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ラバンジン(ラバンディン)はヨーロッパで真正ラベンダー(イングリッシュラベンダー)とスパイクラベンダーが自然交配して生まれた植物です。
複数の品種がありますが、精油として流通している代表的な品種はラバンジンアブリアル、ラバンジンスーパー、ラバンジングロッソです。
これらから採れる精油は香りや成分に若干の違いはありますが、精油を扱う際の禁忌事項に違いはありません。
ラバンジン精油はフローラルな香りとシャープな草の香りを併せ持っており、リフレッシュしたい時や精神的な疲労をとりたい時に役立つ精油とされています。
ここではラバンジン(ラバンディン)とはどのような植物か?ラバンジン(ラバンディン)の精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
ラバンジンってどんな植物?
ラバンジンはヨーロッパで発見されたラベンダーの交配種で、現在はヨーロッパ各地で栽培され、主産地はフランスです。
草丈は60~100㎝程度で、他のラベンダーの品種と比べると大型で、暑さ寒さに強く、とても丈夫です。
葉は明るい緑色で細長い形をしています。
茎は地面に近いところから分岐して伸びていき、こんもりとした半球状の株に成長します。若い茎は緑色で表面に産毛のような白い毛が生え、根元に近い古い茎は茶色で木のような質感になっています。
花は茎の先端部の花穂(カスイ)と呼ばれる部分に、稲穂のような形に集合して複数咲きます。
ラバンジンは他のラベンダーに比べると花穂が長く15㎝に達するものもあり、より多くの花を咲かせます。
花の色は紫色、形は唇形(シンケイ)と呼ばれる形で、筒状の花びらが上下に分かれた形をしています。
ラバンジンの使い方・活用法の歴史
ラバンジンが最初に発見された年代は不明ですが、ヨーロッパで発見されてから主に香料原料として活用されていました。
ラバンジンはラベンダーの一種ですが、ラベンダー精油の原料となる真正ラベンダーに比べると丈夫で育てやすく、収油率(植物から精油が採れる割合)も高かったため、人気香料のラベンダー精油に似た香りでありながら、安価に入手できる精油として、ラベンダー精油の代わりとしたり、ラベンダー精油に混ぜたりして活用されていました。
1920年代にはラバンジンアブリアル、1930年頃にはラバンジンスーパーという品種が発見され、この2種がラバンジン精油の原料として主に活用されていました。
1972年になるとフランスでアブリアルやスーパーよりも丈夫で枯れにくい性質を持つラバンジングロッソが発見され、現在ではグロッソが最も多く栽培されています。
現在は世界各地で生活用品や香水用の香料、観賞用植物として活用されています。
ラバンジン精油の特徴
ラバンジン精油の抽出方法
ラバンジンの花と葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄黄色です。
ラバンジン精油の香りの特徴
ラベンダーに似たフローラルな香りに鼻に抜けるようなシャープな草の香りが加わったような香りで、ほんのりと樟脳の香りも感じられます。
ラバンジンスーパーが最も甘みが強く、ラベンダーに近い香りです。
ラバンジン精油の香料・原料データ
英名 | Lavandin ラバンジン、ラバンディン |
和名 | – |
学名 | Lavandula hybrida ラウァンドゥラ ヒュブリダ Lavandula×intermedia ラウァンドゥラ インテルメディア |
別名 | ラバンジンアブリアル、ラバンジンスーパー、ラバンジングロッソ ラベンダーアブリアル、ラベンダースーパー、ラベンダーグロッソ |
科名 | シソ科 |
産地 | フランス、イタリア、スペインなど |
精油の抽出部位 | 花と葉 |
ノート * | トップ~ミドル |
精油の主な成分 | リナロール、酢酸リナリル、カンファー、1.8シネオール、テルピネン-4-オール、ボルネオール、酢酸ラバンデュリルなど |
ブレンド相性 | ジャスミンなどフローラル系の香りやオレンジ・スイートなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
ラバンジンの活用法
ラバンジンだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、ラバンジンの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
ラバンジン・・・2滴
コットンに精油のラバンジンを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ジャスミン・・・1滴
ジャスミンは分娩を促進する可能性がありますので妊娠中の方は使用を控えてください。
また、女性ホルモンのエストロゲンの分泌に影響を与える可能性がありますので、子宮筋腫などエストロゲンの分泌の変化により悪化する病気のある方は使用を控えてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ラバンジン・・・5滴
無水エタノールに精油のラバンジンを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
オレンジ・スイート・・・8滴
オレンジ・スイートは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ラバンジンの禁忌・注意点
・妊娠中、授乳中の方、小児への使用
ラバンジンには神経毒性が示唆されているケトン類が少量含まれています。
妊娠中、授乳中、小児への使用は控えてください。
・てんかん発作を起こしたことのある方
ラバンジンはてんかん発作を誘発する可能性があります。てんかん発作を起こしたことがある方は使用を控えてください。