セイボリー(アロマ精油・エッセンシャルオイル)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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植物のセイボリーはキダチハッカ属の総称で、おおよそ30種類ほどの品種があります。

その中で料理用ハーブや精油として活用されているのはウインターセイボリーとサマーセイボリーという品種です。

どちらのセイボリーも料理用ハーブ、精油として活用されていますが、料理用ハーブとしてはサマーセイボリーが、精油としてはウインターセイボリーが使われることが多いです。

ウインターセイボリーやサマーセイボリーから採れる精油の特徴はフェノール類という成分が多く含まれていることです。

この成分は殺菌消毒の働きが期待される成分ですが、皮膚刺激や肝臓への負担などが懸念される成分でもあるため、使用には注意が必要です。

ここではセイボリーとはどのような植物か?セイボリーの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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セイボリーってどんな植物?

ウインターセイボリーは多年草、サマーセイボリーは一年草の植物で、ともに地中海沿岸地域が原産です。

どちらのセイボリーも草丈は30㎝~60㎝程度、葉は細長く先が尖った形をしており、花の大きさは1㎝位で、ランの花のような形をしています。花の色は、ウインターセイボリーは白~薄紫、サマーセイボリーはピンクです。

茎は細くまっすぐに伸び、根元に近い部分の茎の表面は木の皮のように堅くなっています。

セイボリーの使い方・活用法の歴史

セイボリーの活用の歴史については、現在以外の情報についてはウインターセイボリーとサマーセイボリーが混同されているため、2つを区別せずセイボリーとして紹介していきます。

セイボリーは古代ギリシャ時代から料理につかうハーブとして活用されていました。特に豆料理と相性が良いとされ、豆のハーブと呼ばれていたそうです。

また薬草としても活用されており、16世紀に刊行されたバンクスの本草書(薬物についての知識をまとめた書)というハーブの本には、胃腸薬や催淫薬としての効果があると紹介され、17世紀に活躍した薬剤師のニコラス・カルペパーは目のかすみや耳鳴りの改善に良いハーブとしていたそうです。

また、胡椒が高価であった大航海時代(15~17世紀)には胡椒の代用品としても活用され、ペッパーハーブと呼ばれていたそうです。

日本には明治時代に伝わったと言われています。どのような薬効が期待されていたかは不明ですが、大正時代には薬用目的で栽培されていたそうです。

現在はウインターセイボリー、サマーセイボリーともに世界各地で主に料理用ハーブ、香料として活用されています。特にフランス料理には欠かせないハーブであり、料理の風味付けに使うブーケガルニ(ハーブを束ねたもの)やエルブ・ド・プロバンス(複数のハーブをブレンドしたもの)に配合されています。

セイボリー精油の特徴

セイボリー精油の抽出方法

ウインターセイボリー、サマーセイボリーともに葉や花、茎から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は無色~薄い黄色です。

セイボリー精油の香りの特徴

ウインターセイボリーもサマーセイボリーもハッカの香りに、少し消毒薬のような香りが合わさった香りです。ウインターセイボリーのほうがより薬っぽい、シャープな香りで、サマーセイボリーのほうがマイルドで優しい香りです。

セイボリーの香料・原料データ

ウインターセイボリー

英名Winter savory ウインターセイボリー
和名木立薄荷 キダチハッカ
学名Satureja montana サツレジャ モンタナ
別名マウンテンセイボリー、サリエット
科名シソ科
産地フランス、アルバニアなど
精油の抽出部位全草
ノート *トップ~ミドル
主な成分カルバクロール、パラシメン、ボルネオール、γ-テルピネオール、α-テルピネオール、チモールなど
ブレンド相性シルバーファーなど樹木系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。

サマーセイボリー

英名Summer savory サマーセイボリー
和名木立薄荷 キダチハッカ
学名Satureja hortensis サツレジャ ホルテンシス
別名サリエット
科名シソ科
産地フランス、アルバニア、スペインなど
精油の抽出部位全草
ノート *トップ~ミドル
主な成分チモール、カルバクロール、p-サイメン、γ-テルピネン、β-カリオフィレン、ボルネオールなど
ブレンド相性ラベンダーなどフローラル系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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セイボリーの活用法

セイボリーだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。レシピはウインターセイボリー、サマーセイボリー共通です。

またレシピを活用する際は、セイボリーの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。

精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。

芳香浴

精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。

【レシピ】
セイボリー・・・1滴

コットンに精油のセイボリーを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。

【おすすめのブレンド】
シルバーファー・・・2滴

シルバーファーは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

ルームスプレー

部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
セイボリー・・・3滴

無水エタノールに精油のセイボリーを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・10滴

グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。

セイボリーの禁忌・注意点

・妊娠中、授乳中の方や小児、乳幼児への使用
セイボリーに多く含まれるカルバクロールやチモールはフェノール類という成分で、皮膚刺激が強く、肝臓に負担をかける可能性があるとされています。妊娠中、授乳中の方、小児、乳幼児への使用は控えてください。

・皮膚への使用について
セイボリーには皮膚刺激を与える成分が多く含まれていますので、肌につける使い方は控えてください。

・長期連用について
セイボリーは長期的に使用すると肝臓に負担をかける可能性がありますので、連用は二週間程度に留めてください。

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