精油ナルキッソス（ナーシサス）の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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ナルキッソス（ナーシサス）は日本では口紅水仙と呼ばれている品種で、水仙の一種ですが、園芸店や花壇などでよく見かける水仙とは別の品種になります。

精油のナルキッソスはほとんど流通していないため入手が困難で、アロマセラピーで使うことはあまりありませんが、心を鎮めたい時に役立つ香りであるといわれています。

ここではナルキッソスとはどのような植物か？ナルキッソスの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

ナルキッソス（ナーシサス）ってどんな植物？

ナルキッソスはギリシャやスペインが原産の多年草で、草丈は30㎝程度、葉は細長い形をしています。花びらは白色で、花の中央に副花冠（フクカカン）と呼ばれる黄色で縁の部分が紅色の冠のような形の付属物があります。

また草全体に毒があり、特に球根部分に強い毒を持っています。

ナルキッソス（ナーシサス）の名前の由来

ナルキッソスという名前は、ギリシャ語で麻酔、昏睡という意味のNarke（ナルケ）が由来であるという説と、ギリシャ神話に出てくるNarkissos(ナルキッソス)という青年の名前が由来であるという説があります。

Narkeが由来とする説に関しては、ナルキッソスに含まれるナルシシンという成分が昏睡を引き起こすことが理由であるといわれています。

ギリシャ神話を由来とする説に関しては、Narkissosという美青年が、泉に移る自分の姿に恋をしてしまい、寝食を忘れて水に映る自分を見つめ続け、徐々に衰弱して死んでしまった後、彼のいた場所に泉をのぞき込むような形をした美しい花（水仙）が咲いたというエピソードにちなんで付けられた名前であるといわれています。

ナルキッソス（ナーシサス）の使い方・活用法の歴史

ナルキッソスは紀元前からギリシャで観賞用植物として栽培され、球根が売買されていたといわれています。

17世紀頃になると、ヨーロッパで盛んに品種改良が行われるようになり、数多くの品種が作られました。

日本には明治頃伝わり、現在に至るまで観賞用植物として活用されています。

現在は観賞用植物や、シャネルのココヌワールやカルバン・クラインのエタニティなどの高級香水用の香料として活用されています。

ココヌワール シャネル

エタニティ カルバンクライン

ナルキッソス（ナーシサス）精油の特徴

ナルキッソス精油の抽出方法

ナルキッソスの花から有機溶剤抽出法で精油を抽出します。精油はオレンジ色～やや緑がかった茶色で、粘り気がとても強いです。

ナルキッソス精油の香りの特徴

嗅いだ瞬間は草のような香りで、時間の経過とともに甘い花の香りに変わります。

ナルキッソスの香料・原料データ

＊ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

ナルキッソス（ナーシサス）の活用法

ナルキッソスだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ナルキッソスの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ナルキッソス・・・1滴

コットンに精油のナルキッソスを垂らして香りを拡散させます。
芳香浴にはアロマデフューザーを使うという方法もあるのですが、精油のナルキッソスは粘り気が強く、アロマデフューザーをつまらせてしまう可能性があります。

【おすすめのブレンド】
ジャスミン・・・1滴

ジャスミンは分娩を促進する可能性がありますので妊娠中の方は使用を控えてください。
また、女性ホルモンのエストロゲンの分泌に影響を与える可能性がありますので、子宮筋腫などエストロゲンの分泌の変化により悪化する病気のある方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ナルキッソス・・・3滴

無水エタノールに精油のナルキッソスと精製水を加えてよく混ぜ、スプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
カルダモン・・・8滴

カルダモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ナルキッソス（ナーシサス）の禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方、小児への使用
ナルキッソスはアロマセラピーではあまり使われておらず、使用データの少ない精油です。妊娠中、授乳中の方や小児への使用は控えてください。

・肌への使用
ナルキッソスは肌につけると感作反応（アレルギー反応）を引き起こす可能性があるとされていますので、肌につける使い方は控えてください。