イヌラ(イニュラ)アロマ精油・エッセンシャルオイルの香り、特徴、使い方、禁忌・注意点など

精油イヌラ(イニュラ)の香り、特徴、使い方、禁忌・注意点

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イヌラは樟脳に似た香りのする精油です。

イヌラはハーブとして有名で、ハーブとしては根茎や葉が利用されますが、精油は、花及び葉部を蒸留して抽出します。

ここではイヌラとはどのような植物か?使い方の歴史、イニヌラの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。

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イヌラってどんな植物?

イヌラはキク科オグルマ属の宿根草(※)です。

草丈は1m程度で、乾燥した日当たりの良い土地を好み、おおよそ6~8月にかけタンポポのような小さな黄色い花を咲かせます。葉も大きくしっかりしています。

茎も花も含めて芳香性を持ち、草全体が良い香りがします。

現在は世界中に分布し、フランスやモロッコが主な産地となっていますが、もともとはアジアが原産です。耐寒性、耐暑性ともに強く、放っておいても勝手に育つ強さがありますのでヨーロッパに伝播しました。

※多年生植物で、生育に適しない時期に地下部だけが生きのこり、生育時期になると地上部が発芽・開花する草。

イヌラの名前について

精油のイヌラと言えば、精油の原料となる学名がInula graveolensの植物を指しますが、イヌラという言葉は特定の植物の名前ではなくオグルマ属(イヌラ属)という属名を英語読みしたものです。

そのため、オグルマ属という意味で使ったり、他の近縁種の植物に対してイヌラという呼び方が使われることもあります。

そのため、ハーブとして使われている近縁種のエレキャンペーン(Inura helenium)など他のオグルマ属の植物と区別するために、Inula graveolensのことをスイートイヌラ、カンファーイヌラという名前で呼ぶことがあります。

オグルマ属(イヌラ属)の植物の使い方・活用法の歴史

イヌラと呼ばれる植物の使い方や活用法の歴史については、いくつか記述があるものの、オグルマ属のどの種類の植物についての情報なのかはっきりしていません。

使い方や活用法についてオグルマ属のどの種類かを確定することができませんので、精油の原料となるInula graveolensと同じオグルマ属に属する植物がどのように活用されてきたのかについて紹介します。

オグルマ属の植物の活用の歴史は古く、古代ギリシア時代にはすでに何らかの薬効があるハーブとして活用され、栽培されていたと言われています。

ヨーロッパでは中世に民間で活用されていました。この時代にヨーロッパで使われていたオグルマ属はエレキャンペーンで、根を胃腸の不調に役立つ薬として活用していたそうです。エレキャンペーンは日本には江戸時代に薬用植物として伝わり、土木香(ドモッコウ)と呼ばれ、肺疾患や胃腸の不調に効くとして使われていたそうです。

中国ではオグルマ属の花は旋覆花(センプクカ)、根の部分を旋覆花根(センプクカコン)として咳止めの生薬として活用しています。

近代ではオグルマ属の植物からイヌリンという成分が発見されました。イヌリンはキク科の植物に多く見られる水溶性食物繊維で、腸内環境を整える作用や血糖値の上昇を抑制する作用があり、健康づくりに役立つとしてサプリメントなどに活用されています。

イヌラ 精油の特徴

イヌラ精油の抽出方法

イヌラの花の咲いた状態の草を丸ごと使い、水蒸気蒸留法で精油を抽出します。

イヌラは緑色をした精油ですが、銅製の蒸留器を使用すると銅と化学反応を起こしターコイズブルーの精油になります。色による香りの違いは特にありません。

イヌラはどんな香り?香りの特徴

イヌラの香りはカンファー系と呼ばれる樟脳に似ています。

樟脳はクスノキから採れる無色透明の結晶で、鼻がスッと通るような特徴的な香りがしますので消毒や薬の香りに感じる人も多く、好みが分かれます。

イヌラのデータ

英名 Inula
学名 Inula graveolens
科名 キク科
産地 フランス、モロッコ、ブルガリアなど
精油の抽出部位 全草
ノート * ミドル
精油の主な成分 ボルネオール、酢酸ボルニル、カンフェン、β-カリオフィレン、リモネン、カンファーなど
ブレンド相性 レモンなどの柑橘系やペパーミントなどのハーブ系と相性が良いです。
禁忌・注意 キク科植物に対するアレルギーをお持ちの方は使用を控えてください。
敏感肌の方は使用を控えてください。
妊娠中の方は使用を控えてください。

*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。

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イヌラの使い方・活用法

イヌラだけでも作用はありますが、他の精油を加えることで香りが豊かになり、精油をより効果的に活用できます。

ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。

なおイヌラは香りの強い精油ですので、レシピの滴数を上限とし、まずは一滴から使用し、その後香りを確認しながら精油を追加してください。

レシピを活用する際は、イニュラの使用時の注意事項だけでなく、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないか確認してください。

なお、イヌラに含まれているカンファーはケトン類というグループの成分です。

ケトン類は少量であれば、神経毒性の症状は軽度ですみ、めまいのような不調感を感じる程度で大きな問題はないとされていますが、大量に吸収し神経毒性の症状が重症になると昏睡状態にまで陥るとされています。

さらに、ケトン類は体に長く留まりやすい成分といわれており、長期間の連用などにより慢性中毒となると、肝臓や腎臓にダメージを与えるとされています。

イヌラはケトン類を特に多く含有する精油ではありませんが、安全を考慮し連続しての使用は長くても一週間程度とし、1%以下に希釈して使用してください。

また、使用中に気分不快を感じたり、肌に合わないと感じた場合は、ただちに使用を中止してください。

・ルームスプレー

帰宅した時や、人が集まった後など、空気の清浄をしたい時に空間に数回スプレーしてください。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。

芳香を活用することを目的にしており、肌につけるには少し濃い濃度となっています。スプレーは肌につけないようにしてください。

【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
イヌラ・・・3滴

無水エタノールに精油のイヌラを混ぜ、精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体はスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。

【おすすめのブレンド】
ニアウリ・・・4滴

ニアウリは妊娠中の方、エストロゲンが原因で悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。

イヌラの禁忌・注意点

・キク科の植物に対するアレルギーがある方
イヌラはキク科の植物です。ブタクサなどキク科の植物に対するアレルギーをお持ちの方は使用を控えてください。

・敏感肌の方
イヌラに含まれるリモネンなどは皮膚に刺激を感じさせる場合があります。敏感肌の方は使用を控えてください。

・妊娠中の方
イヌラに含有されているβ-カリオフィレンは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。また、神経毒性が示唆されるケトン類が含有されています。安全のため妊娠中の方は使用を控えてください。


イニュラ 2g
アロマ 精油 エッセンシャルオイル

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