ホップ(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

[本ページはプロモーションが含まれています]

ホップは緑色の松ぼっくりのような形の花を咲かせるツル性の植物です。

名前の語源はラテン語で地面という意味のHumus(フムス)で、ツルが地面をほふくする様子から名づけられたと言われています。

ホップというとビール原料というイメージがありますが、中国やインド、ヨーロッパでは伝統的に、不眠を改善することや、心を鎮静させることに役立つ薬草として活用されてきた歴史があります。

精油としてはマイナーで、あまり流通してはいませんが、心を鎮めたいときに役立つ香りだと言われています。

ここではホップとはどのような植物か?ホップの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

スポンサーリンク

ホップってどんな植物?

ホップは西アジア原産のツル性の植物で、現在は北半球の温帯気候地域に広く分布しています。

日本では北海道から甲信越地方で栽培が行われており、主産地は岩手県です。

ホップのツルは8m程度、葉は明るい緑色で、形は三つ葉のようなものや、ハート形のようなものがあり、周囲はノコギリの歯のようにギザギザとしています。

ホップは雄花だけが咲く雄株と雌花だけが咲く雌株がある雌雄異株(シユウイシュ)という植物です。

雄花は黄緑~薄黄色で、小花がブドウの房のような形に連なって咲きます。

雌花は薄緑色で、毛糸のような形の花びらの花が咲きます。徐々に花の根元部分が大きくなっていき毬花(まりはな、きゅうか)と呼ばれる緑色の松ぼっくりのような姿になります。毬花の中央にはルプリンと呼ばれる黄色い粉のようなものが付着しています。

ルプリンはビールの苦みや香りの素であり、ビールが濁ることを抑え、泡立ちを助ける働きがあります。

雌花が受粉すると種ができますが、受粉した花は風味が落ち、ビールには使えなくなるので栽培する際は受粉しないように雌株だけで栽培されています。

ホップの使い方・活用法の歴史

ホップがいつから活用されているかは不明ですが、8世紀頃にはアジアからヨーロッパに伝わったと言われており、鎮静作用や育毛効果がある薬草として活用されていたそうです。

12世紀になると風味付けや防腐を目的としてビールに入れられるようになります。

ホップ入りのビールが一般的に知られるようになったきっかけは、ルプレヒトベルグ女子修道院のヒルデガルディス院長がホップ入りビールを作ったことではないか、またその際に、ルプレヒトベルグ女子修道院の修道女であり、ドイツ薬草学の祖と言われているヒルデガルド・フォン・ビンゲン(1098~1179)が、修道院でビールを醸造する時の様子を記録したり、著書「自然学(フィジカ)」に「飲料に加えると腐りにくくなり、長時間保存できるようになる」とホップの特性を記したことで、多くの人に情報が伝わったのではないかと言われています。

当時様々なハーブが防腐の目的で使われていましたが、その中でもホップの防腐効果は特に優れており、それまでは品質が保てないために不可能だったビールの長距離の輸送が可能になったと言われています。

18世紀になると、イギリスでインディアンペールエール(通称IPA)というビールが作られました。
IPAは、当時イギリスの植民地であったインドでもイギリスのビールを飲めるようにと開発されたビールで、防腐効果を高めるために通常のレシピより大量にホップが入っており、イギリスからインドまで品質を保ったまま輸送可能であったそうです。

日本でホップが活用されるようになったのは明治時代、北海道開拓が始まった頃からだと言われています。

開拓が始まる時に、日本政府が招聘したアメリカの化学者トーマス・アンチセルが、地質調査の時に野生のホップを発見し、北海道の気候、土壌でホップを栽培することは可能だと判断し、商業的な栽培が開始されたのだそうです。

その後栽培地は拡大し、キリンビールが開発したIBUKI(イブキ)、サッポロビールが開発したソラチエースなど数多くの品種が作られています。

現在は世界各地で主にビールの原料として活用されています。ハーブ療法にも活用されており、リラックスや不眠の改善を目的としたサプリメントや、育毛を目的とした製品も販売されています。

日本では、大手ビール会社のキリンが2000年から研究、開発した熟成ホップ成分が配合された、体脂肪の減少と認知機能の向上を謳ったサプリメントが販売されています。

ホップ精油の特徴

ホップ精油の抽出方法

ホップの毬花から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄い黄色~薄いオレンジ色です。

ホップ精油の香りの特徴

干し草の香りに甘さが加わったような香りです。ほんのりとスパイスのような香りも感じられます。

ホップ精油の香料・原料データ

英名Hop、Hops ホップ
和名西洋唐花草 セイヨウカラハナソウ
学名Humulus lupulus フムルス ルプルス
別名
科名アサ科
産地アメリカ、フランス、ドイツなど
精油の抽出部位毬花
ノート *ミドル
精油の主な成分フムレン、β-ミルセン、α-カリオフィレン、リナロールなど
ブレンド相性カモミールローマンなどフローラル系の香りやカルダモンなどスパイス系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

スポンサーリンク

ホップの活用法

ホップだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

またレシピを活用する際は、ホップの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
ホップ・・・2滴

コットンに精油のホップを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
カルダモン・・・1滴

カルダモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ホップ・・・8滴

無水エタノールに精油のホップを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
カモミールローマン・・・3滴

カモミールローマンは文献によっては通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月目くらいまで)の方は使用を控えてください。
キク科の植物ですので、ブタクサなどキク科に対するアレルギーをお持ちの方は使用を控えてください。

ホップの禁忌・注意点

・妊娠中の方
ホップに含まれるカリオフィレンは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの分泌の変動は妊娠の維持、出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。

・うつ症状のある方
ホップはうつ症状を悪化させる可能性があるとされていますので、うつ症状のある方は使用を控えてください。

・敏感肌の方
ホップは皮膚刺激の強い精油とされていますので、敏感肌の方は使用を控えてください。

・授乳中の方
ホップは文献によっては授乳中の使用が禁忌となっていますので、授乳中の方は使用を控えてください。


ホップ・エッセンシャルオイル10ml
100% 無添加
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

スポンサーリンク

タイトルとURLをコピーしました