バーチ(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

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バーチはカバノキ属の樹木の総称で、名前にバーチと入っている植物は40種類以上あります。その中で精油の原料として活用されているのはスイートバーチとホワイトバーチという品種です。
ただ、ホワイトバーチは主に浸出油や樹液のほうが活用されているため、精油はあまり流通していません。

スイートバーチ精油の特徴は、湿布のような香りがすることと、炎症を鎮める働きのあるサリチル酸メチルという成分がとても多く含有されていることです。
この成分は湿布薬などにも使われているのですが、使い方を間違うと体に悪影響を与える可能性のある成分です。

そのためスイートバーチ精油は、他の精油に比べて慎重に使う必要がある上級者向けの精油です。

ここではバーチとはどのような植物か?バーチの精油の香りや特徴、使い方・活用法や使用する時の注意点などについて紹介します。

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バーチってどんな植物?

スイートバーチはアメリカ、カナダ原産の落葉樹です。

樹高30m程度、葉は卵型で縁がノコギリの歯のようにギザギザとしています。

樹皮は桜の木の樹皮によく似ており、若木の時は艶のある焦げ茶色で、成木になると灰色になります。

ホワイトバーチはヨーロッパ原産で、スイートバーチに似た姿ですが、葉の形は卵型~三角形、樹皮は白色です。

どちらのバーチも花に花びらはなく、苞(ホウ)という花びらのような形に変形した葉が雄しべについています。

苞と雄しべは複数個集合して動物の尾のような形になる、尾状花序(ビジョウカジョ)と呼ばれる咲き方をします。

バーチの使い方・活用法の歴史

どちらのバーチもいつから活用されているのかは不明ですが、スイートバーチはアメリカの先住民達が樹皮を煮だしたものを風邪薬や胃薬として活用し、ホワイトバーチはヨーロッパで樹液を飲むと体の毒素を排出できるとして民間療法に取り入れられていたそうです。

現在はどちらのバーチも家具の材料、合板材、製紙用パルプに活用されており、ホワイトバーチは樹液に保湿効果があるとして化粧水としても活用されています。

バーチ精油の特徴

バーチ精油の抽出方法

バーチの樹皮や若芽をお湯に浸けてから水蒸気蒸留法で精油を抽出します。どちらも精油は無色~薄黄色です。

バーチ精油の香りの特徴

スイートバーチは湿布を少し甘くしたような香り、ホワイトバーチは湿布に木材の香りが加わったような香りがします。

バーチ精油の安全性

スイートバーチ精油は成分の90%以上がサリチル酸メチルという成分です。ホワイトバーチはスイートバーチよりも安全性が高いとされていますが、成分についての情報が少なく、含有成分がほとんど不明で、サリチル酸メチルの含有量も不明です。

サリチル酸メチルは抗炎症作用や鎮痛作用などの作用を持っており、合成のサリチル酸メチルは市販の洗口液や湿布薬などに配合されています。

ただ、サリチル酸メチルは使い方を間違うと中毒を引き起こすことがあります。
サリチル酸中毒の症状は、熱が出る、血圧が上がる、呼吸が早くなるなどで、重症になると昏睡状態にまで至ると言われています。

スイートバーチ精油のアロマセラピーでの使用については意見が分かれており、文献によっては使用すべきではないとされているものもあります。使用には十分な知識が必要ですので、上級者以外の方は使用を控えたほうが良い精油です。

ホワイトバーチについては精油情報が極端に少なく、安全性について不明な部分がありますので、少量で香りを楽しむ使い方をおすすめします。

バーチ精油の香料・原料データ

【スイートバーチ】

英名Sweet birch スイートバーチ
Birch,Sweet バーチスイート
和名亜米利加水芽 アメリカミズメ
学名Betula lenta ベツラ レンタ
別名ブラックバーチ、チェリーバーチ、レンタカンバ、サクラカンバ
科名カバノキ科
産地アメリカ、カナダなど
精油の抽出部位樹皮、若芽
ノート *ミドル
精油の主な成分サリチル酸メチル、サリチル酸、オイゲノールなど
ブレンド相性レモンなど柑橘系の香りやティートリーなど樹木系の香りと相性が良いです。

【ホワイトバーチ】

英名White birch ホワイトバーチ
和名欧州白樺 オウシュウシラカンバ
学名Betula pendula ベツラ ペンデュラ
Betula alba ベツラ アルバ
別名シルバーバーチ
科名カバノキ科
産地スウェーデン、フィンランドなど
精油の抽出部位樹皮、若芽
ノート *ミドル
精油の主な成分ベチュレノールなど
ブレンド相性レモンなど柑橘系の香りやティートリーなど樹木系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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スイートバーチ、ホワイトバーチの活用法

バーチだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、バーチの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

アロマスプレー

自分の周りに香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。使用後はしっかり換気してください。 

【レシピ】
精製水・・・2ml
無水エタノール・・・3ml
ホワイトバーチ・・・1滴

無水エタノールに精油のバーチを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体を香水用のアトマイザーに入れて使ってください。アトマイザーは直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーの使用期限は2週間を目安とし、余った分は破棄してください。

【おすすめのブレンド】
レモン・・・2滴

レモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

スイートバーチ、ホワイトバーチの禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方、小児、乳幼児への使用
体に蓄積することで中毒を起こす可能性があります。胎児、乳児に影響を及ぼす可能性がありますので、妊娠中、授乳中の方は使用を控えてください。
また、体格が小さく、体内での解毒作用、代謝作用が未発達な小児は成人に比べ少量で中毒を起こす可能性がありますので、使用を控えてください。

・持病がある方、お薬を飲んでいる方
バーチはワルファリンなどの抗凝血剤の効果を増大させる可能性があります。血をサラサラにする働きの薬を飲んでいる方は使用を控えてください。
他の薬剤や病気に影響を与える可能性もありますので、持病がある方やお薬を飲んでいる方は主治医に相談のうえご使用ください。

・アスピリンアレルギーの方
バーチに含まれるサリチル酸メチルとアスピリンの成分であるアセチルサリチル酸はどちらもサリチル酸化合物で、似た働きを持つため、アスピリンアレルギーがある方は使用しないほうがいいのではないか、と言われております。
アスピリンアレルギーとは、アスピリンを代表とする非ステロイド性抗炎症薬を使用すると喘息や蕁麻疹などの症状をきたす薬剤アレルギーです。
バーチとアスピリンアレルギーの関連性ははっきりとしておりませんが、安全のためアスピリンアレルギーの方は使用を控えてください。

・ドーピング検査を受ける方
バーチを使用するとドーピング検査に引っかかる可能性があります。
ドーピング検査が必要とされるような大会が控えている方は、使用前に各競技団体に確認してください。

・高濃度での連用使用について
高濃度で使用することで体に害を与える可能性があります。必ず1%以下に希釈してください。継続的な使用は避け、使用回数は1日1回までにしてください。

・保管場所について
日本において精油を飲むことはありませんが、バーチ精油を経口摂取した場合、子供であればスプーン一杯程度の量で致死量となります。
家庭で保管する場合には間違ってお子さんが触ったりしないように、鍵のかかる場所や手の届かない場所に保管してください。


バーチ 10ml
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

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