ホウショウ(芳樟)、ホーウッド、ホーリーフ(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

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ホウショウはクスノキの変種です。

ホウショウは漢字で書くと芳樟、芳香のある樟(クスノキ)という意味で、日本が台湾を統治していた際に、台湾に住んでいた日本人が名付けたと言われています。

ホウショウは木部からホーウッド、葉からホーリーフという精油が採れます。

葉が原料の方が、木を伐採する必要もなく、環境に優しいということで、現在はホーリーフ精油の方が多く流通しています。
和精油として、枝と葉から抽出したホウショウ(芳樟)精油もあります。

ホウショウから採れる精油はどれもほんのりと甘みのある樹木の香りで、心のバランスをとりたい時や、心の疲れをとりたい時に役立つ香りと言われています。

ここではホウショウ(芳樟)とはどのような植物か?ホウショウ(芳樟)、ホーウッド、ホーリーフの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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ホウショウ(芳樟)ってどんな植物?

ホウショウは台湾原産の常緑樹で、現在は中国南部や日本の本州~九州にも分布しています。

樹高は15~30m、幹は大きいもので直径1m程度、樹皮は黒味がかった茶色で、表面は鱗のようになっており、デコボコしています。

葉は卵型で周囲が波打つような形をしており、表面に光沢があります。
葉のつけね辺りから、細い茎が伸び、その茎の先端にとても小さな白い花が複数咲きます。

花が終わると、直径5mm程度で紫黒色の丸い実が実ります。

全体的な見た目はクスノキにとてもよく似ていますが、クスノキに比べると花や実が小ぶりです。

ホウショウ(芳樟)の使い方・活用法の歴史

ホウショウは台湾に自生していましたが、19世紀頃まで特に活用されていませんでした。

1600年頃アジアやヨーロッパでクスノキから採れる樟脳に需要があり、日本や台湾で樟脳産業が発展し、樟脳が採れるクスノキの需要は高まっていきましたが、ホウショウはクスノキに見た目がよく似ていながら、樟脳が採れないため見向きもされませんでした。

1895年、日本が台湾を統治するようになり、台湾のホウショウは日本の所有物となりましたが、何の利益にもならないとして放置されていました。この頃、樟脳生産の場では、ホウショウは樟脳の原料にならない臭いクスノキという意味で、臭樟(シュウショウ)と呼ばれ敬遠されていたそうです。

しかし、明治末期になると、ホウショウにリナロールという芳香成分が含まれていることがわかり、香料原料として活用されるようになりました。

1947年には、日本の香料会社である曽田香料が台湾からホウショウの種を持ち帰り、鹿児島で商業的な栽培を開始しました。
当時リナロールは高級化粧品に使う香料として重宝されており、最盛期には鹿児島から年間5tもの精油がヨーロッパに輸出されていました。

それでも1972年になると安価な合成リナロールが出現したことにより徐々に衰退、生産されなくなりました。

一時は生産されなくなったホウショウ精油ですが、2000年頃から日本でもアロマセラピーが広く知られるようになり、和精油として製造されるようになりました。

ヨーロッパではリナロールの原料としてのみ活用されていたホウショウですが、アロマセラピーで人気のローズウッド精油の原料の木がワシントン条約で保護されたことにより精油の入手が難しくなり、ローズウッド精油とホーリーフ精油の成分や香りが似ていたことからローズウッド精油の代替として、ホーリーフ精油が活用されるようになりました。

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフ精油の特徴

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフ精油の抽出方法

ホウショウ精油はホウショウの枝と葉から、ホーウッド精油は木部から、ホーリーフは葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄黄色です。

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフ精油の香りの特徴

樹木の香りにほんのりと甘い花の香りが加わった、軽やかな香りです。いずれも似た香りですが、ホーウッドは樹木の香りが強く、ホーリーフは少し鼻にスッと感じるような爽やかな香りがあります。

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフ精油の香料・原料データ

英名Ho sho ホウショウ、Ho wood ホーウッド、Ho leaf ホーリーフ
和名芳樟 ホウショウ
学名Cinnamomum camphora キンナモムム カンフォラ
Cinnamomum camphora CT Linalool キンナモムム カンフォラ シーティーリナロール
Cinnamomum camphora var. glaucescens キンナモムム カンフォラ バー グラウ セスセンス
別名リナロールグス、ラッグス、臭樟(シュウショウ)
科名クスノキ科
産地アメリカ、フランス、ドイツなど
精油の抽出部位ホウショウ 葉、枝
ホーウッド 木部
ホーリーフ 葉(葉、枝のものもあり)
ノート *ミドル
精油の主な成分ホウショウ リナロール、カンファーなど
ホーウッド リナロール、1.8-シネオール、β-カリオフィレン、カンファーなど
ホーリーフ リナロール、1.8-シネオール、リモネン、ゲラニオール、カンファーなど
ブレンド相性ゼラニウムなどフローラル系の香りやフランキンセンスなど樹脂系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフ精油の活用法

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ホウショウ(ホーウッドもしくはホーリーフ)・・・2滴

コットンに精油のホウショウ(ホーウッドもしくはホーリーフ)を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
フランキンセンス・・・1滴

フランキンセンスは使用上の禁忌事項は特にありません。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ホウショウ(ホーウッドもしくはホーリーフ)・・・8滴

無水エタノールに精油のホウショウ(ホーウッドもしくはホーリーフ)を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ゼラニウム・・4滴

ゼラニウムは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。 
敏感肌の方は肌につくと皮膚刺激を感じる場合がありますので、肌につけないようにしてください。

ホウショウ、ホーウッド、ホーリーフの禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方、小児への使用について
ホウショウ精油、ホーウッド精油、ホーリーフ精油の禁忌事項については文献によって見解がわかれています。
ホウショウから採ったオイルには神経毒性が示唆されているケトン類のカンファーが少量含有されていますが、蒸留し、精油となる過程でほとんどのカンファーはなくなるため、通常アロマセラピーで使う場合に危険性はないと言われています。
ただ、使用データの少ない精油でもありますので、より安全に使うため妊娠中、授乳中の方や、小児への使用は控えてください。

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