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ベイローレルは日本では月桂樹の名前で親しまれている常緑樹です。
ベイローレルの葉は洋風の煮込み料理にはかかせないハーブで、日本でも家庭料理にも使われている馴染みのあるハーブです。
ベイは英語で湾や入り江を意味するBay(ベイ)、ローレルはケルト語で緑を意味するLaur(ラウル)が語源となっており、ベイローレルが地中海沿岸の海に近い地域に多く生息している常緑樹であることから名付けられたと言われています。
精油はハーブに比べると、ややマイナーな存在ですが、ハーブよりも爽やかで、甘みも強く、シナモンを連想させるようなスパイシーさも感じられ、食欲がない時や、気力がない時に役立つ香りだとされています。
ここではベイローレルとはどのような植物か?ベイローレルの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
ベイローレルってどんな植物?
ベイローレルは地中海沿岸原産の常緑樹で、現在はアメリカやヨーロッパにも分布しています。
樹高は15m程度、樹皮は若い枝は緑色ですが、成長するにつれ灰色になります。樹皮の表面には皮目(ひもく)と呼ばれる小さな穴がたくさんあります。
葉は長さ10㎝程度、先端の尖った楕円形で、側面は波打つような形をしており、葉の付け根の部分に、薄黄色~白色の小さな花が複数咲きます。
ベイローレルは雄花だけが咲く木(雄株)と雌花だけが咲く木(雌株)がある雌雄異株(シユウイシュ)という種類の植物です。
雄株と雌株が揃っている場合にのみ受粉が行われ、花が終わった後に丸い果実が実ります。果実は未熟な時期は緑色ですが熟すと黒色になります。
ベイローレルの使い方・活用法の歴史
ベイローレルは古代ギリシャ時代には太陽神アポロンの聖樹として扱われており、アポロンが詩歌の神、芸術の神であることから、優れた詩人にベイローレルの冠を与えて称える風習があったそうです。
古代ローマ時代になると詩人だけではなく、競技の勝利者など優れた功績を残した人にベイローレルの冠が与えられるようになったそうです。
この風習は中世ヨーロッパになると、冠を与えるのではなく、ベイローレルの冠を与えられた詩人、という意味のPoet laureate(ポエット ローリイット)という称号を与えるという形に変わりました。
「神曲」の作者であるイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリや「茨」や「ルーシー詩編」の作者であるイギリスの詩人ワーズワースなど著名な詩人たちがこの称号を授与されています。
Poet laureateは日本では桂冠詩人(ケイカンシジン)と訳されており、日本では1981年に池田大作さんが称号授与されています。
日本にベイローレルの木が伝わったのは明治時代頃と言われています。
当時は主に庭木や公園樹として活用されており、日本最古の学校と言われる足利学校には、明治時代に日本海軍の東郷平八郎、伊東祐亨、上村彦之丞が日露戦争勝利の記念に植樹したベイローレルがあり、今も大切に育てられています。
現在は世界各地で庭木、公園樹、料理用ハーブ、香料として活用されています。
ベイローレル精油の特徴
ベイローレル精油の抽出方法
ベイローレルの葉や小枝から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄黄色~薄黄緑色です。
ベイローレル精油の香りの特徴
爽やかな草の香りに、甘みとスパイシーさが加わったような香りです。
ベイローレル精油の香料・原料データ
英名 | Bay Laurel ベイローレル |
和名 | 月桂樹 ゲッケイジュ |
学名 | Laurus nobilis ローラス ノビリス |
別名 | ローレル、ローリエ、スイートベイ、トゥルーベイ |
科名 | クスノキ科 |
産地 | オーストリア、トルコ、モロッコ、スペインなど |
精油の抽出部位 | 葉、小枝 |
ノート * | トップ |
精油の主な成分 | 1.8-シネオール、リナロール、酢酸テルピニル、α-ピネン、β-ピネン、サビネン、メチルオイゲノールなど |
ブレンド相性 | カルダモンなどスパイス系の香りやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
ベイローレルの活用法
ベイローレルだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、ベイローレルの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
ベイローレル・・・2滴
コットンに精油のベイローレルを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
カルダモン・・・1滴
カルダモンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ベイローレル・・・7滴
無水エタノールに精油のベイローレルを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・6滴
グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ベイローレルの禁忌・注意点
・敏感肌の方
ベイローレルには1.8-シネオールなど皮膚刺激を与える可能性のある成分が複数含まれていますので、敏感肌の方は使用を控えてください。
・妊娠中、小児への使用
ベイローレルに含まれるメチルオイゲノールは多量に使うと神経毒性を示す可能性があります。
ベイローレルにこの成分は少量しか含まれておらず危険性が高いわけではありませんが、念のため、妊娠中の方や小児への使用は控えてください。