学名とは?生物学における動物や植物の学名の意味、二名法を解説

アロマ精油・エッセンシャルオイル

アロマセラピーで使う精油は、基本的には原料となる植物の名前がそのまま精油の名前となっています。日本のメーカーで買う場合であれば、ほとんどの場合は原料となる植物の英語読みの名前が精油の名前として英語やカタカナで記載されて販売されています。

ですが、このように特定の国の言葉で作られた名前では世界中の人が共通の認識を持つことはできません。

そのため、精油については原料となる植物の名前は日本語や英語などの名前ではなく、学名で判断することが基本です。植物の学名はラテン語で作られているため、名前や読み方を覚えることは大変ですが、アロマセラピーは世界各地で行われているため、各国の言語で名前が変わってしまうと精油を買う時や、精油について学ぶときに間違えてしまう可能性があります。

世界各国共通で、1つの植物に対して1つしか存在しない名前である学名を使うことで、誰もが共通の認識を持ち正しく精油を選ぶことができるため、精油の原料となる植物は学名で判断することが基本となっています。

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学名とは

学名は、どの国の人も共通の認識が持てるように作られた世界各国共通の植物や動物、鉱物などの名前です。

学名の作り方にはルールがあり、植物の場合は二名法というルールに従って作られています。

二名法はスウェーデンの生物学者で、分類学の父とも呼ばれるカール・フォン・リンネによって確立された命名法です。この二名法では左側に属名(生物学の分類の属の名称)、右側に種小名(その種の特徴を表す形容詞)をラテン語で表記するルールとなっており、全ての植物の学名はこのルールに従って作られています。

例として、ラベンダーであれば、英語の名前(英名)はラベンダー、日本の名前(和名)は薫衣草、学名はLavandula angustifolia(属名のLavandulaと種小名のangustifolia(「葉が細かい」という意味の形容詞))になります。

学名は1個体に1つですので、新種が出るたび新しく学名を作る必要がありますが、形容詞だけを変えることで違う学名が作れるシステムであれば、他のものと重複しない学名が簡単に増やせます。

属名の属、とは何か

学名には属名というものが使われていますが、属とは植物を分類する時に使う「階級」と呼ばれるカテゴリーの1つです。

階級には属以外にもドメイン、界、門、綱、目、科、属、種などがあります。この中ではドメインが最も大きいカテゴリーで右にいくにつれ小さくなり、種が一番小さいカテゴリーになります。

なお、ここで出てくる種と種小名は同じものではありません。

種小名とは学名をつける際にラテン語で表記される形容詞のことであり、種は交配できるかどうかという観点で分類されたカテゴリーです(種の定義については見解が分かれており定まってはおりません。)。

私達人間をこの階級に当てはめると、真核生物 動物界 脊椎動物門 哺乳綱 霊長目 ヒト科 ヒト属 ヒト種となります。

この階級にはもっと細かいカテゴリーもあり、とても複雑なのですが、アロマセラピーで情報として必要なものは科と属です。

科は基本的には外見的特徴が似ていたり、共通する祖先を持つもので構成されているカテゴリーですので、植物が何科なのかということを知ることで、どのような生態を持っていてどのような形の花をつけるのかなど、植物のおおまかな特徴を把握することができます。

アロマセラピーにおいては、その科の植物に共通する精油の作用や特徴を把握したり、アレルギーに関係しないかなどを判断する材料なります。属は学名の一部を構成しますので学名を覚える際に必要です。

先ほどと同じくラベンダーを例にしてこの階級に当てはめるとラベンダーはシソ科というカテゴリーの中にあるLavandula(ラヴァンドゥラ)という属に所属する植物、というようになります。

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