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アンブレットシードはアンブレットという植物の種から採れる精油です。その香りは精油には珍しく、動物性の香料のムスクに似ています。
アンブレットシードのムスク調の香りは、香水や芳香浴など香りを楽しむためのツールとして使われることが多く、人気を集めています。
ここではアンブレットシードとはどのような植物か?使い方の歴史、アンブレットシードの精油の香りや特徴、使い方・活用法、購入・使用する時の注意点などについて紹介します。
アンブレットってどんな植物?
アンブレットは草丈が1m程度のアオイ科の植物で、黄色い花びらで花の中央部分だけ紫色をした花をつけます。
花の大きさは直径10㎝程度で、花の形は同じアオイ科のハイビスカスやオクラに良く似ています。
花が終わるとオクラのような形の鞘の中に小さなソラマメのような形をした茶色の種をたくさん実らせます。
アンブレットは熱帯アジア地域に生息している植物ですが、日本でも奄美や沖縄など南西諸島に自生していると言われています。
アンブレットシードの使い方・活用法の歴史
アンブレットシードは植物性の香料には珍しく、ジャコウジカの雄の生殖分泌物から作られるムスク調の香りを持っています。
ムスクとはジャコウジカの下腹部にある香嚢(こうのう)と呼ばれる部分を切り取り乾燥させたもので、ムスクはそのまま嗅ぐと匂いが強すぎて悪臭に感じるのですが、希釈して薄めることでパウダリーと表現される粉っぽさを感じる甘い香りになります。
現在は香料を採るためにジャコウジカを殺すことは禁止されていますので、天然のムスクは流通しておらず、合成して作られたムスクが香水などに使われています。
ただし、ムスク調の香りは、動物由来の香料だけが持っている香りであるため、天然香料を使う場合、動物から採取したものを使うしか方法がありません。
そこで、アンブレットシードを活用することで、香料採取のために動物を殺すことなく天然由来のムスク調の香りを楽しめるため、アンブレットシードは香水などに活用されています。
アンブレットシードの香料以外の活用法としては、中医学やアーユルヴェーダでは頭痛や消化器の不調などに対する生薬として、エジプトでは口臭予防に役立つスパイスとして活用されています(日本において精油は医薬品ではありませんので、医薬品として使用しないよう注意してください。)。
また、アンブレットシードはアジアや中東などの一部の地域では料理に加える香辛料としても活用されていると言われています。
アンブレットシード精油の特徴
アンブレットシード精油の抽出方法
アンブレットの種を水蒸気蒸留して精油を抽出したものと、エーテルなどの有機溶剤を使用して抽出したものがあります。有機溶剤を使用して抽出したものはアンブレットシード アブソリュートと呼ばれます。
有機溶剤を使用して抽出したアンブレットシードアブソリュートは一昔前は溶剤の残留も多く、混ざり物なしの天然の状態を良しとするアロマセラピーにおいては敬遠される傾向にありました。
しかし、現在は技術が進み、精油に微量な有機溶剤が残留している可能性はありますが、あまり気にする必要はないと言われています。
ただし、有機溶剤抽出は、アロマの世界ではなるべく肌には使わない、という考えがあります。肌には付けないようにしてください。
香りを楽しむだけであれば、どちらの精油でも問題ありません。
アンブレットシード精油を買う時の注意
アンブレッドシードは生産量が少なく、非常に高価な精油のため、アンブレットシードに天然のアンブレットリドではない合成のアンブレットリドを混ぜた偽物が販売されていると言われています(アンブレットリドはアンブレットシードの成分です)。
ただしアンブレッドシードは、香りがとても強く、濃度が濃いと悪臭と感じられるので、本物であっても希釈するために、あらかじめアルコールなど、精油以外の成分が入った状態で販売されています。
アンブレッドシードの精油を購入する際は、店頭であれば店員さんに天然かどうか確認し、オンラインであれば成分表記を確認し(精油のラベルなどに何を使用して何パーセントに希釈してあるのか、ということが明記されています。)、偽物に注意して購入するようにしてください。
アンブレットシード精油の香りの特徴
精油のアンブレッドシードは、濃厚で官能的な甘い香りです。
その甘さはパウダリーと表現され、優雅で女性らしい、高級な外資ブランドのフェイスパウダーを連想させ、動物性香料であるムスクの持つ香りに似ています。
アンブレットシード精油の香料・原料データ
英名 | Ambrette seed |
学名 | Abelmoschus moschatus |
科名 | アオイ科 |
産地 | インドネシア、インド、西インド諸島、フランスなど |
精油の抽出部位 | 種子 |
ノート * | ミドル~ベース |
精油の主な成分 | アンブレットリッド、酢酸ファルネシル、酢酸ドデシル、ファネソールなど |
ブレンド相性 | ベルガモットなどの柑橘系、ジャスミンやイランイランなどの花の香りと相性が良いです。 |
禁忌・注意 | 妊娠中の方は使用を控えてください。 エストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
アンブレットシード精油の使い方・活用法
アンブレッドシード単体だけでも活用できますが、他の精油を加えることで、より効果的に活用でき、芳醇な香りを楽しむことができますので、おすすめのブレンドレシピも合わせて紹介しますので、基本のレシピに足して使ってください。
なおアンブレットシードは香りの強い精油ですので、ブレンドするときは主役にするよりは、少量加えてほのかに感じる程度にしたほうがバランスをとりやすいです。
レシピを活用する際は、アンブレッドシードの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じたり、肌に合わないと感じた場合は使用を中止してください。
・芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
アンブレットシード・・・2滴
コットンに精油のアンブレットシードを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。アロマデフューザーを使う場合はそれぞれの取り扱い説明書の内容に沿ってご活用ください。
【おすすめのブレンド】
ジャスミン・・・1滴
ジャスミンは妊娠中の方、エストロゲンが原因で悪化する持病のある方は使用を控えてください。
・ルームスプレー
気分を変えたい時、空間に数回スプレーしてください。スプレーは、その都度、瓶をよく振って使ってください。香りを楽しむことを目的にしていますので、肌につけるには少し濃い濃度となっています。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
アンブレッドシード・・・2滴
無水エタノールに精油のアンブレットシードを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ベルガモット(フロクマリンフリー)・・・4滴
ベルガモットは不安を軽減することや、気持ちを明るくさせることに役立つ精油です。ブレンドすることで、より前向きな気持ちになることが期待できます。ベルガモットにはフロクマリンという強い光毒性のある成分が含まれていますので、フロクマリンフリーの表記のある精油の使用をおすすめします。
なお、フロクマリンフリーではないベルガモットをブレンドする時は、夜に使用するか、日焼け止めを塗る、紫外線カットの長袖を着るなどの対応が必要になります。
アンブレットシード精油の禁忌・注意点
・妊娠中の方、エストロゲンが原因で悪化する病気をお持ちの方
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンに影響を与えると言われています。妊娠中の方、子宮筋腫などエストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。
・肌への使用について
肌に対して刺激性、毒性のある成分は含まれていませんが、肌に塗布して使うことに関するデータは少ない精油です。活用する際は、肌に塗布する使い方ではなく、香りを活用する目的でのみ使用してください。