシャではイナンナは愛と美の女神アフロディーテと豊穣の女神デーメーテールとして信仰されるようになり、マートルはこの二神に捧げる聖なる木として扱われるようになりました。イナンナからこの二神へ信仰の対象が変わっても、マートルを勝利の象徴とする考えは残っており、戦いに勝って帰還した兵隊の頭飾りにマートルの枝を使っていたそうです。

古代ローマではイナンナは愛と美の女神ヴィーナスとして信仰されるようになり、マートルはヴィーナスに捧げる聖木として扱われるようになりました。
女性達はヴィーナスの加護を受けて美しくなれるようにと願いを込めて、捧げものであるマートルの冠をかぶって入浴していたそうです。

また古代ローマでは料理用スパイスや薬としても活用されており、薬草学の父とも呼ばれる、医師ディオスコリデスは肺や膀胱の感染症に処方していたそうです。

中世ヨーロッパでもスパイスとして活用されており、風味付けや臭い消しを目的として煮込み料理に入れたり、葉で肉を包んで調理していたそうです。

同時代、イタリアのサルディーニャではミルトというお酒の原料としても活用されていました。ミルトはアルコールにマートルを漬け込み、そこに砂糖や蜂蜜を加えて味付けしたもので、果実を漬け込んだ葡萄色のミルトロッソと、葉を漬け込んだ琥珀色のミルトビアンコがあります。ミルトは食後に飲むと胃の消化を促進するとして伝統的に食後酒とされており、現在はイタリア以外の地域でも飲まれています。

また、いつ頃からかは不明ですが、地中海沿岸地域やヨーロッパでは愛や純潔の象徴として、新郎や新婦に送る花として活用されてきました。

イギリスには花嫁のブーケに使ったマートルの小枝を新居の庭に植えて育てると家庭が円満に続くという言い伝えがあり、結婚式の後にマートルの小枝を植える習慣があったそうです。

イギリス王室でも1840年に挙式したヴィクトリア女王が、挙式の後にブーケに使ったマートルの小枝を植えて育てており、ヴィクトリア女王以降、イギリス王家に嫁いだ花嫁たちは全てこの木の小枝をブーケに入れているそうです。

日本には明治時代に伝わり、現在に至るまで観賞用の樹木として活用されています。

マートル(ギンバイカ)精油の特徴

マートル(ギンバイカ)精油の抽出方法

鼻に抜けるような爽やかな木の香りに、ほんのり花の甘い香りが加わったような香りで、レッドマートルの方がより爽快感が強く、グリーンマートルの方がより甘みが強いです。

マートル(ギンバイカ)精油の香りの特徴

マートルの葉と小枝から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~薄オレンジ色です。

マートル(ギンバイカ)精油の香料・原料データ

英名 Myrtle マートル
和名 銀梅花 ギンバイカ
学名 Myrtus communis ミルトゥス コンムニス
別名 銀香梅(ギンコウバイ)、祝いの木(イワイノキ)、ミルテ、ミルトス
科名 フトモモ科
産地 チュニジア、コルシカ島、スペイン、モロッコなど
精油の抽出部位 葉と小枝
ノート * ミドル
精油の主な成分 酢酸ミルテニル、1.8-シネオール、α-ピネン、リモネン、ミルテノール、酢酸リナリル、ゲラニオール、リナロールなど
(レッドマートルには1.8-シネオールが、グリーンマートルにはα-ピネン、リナロールが比較的多く含まれています。)
ブレンド相性 スペアミントなどハーブ系の香りやローズウッドなど樹木系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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マートル(ギンバイカ)の活用法

マートル(ギンバイカ)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、マートル(ギンバイカ)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
マートル・・・2滴

コットンに精油のマートルを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・1滴

ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
マートル・・・8滴

無水エタノールに精油のマートルを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・4滴

スペアミントは通経作用がある可能性がありますので妊娠中の方は使用を控えてください。
肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
マートル・・・2滴

計量した天然塩に精油のマートルを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ローズウッド・・・1滴

ローズウッドは使用上の禁忌事項はとくにありません。
 

マートル(ギンバイカ)の禁忌・注意点

・妊娠初期の方
マートルは文献によっては妊娠初期の使用が禁忌となっております。妊娠4か月位までは使用を控えてください。


ギンバイカ 斑入
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

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