バイオレットリーフ(ニオイスミレ)アロマ・精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

精油バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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バイオレットリーフは植物の名前ではなく、スイートバイオレットというスミレ科の植物の葉のことです。

スイートバイオレットは葉と花から精油が採れるため、葉から採れる精油をバイオレットリーフ精油、花から採れる精油をバイオレットフラワー精油と分けて呼んでいます。

ただ、バイオレットフラワー精油はスミレの花の香りの人工香料が開発されてからあまり作られなくなったため、一般的にスイートバイオレットの精油といえばバイオレットリーフ精油を指します。

ここではスイートバイオレットとはどのような植物か?バイオレットリーフの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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スイートバイオレット(ニオイスミレ)ってどんな植物?

スイートバイオレットは、西アジアやヨーロッパ、北アメリカ原産の多年草ですが、現在は日本でも栽培されています。

ただ、耐寒性に優れている反面、暑さにとても弱いので、日本で栽培する際は日陰に植えるなど気温上昇に対する配慮が必要です。

草丈は10~15㎝程度、葉は濃い緑色でハート形、細い茎の先端に直径2㎝程度の花を咲かせます。花の色は紫が多いですが、青や白、ピンク色の品種もあります。

繁殖方法は種だけではなく、匍匐茎(ほふくけい)と呼ばれる地上近くを這うように伸びる茎によっても増えることができます。

種や根茎には嘔吐や神経麻痺の症状を引き起こすビオリンや蕁麻疹を引き起こすサポニンなどの毒性成分があります。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の名前の由来

バイオレットリーフの植物名であるスイートバイオレットという英名は甘い匂いがするスミレということから名付けられました。

また、和名は匂い菫(ニオイスミレ)で、強い匂いを持つ菫ということから名付けられています。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の使い方・活用法の歴史

ここでは全てバイオレットリーフという呼び方で表記していますが、内容は葉(リーフ)に限定されてものではありません。

バイオレットリーフは古代ギリシャで豊穣の象徴とされ、首都アテネの紋章になっていたと言われています。

また、バイオレットリーフの匂いを嗅ぐと悪酔いしないと考えられており、葡萄酒に入れる、お酒を飲む時に花冠にしてかぶるという使い方をしていたそうです。

中世ヨーロッパでは呼吸器の不調改善薬や媚薬として活用されていたそうで、1590年頃にイギリスの劇作家シェイクスピアが作成した喜劇「夏の夜の夢」に妖精が使う媚薬として登場しています。

この頃イギリスでは庭園に植えるために様々な色の品種が作られましたが、その多くは世界大戦によって失われてしまったそうです。

16世紀頃からフランスでは香水用香料として活用されており、フランス王妃マリー・アントワネット(1755~1793)や、フランス皇帝ナポレオンの妻ジョセフィーヌ(1763~1814)がバイオレットリーフの香水を愛用していたと言われています。

またフランスでは食用としても活用しており、作曲家フレデリック・ショパン(1810~1849)はバイオレットリーフの花の砂糖漬けをショコラショー(チョコレートを温かい牛乳で溶かした飲み物)に入れて飲んでいたそうです。

18世紀後半にはフランス北部ロレーヌ地方で、バイオレットリーフを使ったパルフェ・タムールというリキュールが作られました。パルフェ・タムールとはフランス語で完全な愛という意味で、異性を惑わすことができるお酒という宣伝文句で広まっていったそうです。

19世紀になるとフランスでバイオレットリーフの匂いをより強調した、クレーム・ド・バイオレットというお酒が作られたそうで、現在は様々な国でパルフェ・タムールやクレーム・ド・バイオレットが作られています。

日本に伝わった時期や使用目的は不明ですが、明治頃には栽培が始まっていたと言われています。

現在は主に香水用香料として活用されています。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)精油の特徴

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)精油の抽出方法

バイオレットリーフの葉から有機溶剤抽出法で精油を抽出されており、バイオレットアブソリュートと呼ばれることもあります。

精油は濃い緑色で粘り気が強いです。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)精油の香りの特徴

青々とした草の香りに、ほんのりと花の匂いが加わったような香りです。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の香料・原料データ

英名 Sweet violet スイートバイオレット
和名 匂い菫、匂菫 ニオイスミレ
学名 Viola odorata ビオラ オドラータ
別名 リトルフェイセス
科名 スミレ科
産地 フランス、イタリア、エジプトなど
精油の抽出部位
ノート * ミドル
精油の主な成分 2-トランス-6-シス-ノナジエン-1-オール、n-ヘキサノール、n-オクテン-2-オール-1、ベンジルアルコール、オクテノール、へプテノール、オクテナール、オイゲノール、イオノンなど
ブレンド相性 ネロリなどフローラル系の香りやレモンなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の活用法

バイオレットリーフだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、バイオレットリーフの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
バイオレットリーフ・・・1滴

コットンに精油のバイオレットリーフを垂らして香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
ネロリ・・・1滴

ネロリは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
バイオレットリーフ・・・2滴

無水エタノールに精油のバイオレットリーフを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
レモン・・・10滴

レモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

バイオレットリーフ(ニオイスミレ)の禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方
バイオレットリーフには神経毒性が示唆されているケトン類という成分であるイオノンが含有されています。多量に含有されているわけではありませんが、妊娠中、授乳中の方は使用を控えてください。

・肌へ塗布について
n-ヘキサノールやオイゲノールなど皮膚刺激を与える成分が複数含まれていますので、皮膚につけるような使い方は控えてください。

・小児への使用について
神経毒性が示唆されている成分や皮膚刺激のある成分が複数含まれていますので、小児への使用は控えてください。


バイオレットリーフ 2g(2.17ml)
エッセンシャルオイル 精油 アロマ

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