タイム(コモンタイム)アロマ・精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

精油タイム(コモンタイム)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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タイムと呼ばれる植物には約350種ありますが、調理用ハーブや精油として活用されているのは一般的にコモンタイムという品種です。

ただしコモンタイムは、生育環境によって含有成分が変化する植物であるため、香りや性質の違う複数の精油が採れます。

その中で一般的に活用されているものはリナロールという成分を多く含むタイムリナロールとチモールという成分を多く含むタイムチモールという精油です。

ここではタイム(コモンタイム)とはどのような植物か?タイムリナロールやタイムチモールの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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タイム(コモンタイム)ってどんな植物?

タイムは南ヨーロッパ原産の多年草で、現在はアメリカやアジア地域にも分布しています。

草丈は30㎝程度、葉は長さ5~10mm、幅1~2mm程度の細長い楕円形です。

茎は細く、枝分かれして伸び、茎の根元に近い部分は木質化と呼ばれる木の枝のような状態になっており、先端部に白色~薄紅、薄紫色の小さな花が咲きます。

草全体に強い香りがありますが、香りは生育地によって異なります。

タイム(コモンタイム)の使い方・活用法の歴史

タイムは古代ギリシャでは調理用ハーブ、薬草、神殿で焚く香料として、古代エジプトではミイラの防腐剤として活用されていたそうです。

古代ローマではタイムの香りが勇気をもたらすと考えられていました。これはタイムの花が咲くと蜂が活動的になりタイムに群がっていく様子を見て、タイムの香りには行動力を与えたり、気持ちを奮い立たせる力があるのではないか、と考えられたためだと言われています。

蜂のこの行動は単にタイムが蜂の好む香りで、蜂蜜を集めていただけなのですが、当時はタイムの香りのせいで行動力が増したのだと考えられ、戦いに行く兵士たちは戦意を高めるためにタイムの入った風呂に入っていたそうです。

中世ヨーロッパでもタイムは勇気の象徴と伝承されており、戦いに行く兵士にタイムの小枝を縫い付けたスカーフやタイムの刺繍をしたスカーフを送る習慣があったそうです。

ただし中世ヨーロッパでは薬草としても活用されており、ドイツ薬草学の祖と呼ばれている修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは疫病や麻痺の治療、シラミの駆除に、イギリスの薬剤師ニコラス・カルペパーは百日咳や坐骨神経痛の治療に活用していたと言われています。

また、当時タイムは抗菌作用を持つ草とされており、14世紀頃ペストが流行した時には感染予防のためにタイムの枝を焚いて空気の清浄をしたそうです。

日本には明治時代に伝わったと言われていますが、当時どのように活用されていたのかは不明です。

現在は世界各地で石鹸などの生活用品の香料、調理用ハーブ、ハーブティー、観賞用植物として活用されています。

また、麝香草(ジャコウソウ)という抗菌、去痰、利尿を目的とした漢方薬の原料として主に日本で活用されています。

タイム(コモンタイム)精油の特徴

タイム(コモンタイム)精油の抽出方法

タイムリナロール、タイムチモールともに、花と葉もしくは全草(花、茎、葉)から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~オレンジ色です。

タイム(コモンタイム)精油の香りの特徴

タイムリナロールはハーブの爽やかな香りに甘さが加わったよう香り、タイムチモールは消毒薬を連想するような香りがします。

タイム(コモンタイム)の香料・原料データ

タイムリナロール

英名 Thyme linalool タイムリナロール
和名 立麝香草 タチジャコウソウ
学名 Thymus vulgaris (ct.linalool )ティムス ウルガリス (ケモタイプリナロール)
別名 コモンタイム、スイートタイム
科名 シソ科
産地 フランス、スペインなど
精油の抽出部位 花と葉もしくは全草
ノート * トップ
製油の主な成分 リナロール、β-カリオフィレン、チモール、p-シメン、α-ピネンなど
ブレンド相性 ラベンダーなどフローラル系の香りやスペアミントなどハーブ系の香りと相性が良いです。

タイムチモール

英名 Thyme thymol タイムチモール
和名 立麝香草 タチジャコウソウ
学名 Thymus vulgaris (ct.thymol)ティムス ウルガリス (ケモタイプチモール)
別名 コモンタイム
科名 シソ科
産地 フランス、スペインなど
精油の抽出部位 花と葉
ノート * トップ
製油の主な成分 チモール、p-シメン、α-テルピネン、カルバクロール、α-ツヨン、β-カリオフィレンなど
ブレンド相性 スペアミントなどハーブ系の香りやレモンなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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タイム(コモンタイム)の活用法

タイムだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、タイムの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
レモン・・・2滴

コットンに精油のタイムリナロール、もしくはタイムチモールを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
タイムリナロール、もしくはタイムチモール・・・1滴

レモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
タイムリナロール・・・4滴、もしくはタイムチモール・・・2滴

無水エタノールに精油のタイムリナロール、もしくはタイムチモールを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・6滴

スペアミントは文献によっては通経作用があるとされています。妊娠中の方は使用を控えてください。また、敏感肌の方は肌につくと皮膚刺激を感じることがありますので、肌につけないようにしてください。

タイムリナロール、タイムチモールの禁忌・注意点

・妊娠中の方
タイムリナロール、タイムチモールともにβ-カリオフィレンなど女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性のある成分が含まれています。女性ホルモンの変動は妊娠の維持、出産に影響を与えますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

・高血圧の方
タイムチモールは血圧上昇作用があるとされていますので、高血圧の方は使用を控えてください。

・小児、乳幼児への使用
タイムチモールにはチモールやカルバクロールなど皮膚刺激の強い成分や、α-ツヨンなど神経毒性が示唆されているケトン類が入っていますので、小児、乳幼児への使用は控えてください。

・高濃度での使用、長期連用について
タイムチモールに含有されているケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性があります。芳香浴として、あるいはルームスプレーとして使うにしてもレシピの濃度を上限としてください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。

・敏感肌の方
タイムリナロール、タイムチモールともにチモールなど皮膚刺激を与える可能性のある成分が含まれていますので、肌につける使い方は控えてください。