リンデン(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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リンデンという名前はアングロサクソン語で柔軟さやしなやかさという意味のLind(リンド)が語源で、リンデンの樹皮が柔らかくしなやかで加工しやすいことから名付けられたと言われています。

和名は西洋菩提樹ですが、菩提樹はクワ科でリンデンはシナノキ科であり、植物的には菩提樹の仲間ではありません。

これは、ヨーロッパから中国を経て日本に伝来する際に菩提樹として伝わり、その後西洋菩提樹と翻訳されてしまったためだと言われています。

リンデンの花には強く甘い香りがありますが、花から採れる精油はきつい甘さではなく、上品で軽やかな甘い香りで、気持ちを穏やかにしたい時や眠れない時によいとされています。

ここではリンデンとはどのような植物か?リンデンの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

 

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リンデンってどんな植物?

リンデンはヨーロッパ中部~南部原産の落葉樹で、現在はアジアにも分布しています。

樹高は10~30m、樹皮は灰色で、成長に伴い縦方向に溝のような裂け目ができます。

葉の大きさは6~15㎝、ハート形で周囲にはノコギリの歯のような細かいギザギザがあります。葉色は明るい緑色で、紅葉の時期がくると黄色に変わります。

葉の付け根から細い茎が伸び、茎の先端にクリーム色の花が数個集合して咲きます。

花の大きさは2㎝程度、花びらは5枚で中央には長い雄しべがたくさん生えています。花の根元には緑色の苞(花を保護する葉のようなもの)があります。

花が終わると卵型の実が実ります。実は最初は緑色ですが成熟すると茶色になります。

 

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リンデンの使い方・活用法の歴史

リンデンは、紀元前5世紀頃からヨーロッパにいた民族であるゲルマン人が神様の宿る神聖な木として扱っていたそうです。

ゲルマン人はリンデンに真実を明らかにする力があると考え、リンデンの下で話し合いや裁判のようなことをしていたと言われています。

中世ヨーロッパでも神聖な木として扱われており、キリストなどの聖像や祭壇を作る時の材料に活用されていました。木材や樹皮が柔らかく加工しやすい性質であったことから、日用品や工芸品にも活用されるようになりました。

また、中世ヨーロッパではリンデンの葉がハート形であることや甘い香りがすることから、恋愛や愛情を象徴する木としても扱われており、ドイツの詩人ゲーテはリンデンの木に愛する人の名前を刻んで愛を誓ったと言われています。

中国には紀元前後にヨーロッパから伝わり、菩提樹の代わりとして活用されていました。

菩提樹とはインド原産の木で、その根元でお釈迦様が悟りを開いたことから菩提樹(悟りの木)という名前になったと言われています。

仏教では三大聖樹の1つとして信仰の対象になっており、寺院に欠かせない木ですが、温暖な気候を好む木であるため仏教が北に広がっていくにつれ生育できない地域がでてきました。

中国にも紀元前後頃にインドから仏教と菩提樹が伝わったのですが、地域によっては菩提樹が生育できず、菩提樹に見た目が似ていて中国の気候でも生育可能なリンデンが寺院に植えられるようになったと言われています。

日本には1200年頃に中国から菩提樹として伝わり、神社などに植えていたそうです。

現在は主にヨーロッパで街路樹として活用され、世界各地ではストレス緩和や安眠を目的としたハーブティーや香水用香料として活用されており、イヴサンローランのイヴサンローランパリやフラゴナールのリンデン・セドラなどの香水に配合されています。

リンデン(西洋菩提樹)精油の特徴

リンデン(西洋菩提樹)精油の抽出方法

リンデンの花から有機溶剤抽出法で精油を抽出します。精油はオレンジ色です。精油の粘度が高いため希釈した状態で販売されているものもあります。

リンデン(西洋菩提樹)精油の香りの特徴

甘い花の香りに、ほんのり青々とした葉の香りが加わった軽やかな香りです。
希釈したものはさらに香りが軽く爽やかな花の香りがします。

リンデン(西洋菩提樹)精油の香料・原料データ

英名Linden リンデン
和名西洋菩提樹 セイヨウボダイジュ
学名Tilia vulgaris ティリア ブルガリス
Tilia europaea ティリア エウロパエア
別名リンデンバウム、セイヨウシナノキ、ライムツリー、ライムブロッサム、ティユール
科名シナノキ科
産地フランスなど
精油の抽出部位花(花と苞)
ノート *トップ~ミドル
精油の主な成分ファルネソール、リナロール、酢酸ベンジル、ジャスモナール、シトラール、テルピネオールなど
ブレンド相性ジャスミンサンバックなどフローラル系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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リンデン(西洋菩提樹)の活用法

リンデン(西洋菩提樹)だけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、リンデン(西洋菩提樹)の使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
リンデン・・・2滴

コットンに精油のリンデンを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
ジャスミンサンバック・・・1滴

ジャスミンサンバックは通経作用や分娩を促進する働きがある可能性がありますので、妊娠中の方は使用を控えてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
リンデン・・・4滴

無水エタノールに精油のリンデンを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・8滴

グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

入浴剤

精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。

【レシピ】
天然塩・・・30g
リンデン・・・1滴

計量した天然塩に精油のリンデンを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ベンゾイン・・・1滴

ベンゾインは使用上の禁忌、注意事項はとくにありません。

リンデンの禁忌・注意点

リンデンの使用上の禁忌・注意点は特にありません。


リンデン/ボダイジュ
精油 アロマ エッセンシャルオイル

 
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