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オスマンサスはキンモクセイから採れる精油です。非常に高価な精油ですが、香りがとても強いため、一滴だけでも十分に香りが楽しめます。
オスマンサス(Osmanthus)という名前の由来は、ギリシャ語で匂いを意味する「osme」と花を意味する「anthos」であると言われています。
オスマンサスは生花の状態でも十分に香りを楽しめることもあり、精油はあまりメジャーな存在ではありませんが、食欲の抑制などの役立つ作用を持っています。
ここではオスマンサスとはどのような植物か?使い方の歴史、オスマンサスの精油の香りや特徴、作用、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介していきます。
オスマンサス(キンモクセイ)ってどんな植物?
スマンサスは日本では金木犀(キンモクセイ)の名で親しまれているモクセイ科の高木で、樹高は通常5~6m程度です。
国内最大と言われているものは愛知県の王至森寺(おしもりじ)にある国の天然記念物に指定されている樹齢千年以上の樹木で、樹高は16m、根回りは4m程度あります。
オスマンサスは、秋頃に小さなオレンジ色の花を枝に密集して咲かせますが、強い芳香を放ち、その香りが九里先まで届くという意味で「九里香」とも呼ばれ、沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)とともに三大香木、もしくは蝋梅(ロウバイ)を加えて四大香木の一つに挙げられています。
同じモクセイ科で白い花をつける銀木犀(ギンモクセイ)の変種と言われ、この二つは良く似ていますが、オスマンサスの方が強い香りを持っています。
またオスマンサスの花は、通常は年に一回の開花ですが、気候条件によっては年に二回開花することがあります。
原産国は中国で、現在は金桂、丹桂、銀桂、四季桂などいくつもの品種が栽培されています。
日本には江戸時代頃に伝わったと言われており、日本各地で見ることができます。
なおオスマンサスは雌雄異株の植物ですが、中国から日本に輸入される時により多く花をつけるという理由から雄株だけが選ばれたため、日本には雄株のみが存在していると言われています。
オスマンサス(キンモクセイ)にまつわる物語
オスマンサスは日本や中国においてたくさんの詩歌や物語に登場していますが、その中の一つに開花時期を裏付ける話があります。
その昔、中秋の名月の夜にジョウガという女神が下界を眺めたところ、その時見えた湖があまりに美しく、思わず舞を舞ったそうです。
この時周りにいた神様たちが舞に合わせて月に生えていたオスマンサスの幹を太鼓のように叩いて拍子をとったところ、その衝撃でオスマンサスの花や実がパラパラと落ちたそうです。これを見たジョウガが地上にもこの植物を分けてあげようとその花や実を地上に落としたことで、地上にオスマンサスが根付いた、とされており、そのためオスマンサスは中秋の名月の頃が開花時期であると言われています。
オスマンサス(キンモクセイ)の使い方・活用法の歴史
オスマンサスは中国で、観賞用としてだけではなく、薬草や食用品として幅広く活用されてきました。
薬草としては胃痛や腹痛の緩和、痰を取り除く作用があるとされ、食用品としては、唐の皇帝が楊貴妃のために作らせたと言われる桂花陳酒があります。
なお桂花陳酒はオスマンサスの花を白ワインに漬けて作るお酒で、当時は特権階級の人々しか飲むことができない特別なお酒だったそうです。
また、オスマンサスの花をお茶に混ぜた桂花茶というお茶があります。桂花茶にはオスマンサスの花を緑茶に混ぜた桂花焙青(緑茶)、ウーロン茶に混ぜた桂花烏龍、紅茶に混ぜた桂花紅茶など様々な種類があります。
その他に、オスマンサスの花をシロップ漬けにした桂花糖(糖桂花)や花を砂糖で煮込んだ桂花醤という香味料もあります。
日本では花や香りを楽しむ観賞用の庭木として普及しています。また、オスマンサスそのものが使われていたわけではありませんが、その香りをイメージした人工香料が1970年~1990年頃に広く普及し、トイレの芳香剤として人気を博しました。当時はまだ汲み取り式のトイレも多く、今のトイレに比べ強い悪臭があっため、その匂いを打ち消すような強い芳香を持つ香料としてオスマンサスが活用されました。
現在もキンモクセイの芳香剤は販売されていますが、トイレ環境の改善、消臭技術の発達により強い香りは必要なくなってきたため、オスマンサスの芳香剤はあまり使われなくなってきたようです。
オスマンサス(キンモクセイ)精油の特徴
オスマンサス(キンモクセイ)精油の抽出方法
有機溶剤抽出法や超臨界流体抽出法(液化二酸化炭素抽出法、CO2蒸留法)という高圧の二酸化炭素ガスを使った方法でオスマンサスの花から精油を抽出します。
有機溶剤抽出法や冷浸法(※)で抽出したものはオスマンサスアブソリュートと呼ばれます。有機溶剤抽出法で抽出した精油は一昔前までは溶剤の残留も多く、混ざり物なしの天然の状態を良しとするアロマセラピーにおいては敬遠される傾向にありましたが、現在は技術が進み、精油に微量な有機溶剤が残留している可能性はあるものの、あまり気にする必要はないと言われています。しかし、有機溶剤抽出法で抽出した精油はなるべく肌には使わないという考えが一般的です。
一方、超臨界流体抽出法の場合は溶剤を使わずに抽出できることや、水蒸気蒸留法では抽出できない分子量の大きな成分を抽出することができるため植物の成分をより多く含むというメリットがあります。しかし反面、皮膚刺激を含む成分なども他の抽出方法の精油よりも多く抽出してしまうことがありますので、こちらも肌へ使うより、香りを活用する方法が一般的です。
どちらの方法で抽出したかによって成分に違いがありますが、今回紹介する活用法においてはどちらの精油を使っても作用に大きな違いはありません。
※冷浸法は古い抽出方法で、今流通している精油でこの方法で抽出しているものはほとんどありません。よって、アブソリュートという言葉には冷浸法で抽出した精油、という意味はあるものの、一般的には有機溶剤抽出法で抽出された精油、という意味で使います。
オスマンサス(キンモクセイ)精油の香りの特徴
オスマンサスはキンモクセイの香りがしますが、有機溶剤抽出法で抽出したアブソリュートは生花のキンモクセイに比べると少し落ち着きのある深みのある香りで、甘さの中にスパイスのような香りを含んでいます。
一方、超臨界流体抽出法で抽出した精油は、生花により近い、フルーティーな甘さの香りがします。
オスマンサス(キンモクセイ) 精油の香料・原料データ
英名 | Osmanthus fragrans |
和名 | 金木犀 キンモクセイ |
学名 | Osmanthus fragrans var. aurantiacus |
別名 | ケイカ、桂花、丹桂 |
科名 | モクセイ科 |
産地 | 中国など |
精油の抽出部位 | 花 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | リナロール、β-イオノン、リナロールオキシドなど |
ブレンド相性 | スイート・オレンジなどの柑橘系、ローズなどの花の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
オスマンサス(キンモクセイ)の活用法
オスマンサス(キンモクセイ)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、オスマンサス(キンモクセイ)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
マヌカ・・・2滴
コットンに精油のマヌカ(ギョリュウバイ)を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ジンジャー・・・1滴
ジンジャーは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
マヌカ・・・6滴
無水エタノールに精油のマヌカ(ギョリュウバイ)を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ゼラニウム・・・4滴
ゼラニウムは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。
マヌカ(ギョリュウバイ)の禁忌・注意点
・妊娠中の方
マヌカは文献によっては妊娠中の使用が禁忌となっていますので、妊娠中の方は使用を控えてください。
・敏感肌の方
マヌカ精油は敏感肌の方は皮膚刺激を感じる場合があると言われています。敏感肌の方は使用を控えてください。