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シソという名前は「食中毒で死にかけていた若者に、たまたま通りかかった医者がシソを煎じた紫色の薬を飲ませたら食中毒が治った(蘇った)」という中国の昔話が由来となっており、紫色の蘇りの薬、という意味で紫蘇(シソ)と名付けられたと言われています。
そのため、シソは元々は、食中毒や咳止めに効く薬用植物として活用されていました。
が、現在は、薬味など食用として使うことが主流で、日本人にはとても馴染みが深く、人気の高いハーブです。
一方、シソの葉や茎からシソの葉の清々しい香りを持つ精油が採れますが、アロマセラピーや香料としてあまり活用されてはいませんでした。
しかし、近年和精油が注目されるようになり、シソ精油も徐々に活用されるようになってきました。
ここでは紫蘇(シソ)とはどのような植物か?紫蘇(シソ)から採れた精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
紫蘇(シソ)ってどんな植物?
シソは日本、中国、韓国、ベトナムなど東南アジア地域に分布しています。
日本の気候や土壌に適した植物で、日本各地で栽培が可能です。
種や苗はホームセンターなどで簡単に入手でき、地植えでも鉢植えでも育てることができます。
種まきは4月~5月頃で、収穫時期は7月~10月頃です。草丈が30㎝位になったら葉の収穫をすることができます。
丈夫で育てやすい植物ですが、乾燥にはあまり強くないので土が乾く前に水をあげる必要があります。
原産は中国で、シソ科の一年草です。草丈は80㎝程度で、8月~9月頃にピンク色の小さな花を咲かせます。
葉は丸みのある形で、ふちにギザギザとした切れ込みがあります。
葉の色が緑色のものは青じそ、大葉と呼び、赤いものは赤じそ、色に関わらず葉の表面が縮れた形をしているものをちりめんじそと呼びます。
紫蘇(シソ)の使い方、活用法の歴史
シソは原産地である中国では古くから薬用植物として活用されていました。
いつから活用されているか不明ですが、三国志に登場する華佗(かだ)という医者がシソを食中毒の薬として使っていたと言われており、三国志の舞台となっているのは後漢時代(25~220年)の末期頃ですので、その頃には薬用植物として活用されていたのではないかと考えられています。
現在も中医学ではシソの葉は紫蘇葉(しそよう)、種は紫蘇子(しそし)という漢方薬として風邪薬や利尿薬として活用されています。
日本には中国から伝わったとされています。
伝来した年代は不明ですが、縄文時代(約12000年前~2500年前頃)の遺跡とされる福井県の鳥浜貝塚からシソの種が発掘されており、その頃には日本に存在していたと考えられています。
また、10世紀頃、平安時代になると、シソの葉は咳止めの薬として、シソの種から採取した油は照明用の灯火を焚く油として使われていたと言われています。
また、当時書かれた「延喜式(えんぎしき)」という書物にはシソを栽培していた、という内容が記載されています。
さらに、17世紀頃、江戸時代になると、当時書かれた「農業全書」という書物に「梅漬けやしほみそ(塩味噌)につけたものはさまざまな料理に使え」など食用としての活用法が記載されています。
現在日本ではそのまま食材としたり、ドレッシングなどの加工品にするなど、主に食用として活用されています。
紫蘇(シソ)精油の特徴
紫蘇(シソ)精油の抽出方法
紫蘇(シソ)の葉と茎から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。
紫蘇(シソ)精油の香りの特徴
赤紫蘇(しそ)のスッキリとした爽やかな香りです。
紫蘇(シソ)精油の香料・原料データ
英名 | Perilla |
和名 | 紫蘇 |
学名 | Perilla frutescens ペリラ フルテッシャンズ |
別名 | ジャパニーズバジル |
科名 | シソ科 |
産地 | 日本、中国など |
精油の抽出部位 | 葉、茎 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | ペリラアルデヒド、リモネン、β-カリオフィレンなど |
ブレンド相性 | ジュニパーベリーやグレープフルーツなど柑橘系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早く持続時間は短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
精油シソの特徴
精油のシソはシソの葉や茎の部分から水蒸気蒸留法で抽出され、色は淡い黄色、シソの葉のような清々しい香りがします。
精油のシソは青じそ、赤じそ、ちりめんじそが原料となりますが、いずれのシソを原料としても成分や色、香りに大きな差はありません。
シソ独特の香りの素となっているのは全成分の約半分を占めているペリラアルデヒドという成分です。この成分は皮膚刺激の強い成分でもあるためシソ精油は皮膚につける使い方には適していません。
紫蘇(シソ)の精油としての活用法
シソだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
なお、レシピを活用する際は、シソの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
シソ・・・2滴
コットンに精油の紫蘇(シソ)を垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。アロマデフューザーを使う場合はそれぞれの取り扱い説明書の内容に沿って使用してください。
【おすすめのブレンド】
ジュニパーベリー・・・2滴
ジュニパーベリーは通経作用があるとしている文献もありますので、妊娠中の方は使用を控えてください。また、腎臓に負担をかける可能性がありますので腎臓に持病のある方は使用を控えてください。
ルームスプレー
空間にスプレーすることで、速やかに香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってから使ってください。
スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
シソ・・・5滴
無水エタノールに精油の紫蘇(シソ)を混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・7滴
グレープフルーツの精油を肌につけて日光に当たると炎症を起こす可能性があります。精油は肌につけないよう注意してください。
紫蘇(シソ)の禁忌・注意点
シソ独特の香りの素となっているのは全成分の約半分を占めているペリラアルデヒドという成分ですが、この成分は皮膚刺激の強い成分でもあります。
そのため、精油のシソは皮膚につけないようにしてください。