ベンゾイン(安息香)アロマ精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

精油ベンゾイン(安息香)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

[本ページはプロモーションが含まれています]

ベンゾインはエゴノキ科の樹木から採れるバニラのような香りを持つ樹脂の総称で、スティラクスベンゾインという品種から採取したスマトラベンゾインと、スティラクストンキネンシスという品種から採取したシャムベンゾインが精油原料として活用されています。

この二つのベンゾインから採れる精油は若干の成分の差、香りの違いはありますが、精油の性質や扱う際の禁忌事項に大きな違いはありません。

ベンゾインの語源は、アラビア語でジャワの乳香という意味のルバーン・ジャーウィーという言葉で、ベンゾインがジャワ島から伝わったこと、見た目が高級香料である乳香(フランキンセンス)似ていたことから英語圏に伝わった際にベンジャミンに変わり、さらに訛りが入ってベンゾインになったと言われています。

ここではベンゾイン(安息香)が採れるのはどのような植物か?ベンゾイン(安息香)の精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

スポンサーリンク

スティラクストンキネンシス、スティラクスベンゾインってどんな植物?

ベンゾインが採れるエゴノキ科の樹木はアジアの熱帯気候地域に広く分布しており、スティラクストンキネンシスはタイやラオスが主産地、スティラクスベンゾインはスマトラ、ジャワ、マレー半島が主産地です。

どちらも樹高は10m程度、樹皮は茶褐色で、樹皮を傷つけると甘い香りの樹脂がにじみ出て、木の表面に出てきた樹脂はゆっくりと固まります。固まった樹脂は小石のような見た目ですが、指で強く押すとほろほろと崩れてしまうくらいの硬さです。

葉は細長い楕円形で、葉の周囲にノコギリの歯のような細かいギザギザがあります。

花は白色で、花びらは五枚、葉の付け根辺りに3~4個集まって咲きます。

花が終わると緑色の果実が実ります。果実の表面は産毛のような白い毛に覆われています。

ベンゾインの使い方・活用法の歴史

ベンゾインは紀元前から東南アジアでは悪霊を払う香りとして、ギリシャ、ローマでは寺院で使うお香や、ポプリの香りの保留剤として、エジプトでは空間や心身を浄化するために焚かれる「キフィ」という調合香料の原料として活用されていたそうです。

いずれの地域でも薬としても活用されていたと言われていますが、当時どのような薬効が期待されていたかは不明です。

ただ、中国で16世紀に書かれた、薬物に関する書物の本草綱目(ほんぞうこうもく)には「様々な病を治める効果がある」と記されているそうです。

ヨーロッパでは年代は不明ですが、修道士たちによってベンゾインのチンキ剤(生薬をエタノールに浸したもの)が作られるようになりました。

このチンキ剤は「修道士のバルサム(樹脂)」と呼ばれ、熱湯に入れて蒸気を吸入することで、去痰薬、鎮咳薬として活用されていたそうです。

日本には江戸時代中期頃にオランダから生薬として輸入されており、去痰作用や殺菌作用のある薬として活用されました。

現在は世界各地で主に香料として活用されており、石鹸などの日用品や、エルメスのテールドエルメスやプラダのインフュージョンディリスなど多くの高級香水に配合されています。

ベンゾイン精油の特徴

ベンゾイン精油の抽出方法

ベンゾイン樹脂から有機溶剤抽出法で精油を抽出します。精油はオレンジ~茶色です。
とても粘り気が高いため、エタノールなどの希釈剤で薄めた状態にして販売されています。

ベンゾイン精油の香りの特徴

バニラに似た甘い香りに、カラメルのようなほろ苦さが合わさったような香りです。
シャムベンゾインの方が甘みの強い香りで、スマトラベンゾインの方は甘さの中にスパイシーさが感じられます。

ベンゾイン精油の香料・原料データ

英名 Benzoin ベンゾイン
和名 安息香 あんそくこう
学名 Styrax benzoin スティラクス ベンゾイン

Styrax tonkinensis スティラクス トンキネンシス

別名 ベンジャミン、スマトラベンゾイン、シャムベンゾイン
科名 エゴノキ科
産地 ラオス、タイ、スマトラ、ジャワなど
精油の抽出部位 樹脂
ノート * ベース
精油の主な成分 安息香酸ベンジル、安息香酸、桂皮酸、安息香酸メチル、バニリンなど
ブレンド相性 ジャスミンサンバックなどフローラル系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

スポンサーリンク

ベンゾインの活用法

ベンゾインだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ベルガモットの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
活用法のレシピは全てのベルガモット精油共通です。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ベンゾイン・・・2滴

コットンに精油のベンゾインを垂らして香りを拡散させます。
芳香浴にはアロマデフューザーを使うという方法もありますが、ベンゾインは粘り気が強いため、アロマデフューザーをつまらせてしまう可能性があります。

【おすすめのブレンド】
イランイラン・・・1滴

イランイランは血圧を下降させる可能性がありますので低血圧の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ベンゾイン・・・4滴

無水エタノールに精油のベンゾインを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・8滴

グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
ベンゾイン・・・2滴

計量した天然塩に精油のベンゾインを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ジャスミンサンバック・・・1滴

ジャスミンサンバックは文献によっては通経作用や、分娩を促進する働きがあるとされています。妊娠中の方は使用を控えてください。

ベンゾインの禁忌・注意点

ベンゾインの使用上の禁忌・注意点は特にありません。
ただ、希釈剤としてエタノールが使われている場合があります。エタノールに対してアレルギーのある方はエタノールで希釈した精油の使用は控えてください。