精油ブラックパインの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ブラックパインは、ラテン語で黒い色の松という意味のPinus nigra（ピヌスニグラ）が語源となっており、理由については葉の色が他のマツに比べて黒っぽい緑色であるからという説や、生育環境によっては黒い樹皮になる場合があるからという説があります。

ブラックパインという英名を日本語に訳するとクロマツですが、日本に自生しているクロマツ（ジャパニーズブラックパイン）とは別の品種です。

ブラックパイン精油はあまり流通しておらず、マイナーな精油ですが、鼻に刺激を感じるようなシャープな香りが特徴で、アロマセラピーでは鼻づまりの軽減や喉の不調の改善を期待して活用されています。

ブラックパインってどんな植物？

ブラックパインはヨーロッパ、西アジア原産の常緑樹で、現在は日本にも植えられており、主に北海道に生息しています。

樹高は15～20ｍ、幹回りは2m程度、樹形は円錐形です。

葉の長さは10㎝程度、色は深緑色で針のような形をしています。葉の裏面には気孔と呼ばれる針の先で突いたような小さな穴が縦方向に並んでいますが、とても小さいため肉眼ではほとんど見えません。葉は1本ずつではなく、２本の根元がくっついて1束になった２針葉と呼ばれる形で枝についています。

樹皮の色は黄褐色～灰色、幼木時の樹皮は薄くて表面が平らですが、成長するにつれ厚くなり表面に深い溝が入り鱗のように剥がれます。

花に花びらはなく、雌花は白色、雄花は黄色の楕円形で、花が終わると長さ4～8㎝の球果（松ぼっくり）が実ります。球果は2～3年で成熟し、成熟するとカサが開いて中の種が風にのって飛ばされていきます。

ブラックパインの使い方・活用法の歴史

ブラックパインがいつから活用されているかは不明ですが、ヨーロッパでは伝統的に樹脂が去痰剤や消毒薬のように活用されていたと言われています。

栄養のない土地でも生育でき、風に強い性質であることから、開拓地で作物を育てる際に防風林として活用されていたそうです。

18世紀のフランスでは幹をフランス艦隊のマスト（甲板に帆を張るために立てられた柱）に活用していたそうです。

現在は街路樹、海岸や耕作地の防風林、盆栽として活用されています。

公園や庭園などに植える観賞用の樹木としても活用されており、黄色い葉のピヌスニグラ‘モセリ’、剪定しなくても球状の樹形に育つピヌスニグラ‘ブレポ’など様々な見た目の品種改良種が作られています。

ブラックパイン精油の特徴

ブラックパイン精油の抽出方法

ブラックパインの葉や枝から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。

ブラックパイン精油の香りの特徴

鼻に刺激を感じるような、爽快感の強いシャープな森林の香りです。

ブラックパイン精油の香料・原料データ

＊ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

ブラックパイン精油の活用法

ブラックパインだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ブラックパインの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ブラックパイン・・・2滴

コットンに精油を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・1滴

グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ブラックパイン・・・8滴

無水エタノールに精油を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
シダーウッドバージニア・・・5滴

シダーウッドバージニアはエストロゲンという女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの分泌の変動は妊娠の維持、出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。子宮筋腫などエストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方も使用を控えてください。

ブラックパイン精油の禁忌・注意点

・敏感肌の方
ブラックパインに含まれるα-ピネンなどは皮膚刺激を与える可能性があります。敏感肌の方は使用を控えてください。

・妊娠中の方
ブラックパインは文献によっては妊娠中禁忌となっています。妊娠中の方は使用を控えてください。