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クラリセージは草丈が1mにもなる大型の多年草です。
主にヨーロッパで活用されてきた植物ですが、草丈が高く、すらっと伸びた茎に多くの花が咲く姿が華やかで見栄えすることから、日本でも鑑賞を目的に植えられるようになってきました。
クラリセージ精油は甘い花の香りに酸味を加えたような、少し個性的な香りで、香りも強めです。好き嫌いがはっきりと分かれやすい香りとも言われていますが、不安を感じる時や生理前の気分の落ち込み、イライラの改善に役立つ香りとされています。
ここではクラリセージとはどのような植物か?使い方の歴史、クラリセージの精油の香りや特徴、作用、使い方・活用法、使用する時の注意点などについて紹介していきます。
クラリセージってどんな植物?
クラリセージはヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、高温多湿の環境には適していませんが、耐寒性に優れている植物です。
草丈は60㎝~100㎝程度、産毛のような毛が生えたハート形の葉を持ち、白や紫、ピンク色の花をつけます。
花は茎に近い方は筒状で、先端部は上下に分かれている唇形花(しんけいか)という形をしており、同じシソ科の野草、ホトケノザの花の形に似ています。


クラリセージ名前の由来
クラリセージのクラリは「明晰な、清浄な」という意味のラテン語clarus(クラルス)が由来であり、目が良くなる薬草であることから名づけられたのでは、と言われています。
セージとはシソ科のアキギリ属に属する植物であるという意味です。
クラリセージの使い方・活用法の歴史
クラリ―セージは主にヨーロッパ地域で活用されてきた植物です。
古代ヨーロッパでは心を穏やかにするハーブとして、宗教的儀式の前にお茶にして飲んでいたと言われています。
中世ヨーロッパになると、クラリセージは目の疾患に効果的な薬草として、「クリア アイ」や「キリストの目」と呼ばれ、種から採れる粘液が目ヤニ取りに、また、ビールの主原料の一つであるホップの代用品や、ワインの香り付けなどにも活用されていたそうです。
現在は主に香料や、観賞用として活用されています。
日本ではあまり活用されてきていませんでしたが、近年は精油やハーブ、観賞用植物として活用されるようになりました。
クラリセージ精油の特徴
クラリセージ精油の抽出方法
クラリセージの花と葉から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は薄い黄色~薄いオリーブ色です。
クラリセージ精油の香りの特徴
クラリセージはフローラルで甘い香りの精油です。甘さの中に、少しシソのような酸味を感じる香りです。
クラリセージ精油の香料・原料データ
英名 | Clary sage クラリセージ |
和名 | オニサルビア |
学名 | Salvia sclarea |
別名 | サルビア・スクラレア |
科名 | シソ科 |
産地 | ロシア、モロッコ、イギリス、フランスなど |
精油の抽出部位 | 花と葉 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | 酢酸リナリル、リナロール、β-カリオフィレン、スクラレオールなど |
ブレンド相性 | ベルガモットなどの柑橘系、ローズマリーなどハーブ系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
クラリセージの活用法
クラリセージだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
レシピを活用する際は、クラリセージの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
クラリセージ・・・1滴
コットンに精油のクラリセージを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ベルガモット・・・2滴
ベルガモットは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
クラリセージ・・・7滴
無水エタノールに精油のクラリセージを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ローズマリー・シネオール・・・5滴
ローズマリー・シネオールは神経毒性を持つケトン類が少量含まれていますので、妊娠中の方は使用を控えてください。月経過多、高血圧、てんかんの既往がある方も使用を控えてください。
入浴剤
精油の香りをお風呂で拡散させて楽しむ方法です。
【レシピ】
天然塩・・・30g
クラリセージ・・・1滴
計量した天然塩に精油のクラリセージを加えよく混ぜます。浴槽に入れたらお湯をよくかき混ぜてください。使用期限は1週間程度を目安とし、なるべく早く使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
ラベンダー・・・1滴
ラベンダーは通経作用があるとされていますので、妊娠初期(妊娠4か月位まで)の方は使用を控えてください。
クラリセージの禁忌・注意点
・妊娠中の方
クラリセージは、文献によっては通経作用があるとされていますので、妊娠中の方は使用を控えてください。
・過多月経の方
クラリセージは、月経量を増やす可能性があると言われていますので、過多月経の方は使用を控えてください。
・エストロゲンが原因で悪化する病気をお持ちの方
クラリセージに含まれるスクラレオールは女性ホルモンのひとつであるエストロゲンに影響を与える可能性があります。子宮筋腫などエストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。
・お酒を飲む時
クラリセージを使用時にアルコールを摂取すると、酔いが回る、具合が悪くなると言われています。詳しいメカニズムは不明ですが、念のためお酒を飲む時は使用を控えてください。