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スギ(杉)は日本固有の植物で、幹がまっすぐに伸びることから「まっすぐ伸びる木」という意味の直木(すぐき、すくき)と呼ばれていたものが、スギという名前に変化していったと言われています。
精油は葉や小枝、木部から抽出されており、どの部位を使うかによって精油の香りや含有成分の割合が若干異なりますが、精油の性質や使用上の禁忌事項に違いはありません。
まるで森林浴をしているような爽やかな木の香りで、心を鎮めたい時に良い香りとされています。
ここではスギ(杉)とはどのような植物か?使い方の歴史、スギ(杉)の精油の香りや特徴、作用、使い方・活用法やブレンドレシピ、使用する時の注意点・禁忌などを紹介します。
スギ(杉)ってどんな植物?
スギは日本原産の針葉樹で、日本で最も長寿の木とも言われており屋久島の縄文杉や神奈川県の箒スギなど樹齢2000年を超える木が複数あります。
樹高は一般的には20m程度ですが、環境によっては50m程度まで育ちます。
樹皮は赤褐色で所々ささくれ立つようにめくれており、手で引っ張ると縦方向に裂けて剥がれます。
葉は針のような形で長さは1㎝程度、花は雄花と雌花の2種類がありそれぞれ枝の先端部に咲きます。
雄花は黄色〜明るい茶色で卵形、ブドウの房のように複数個まとまって咲き、雌花は薄黄緑の丸い松ぼっくりのような姿をしており単独で咲きます。

杉 雌花
スギ(杉)の使い方・活用法の歴史
スギは縄文時代には生活道具を作る材料として活用されており、古墳時代に入ると建材としても活用されるようになりました。
また、いつ頃からは不明ですが、天に届きそうなほどに高く成長する姿から神の依代になる木として考えられるようになり、御神木としたり神様を祀る場所に植えたりするようになりました。
江戸時代になると建材とするスギが不足するようになり、商業的な植林が始まったと言われています。
江戸時代には杉玉としても活用されていました。杉玉とは酒屋が醸造の安全を祈願して軒下に吊るすスギの枝で作った球体のことで、現在も多くの酒蔵で見ることができます。
この風習の元となったのはお酒の神様を祀る奈良県の大神(おおみわ)神社で行われていた儀式で、神社のある三輪山で取れるスギにお酒の神様の力が宿っているとして、杉の玉を作り醸造の安全祈願をするという儀式が、全国各地の酒蔵に広がっていったと言われています。
この頃、スギの木材は調湿作用に優れていることや経年による伸び縮みが少ないという特徴から酒や味噌、醤油の樽の材料としても活用されていました。
現在は主に日本で庭木や建材、桶や弁当箱など工芸品の原料として活用されています。
スギ(杉)精油の特徴
スギ(杉)精油の抽出方法
スギの小枝や葉、木部を水蒸気蒸留し精油を抽出します。精油は無色〜薄黄色です。
スギ(杉)精油の香りの特徴
樹木や草の香りにほんのり柑橘の香りが加わったような香りです。
スギ(杉)精油の香料・原料データ
英名 | Japanese Cedarジャパニーズシダー Japanese Red Ceder ジャパニーズレッドシダー |
和名 | 杉 スギ |
学名 | Cryptomeria japonica クリプトメリア ヤポニカ |
別名 | スギノキ、オモテスギ、マキ、ヨシノスギ |
科名 | ヒノキ科 |
産地 | 日本 |
精油の抽出部位 | 小枝、葉、木部 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | α-ピネン、シス-β-シメン、サビネン、リモネン、δ-カジネン、へディカリノールなど |
ブレンド相性 | ラベンダーなどフローラル系の香りやスペアミントなどハーブ系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
スギ(杉)の活用法
スギ(杉)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
なおレシピを活用する際は、スギ(杉)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
スギ・・・2滴
コットンに精油のスギ(杉)を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・1滴
スペアミントは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
スギ・・・7滴
無水エタノールに精油のスギ(杉)を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・5滴
ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。
スギ(杉)精油の禁忌・注意点
・敏感肌の方
スギにはα-ピネンなど皮膚刺激を与える可能性がある成分が複数入っていますので、敏感肌の方は皮膚に塗布するような使い方は控えてください。
※スギ精油は原料として花や花粉を使用いていないため、スギ花粉に対するアレルギーの方でも使うことができます。