ローズマリー(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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ローズマリーという名前はラテン語で海という意味のros(ロス)、露という意味のmarinus(マリヌス)が語源で、海に近い場所に多く生育していたことや、花の色が海のような青色で、形が滴り落ちる露のようであることが理由であると言われています。

ローズマリーは生息場所によって植物に含まれる成分の含有比率が異なる性質があり、抽出される精油にも成分の違いがでるため、成分によってローズマリー・カンファー、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルベノンと区別して扱われています。

ただし、これらは精油の性質や香りに違いはありますが、いずれも頭をすっきりさせることや、記憶力を高めることに役立つとされています。

ここではローズマリーとはどのような植物か?ローズマリーの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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ローズマリーってどんな植物?

ローズマリーは地中海沿岸原産の常緑低木で、現在はヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカに分布しています。

ローズマリーは品種によって成長の仕方が異なり、まっすぐ上方向に成長する立木性(立性)、地面を這うように横方向に成長していく匍匐性、少し上方向に成長したのち横方向に成長していく半匍匐性という3つに分類されています。

ローズマリーの樹高は立木性であれば50㎝~150㎝程度まで育ちます。

葉の大きさは長さ3㎝程度、針のような形で、表面は濃い緑色ですが裏面は綿毛が生えているため白っぽく見えます。

花の大きさは1㎝程度、色は一般的には薄青~薄紫色ですが、薄ピンク色の品種もあります。

唇形花と呼ばれる形で、筒状になった花びらが上下に分かれてついており、下の花びらのほうが大きく下唇を突き出したような形になっています。花が終わるとゴマ粒のような茶色の種ができます。

 

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ローズマリーの使い方・活用法の歴史

ローズマリーは古代エジプトや古代ギリシャでは魔除けの力のある神聖な植物とされ、宗教的な儀式の時にお香のように焚き、空間を浄化していたそうです。古代エジプトでは魔除けのために王の墓に入れる草としても活用していました。

古代ギリシャでは薬としても活用されており、医師のヒポクラテスは肝臓や脾臓の病気に対して野菜とローズマリーを煮込んだものを食べることを勧めていたと言われています。

古代ローマでも薬として活用されており、医師であり植物学者のディオスコリデスや植物学者のテオフラストスは胃や肝臓の薬として活用していたそうです。

中世ヨーロッパでは調理用ハーブや鎮痛剤、無気力や眠気を軽減する刺激剤として活用されていました。

この時代に作られた鎮痛剤にハンガリーウォーターというハーブチンキ(ハーブをアルコールに漬けたもの)があり、現在も同じレシピが植物療法などで用いられています。

ハンガリーウォーターは痛風で悩んでいたハンガリー女王のために作られたハーブチンキで、女王はハンガリーウォーターで痛風の痛みが軽減し、健康を取り戻すことができたそうです。

さらに女王は、健康になっただけではなく、若々しくなって、隣国の年下の王子に求婚されたと言われており、現在は鎮痛剤としてよりも肌の若返りを目的として化粧水のように使われています。

ただ、若返りや王子に求婚されたというエピソードは、ハンガリーウォーターを世に広げ、多く販売するために少し後の時代に作られた話だとも言われています。

日本には1820年頃、ヨーロッパから中国を経て伝わったと言われています。

ただ、当時は普及せず特に活用はされていなかったようです。

現在は日本を含む世界各地で料理用ハーブや観賞用植物、石鹸やアロマキャンドルなどの生活用品用香料として活用されています。

また、ローズマリーは育毛に役立つとされており、シャンプーやスカルプケア製品の添加物としても活用されています。

ローズマリー精油の特徴

ローズマリー精油の抽出方法

いずれのローズマリーも全草(葉、茎、花)から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄黄色です。

ローズマリー精油の香りの特徴

鼻にスッと抜けるような草の香りです。3つを比べるとローズマリー・シネオールは爽快感が強く、ローズマリー・ベルベノンは甘みが強く、ローズマリー・カンファーは消毒のような香りを強く感じます。

ローズマリー精油の香料・原料データ

英名Rosemary ローズマリー
和名迷迭香、万年朗 マンネンロウ
学名Salvia Rosmarinus サルヴィア ロスマリヌス
Rosmarinus officinalis ロスマリヌス オフィキナリス
別名メイテツコウ
科名シソ科
産地スペイン、フランス、チュニジア、モロッコなど
精油の抽出部位全草
ノート *ミドル
精油の主な成分【ローズマリー・カンファー】1.8-シネオール、α-ピネン、カンファー、     カンフェン、β-ピネン、リモネンなど
【ローズマリー・シネオール】1.8シネオール、酢酸ボルニル、α-ピネン、β-ピネン、カンフェン、ボルネオール、カンファーなど
【ローズマリー・ベルベノン】1.8シネオール、カンファー、β-ピネン、カンフェン、ボルネオールなど
ブレンド相性スペアミントなどハーブ系の香りやラベンダーなどフローラル系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ローズマリーの活用法

ローズマリーだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ローズマリーの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

レシピはローズマリー・カンファー、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルベノン共通です。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ローズマリー・・・2滴

コットンに精油のローズマリーを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・1滴

ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ローズマリー・・・8滴

無水エタノールに精油のローズマリーを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入無水エタノールに精油を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・4滴

スペアミントは通経作用がある可能性がありますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。また、肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので肌につけないようにしてください。

ローズマリーの禁忌・注意点

・妊娠中の方
いずれのローズマリーも通経作用がある可能性がありますので妊娠中の方は使用を控えてください。

・授乳中の方、小児への使用について
ローズマリー・カンファー、ローズマリー・ベルベノンはカンファーの含有量が多いので授乳中の方、小児への使用は控えてください。

・敏感肌の方
いずれのローズマリーにも1.8シネオールなど皮膚刺激を与える可能性のある成分が多く含まれていますので、敏感肌の方は肌に塗布するような使い方は控えてください。

・高血圧の方
いずれのローズマリーも血圧を上昇させる可能性がありますので高血圧の既往のある方は使用を控えてください。

・てんかんの既往のある方
いずれのローズマリーもてんかんを引き起こす可能性がありますので、てんかんの既往のある方は使用を控えてください。

・月経過多の方
ローズマリー・シネオールは月経量を増やす可能性がありますので、月経過多の方は使用を控えてください。

・高濃度、長期使用について
いずれのローズマリーにも神経毒性が示唆されているケトン類が含まれています。
ケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性がありますのでレシピの濃度を上限として使用してください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。

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