ディル(ディルシード)アロマ・精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

精油ディル(ディルシード)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ディルは植物全体にミントのような香りを持つ植物で、ディルの葉からはディルウィード、種からはディルシードという精油が採れます。

ただ、ディルウィード精油はあまり流通しておらず、一般にディル精油という場合はディルシード精油を指します。

ディルシード精油はミントに甘さが加わったような香りで、心を鎮めたい時に良い香りと言われています。

ここではディルとはどのような植物か?ディルの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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ディル(ディルシード)ってどんな植物?

ディルは地中海沿岸地域や西アジアが原産の一年草または二年草で、草丈は1m程度、葉は糸状に細かく裂けた形をしています。

黄色い小花を茎の先端に密集して咲かせ、花が終わると長さ5mm程度の果実(種子)が実ります。

現在は世界各地に分布しています。

ディルの名前の由来

ディルの語源は、古い北欧の言葉で「なだめる、穏やかにする」という意味のdilla(ジーラ)であるという説と、同じく古い北欧の言葉で「緑である、青く茂る」という意味のdhal(ダール)であるという説があります。

これはディルが鎮静作用を持つ薬草と考えられていたことや、糸状に裂けた特徴的な形の葉が青々と茂る姿が理由であると考えられています。

ディルの使い方・活用法の歴史

ディルは紀元前4世紀頃からエジプトやメソポタミア地域で消化薬や頭痛薬として活用されており、紀元前1世紀頃の古代ローマでは強壮剤として活用されていたそうです。

また、ユダヤ教の聖典タルムードや新約聖書のマタイの福音書の中には、ディルは税金の代わりになっていたという内容が書かれています。

中世ヨーロッパでは薬草や食材、魔よけに活用されていたそうです。

薬草としては、11世紀頃、ドイツ薬草学の祖と呼ばれている修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは鼻かぜの症状の改善に、17世紀頃にはイギリスの薬剤師ニコラス・カルペパーは腹部のガスの排出や腹痛の緩和に活用していたと言われています。

また、ディルには鎮める作用があると考えられており、夜泣きやしゃっくりを鎮めるためにも使われていたそうです。

中国では8世紀頃から栽培が始まり、漢方薬として活用していたそうです。

日本には江戸時代に中国から蒔羅(じら)という名前で、ヨーロッパからはイノンドという名前で伝わりました。食用ではなく、健胃作用のある薬草として活用していたそうです。

現在は果実(種子)や葉、花を食材や風味付けに活用したり、種は蒔羅子(じらし)という漢方薬として主に胃腸の不調改善を目的に活用されています。

ディル(ディルシード)精油の特徴

ディル(ディルシード)精油の抽出方法

種子から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄黄色です。

ディル(ディルシード)精油の香りの特徴

ミントに少しの甘さとスパイシーさが加わったような爽やかな香りです。

ディル(ディルシード)の香料・原料データ

英名 Dill ディル
Dill seed ディルシード
和名 伊乃牟止 イノンド
学名 Anethum graveolens アネトゥム グラウェオレンス
別名 蒔蘿(ジラ)、姫茴香(ヒメウイキョウ)
科名 セリ科
産地 フランス、ハンガリー、ウクライナなど
精油の抽出部位 種子
ノート * トップ~ミドル
製油の主な成分 カルボン、リモネン、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、α-フェランドレン、β-フェランドレンなど
ブレンド相性 マジョラムなどハーブ系の香りやマンダリンなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ディル(ディルシード)の活用法

ディルだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ディルの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ディル・・・2滴

コットンに精油のディル(ディルシード)を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
マジョラム・・・1滴

マジョラムは通経作用や月経量を増やす作用があるとされていますので妊娠中の方や過多月経、頻発月経の方は使用を控えてください。また、文献によっては授乳中の使用が禁忌となっていますので授乳中の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ディル・・・9滴

無水エタノールに精油のディル(ディルシード)を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
マンダリン・・・6滴

マンダリンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ディル(ディルシード)の禁忌・注意点

・妊娠中の方
ディルは通経作用があるとされていますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

・敏感肌の方
ディルにはリモネンなど皮膚刺激を与える可能性のある成分が多く含まれていますので、敏感肌の方は肌につける使い方は控えてください。

・授乳中の方、小児、乳幼児、てんかん発作を起こしたことのある方への使用
ディルには神経毒性が示唆されているケトン類のカルボンという成分が含まれています。カルボンはケトン類の中でも毒性が低い成分とされていますが、文献によっては授乳中、小児、乳幼児、てんかん発作を起こしたことのある方への使用が禁忌となっています。
より安全に使うために、該当する方は使用を控えてください。

・高濃度での使用、長期連用について
ケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性があります。レシピの濃度を上限として使用してください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。


ディル シード 5 ml
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

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