美白クリームとは、できてしまったシミやニキビ跡を薄くしたり、目立たなくするクリームです。
継続的に使用することによって透明感のある美白肌に導いてくれる美容効果が期待できます。
アイテムによっては、肌のトーンを明るくし、色白に見せてくれる効果もあります。
ただし、生まれ持った肌の色よりも劇的に白くなったり、即座に気になるシミを消してくれるものではありません。
地の肌色を白くするためには、紫外線対策や食事などの生活習慣も意識して過ごす必要があります。
美容クリームに美白効果があるかどうかは、商品の説明や商品名に「美白」や「医薬部外品(薬用)」という表記があるかを確認しましょう。
「美白」と表記しているアイテムは、厚生労働省(厚労省)の認可が下りた美白成分が配合されている美白クリームです。
「医薬部外品(薬用)」は、厚労省の許可こそ下りていないものの、効果的な成分が配合されているという意味です。
「医薬部外品(薬用)」の表記は美白成分に限定されないため、美白成分が含まれているのか確認するようにしましょう。
美白クリームと一口に言っても、高い保湿効果を併せ持つアイテムや、シミの予防に向いているアイテム、できてしまったシミを消すためのアイテム等、様々な種類があります。
美白クリームは、自分の悩みや肌質に合わせて選ぶことが大切です。
美白クリームの成分と効果
美白クリームに含まれる成分は主に「保湿成分」と「美白成分」に分けられます。
保湿成分
セラミド
セラミドとは、肌の細胞の間で潤いを保持する保湿成分です。
元々、人体に存在する成分ですが、年齢とともに減少してしまいます。
セラミドは、水分を長時間キープすることで、乾燥による小じわやくすみを改善し、肌のターンオーバーの正常化を助けます。
乾燥が原因の敏感肌の改善も期待できます。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、1gで6Lの水分を抱え込む保湿成分です。
セラミドに比べて安価なためプチプラコスメなどにも含まれています。
肌にツヤを与え乾燥を防ぎ、長時間潤いを保つ役割を持ちます。
アルガンやホホバ等美容オイル
アルガンオイルやホホバオイルなどの美容オイルは、肌に浸透し水分の蒸発や乾燥を防ぐ役割を持ちます。
肌の細胞間脂質を相性が良く、細胞の隙間に入り込み肌を柔らかくしてくれます。
ホホバオイルには抗酸化作用を持つビタミンAやビタミンE、免疫力を高めるビタミンDなどビタミン類が多く含まれています。
アルガンオイルはビタミンEやリノール酸、オレイン酸といった成分による高い抗酸化作用が期待できます。
上記のように効果はオイルによって違いがあり、ホホバオイルは毛穴などからビタミンを吸収し、抗酸化作用や免疫力の向上が期待でき、アルガンオイルは肌の劣化や変色(シミヤソバカス)の原因となる酸化に対抗します。
美白成分
ハイドロキノン
海外では、シミ治療の皮膚漂白剤としても使われる強力な美白成分です。
日本でも皮膚科やクリニック等でシミ治療などに採用されています。
シミの原因となるメラニンを薄くすることで、すでにできてしまったシミを消したり、薄くする効果が期待できます。
また、メラニンの生成を抑制する効果も持つため、シミの予防効果も期待できます。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、元々止血剤・抗炎症剤として使われてきた成分です。
現在では、セルフケアが困難な肝斑の治療薬としても注目を集めています。
シミができている場所の炎症を鎮めることで、メラノサイトの活性化を抑制し肝斑やシミの予防効果も期待できます。
アルブチン
アルブチンは、ハイドロキノンにブドウ糖が結合した成分です。
コケモモなどの植物に含まれており、ハイドロキノン誘導体とも呼ばれています。
使用するタイミングや量に制限のあるハイドロキノンよりも安全性が高く扱いやすい為、多くの美白化粧品に使われています。
酵素「チロシナーゼ」に作用することでメラニンの生成を抑制し、シミができるのを防ぎます。
※誘導体…誘導体とは母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のこと(出典:Wikipedia)
ビタミンC/ビタミンC誘導体
食物にも含まれるビタミンCは、肌の弾力を保つコラーゲンの生成を促し、ターンオーバーを促進する働きを持ちます。
同時にメラニンの生成を抑えることで、シミやそばかす、くすみの発生を防ぎます。
ただし、ビタミンC自体は皮膚に浸透しづらい成分です。
そのため、ビタミンC誘導体と合わせて使うことで肌になじみやすくなりより高い効果が期待できます。
プラセンタエキス
プラセンタエキスは、牛や豚など哺乳類の胎盤から抽出したエキスのことです。
胎盤には、数多くのアミノ酸やビタミン・ミネラル、酵素など様々な栄養素が含まれています。
肌の代謝を活発化させ、健康な肌に導いてくれます。
また、美肌効果以外にも自律神経やホルモンバランスを整えたり、身体の抵抗力を高める効果もあると言われています。
韓国など海外製の美白クリームってどうなの?
美白クリームには、国産のアイテム以外にも韓国など海外製のアイテムがあります。
国産以外のアイテムを使うのに不安を感じている人もいるかもしれません。
韓国などの海外製の美白クリームに、美白効果は期待できるのでしょうか。
韓国コスメ
韓国コスメで「美白クリーム」というと、スキンケアアイテムでは無くトーンアップクリームを指すことがほとんどです。
トーンアップクリームは、肌の状態を整えたり、美白するわけではなく、化粧下地のように使用するクリームです。
塗るだけですぐに色白の肌を手に入れることができますが、自分自身の肌が白くなるわけではないので注意しましょう。
韓国以外の外国のブランド、ノンブランド
ヨーロッパやアメリカをはじめ海外ではわざわざ自分の肌を明るく白い美白肌にしようという文化がほとんどありません。
肌荒れを防いだり、質感の良い肌を目的としたスキンケアアイテムはありますが、自身のアイデンティティである肌の色を変える必要が無い為です。
白い肌が美しい、という概念もありません。
タイやハワイなど一部の国や地域では、シミを取るためのクリームが販売されていますが日本では認可されていない「トレチノイン」などの成分を使用しているアイテムもあるので使用の際には注意が必要です。
なお、トレチノインは肌の角質を剥がすことでシミを取る成分なので肌そのものを美白する成分ではありません。
美白クリームはプチプラでも使える?
デパコス等の高級な美白クリームとプチプラの美白クリームに大きな違いはありません。
ブランド名による付加価値がついていたり、メーカー独自の美白成分やハイドロキノン等の高価な美白成分などが使われているため高価になっています。
高価な美白クリームにも、プチプラ美白クリームにもこれらの成分は含まれています。
・ヒアルロン酸
・アルガンやホホバ等天然オイル
・アルブチン
・ビタミンC等
美白クリームは、継続して使用することが大切なので、頑張って高価な美白クリームを購入するよりも、コストパフォーマンスに優れた美白クリームを使い続けたほうが高い美白効果が期待できます。
美白クリームボディ用と顔用使い分け
美白クリームには、「顔用」「ボディ用」と書かれているアイテムがあります。
どちらのクリームにも、美白効果が期待できる成分が含まれており、成分自体に大きな違いはありません。
そのため、顔用をボディに使うことは可能です。
ただし、ボディ用を顔に使うことは避けてください。
ボディ用の美白クリームは刺激に弱い顔に塗るには不向きな成分が入っている場合があるためです。
ボディ用の美白クリームは、手足に使うことを考えてサラサラのテクスチャになっている場合があるので、デコルテや肩などボディも美白したいと考えている場合は、アイテム名に「ボディ用」と書いてあるアイテムを選ぶと良いでしょう。
美白クリームとパック、どっちがおすすめ?
美白クリームとパックでは用途が異なります。
美白クリームは主にメラニンの生成を抑制し、シミやそばかすの発生を防ぐのに対し、パックは肌に潤いを与えハリや透明感をもたらします。
美白肌を手に入れるためには、メラニンの抑制だけではなく保湿も必要になります。
さらに美白クリームにも高い保湿効果を持つアイテムはありますし、パックに美白成分が含まれているアイテムもあります。
そのため、一概にどちらがおすすめ、ということは無く、肌の悩みや状態に適したアイテム選びが大切です。