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ロータスとは複数の水生植物をさす名前で、一般的には蓮や睡蓮を指しますが、アロマセラピーでは蓮を指す場合が多いです。
ロータスは花から精油が採れ、花の色によってホワイトロータス、ピンクロータスと区別されて販売されていることもありますが、この2つの精油は使用上の注意事項に違いはありません。
どちらの精油も採油率(原料から精油が採れる割合)がとても低いため精油が高額で、アロマセラピーで使われることが少ないため流通量も多くはありませんが、心を落ち着かせたい時に役立つ香りと言われています。
ここではロータスとはどのような植物か?ロータスの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
ロータスってどんな植物?
ロータスの原産地ははっきりとわかっていませんが、インド原産という考えが一般的です。
沼地や水田のような場所に生息する水生植物で、温帯気候や熱帯気候の地域に分布しています。
草丈は100~150㎝、茎は水底から上に向かい、水面より高い位置まで伸びて、先端に葉や花をつけます。
葉の大きさは直径30~50㎝で円形です。葉の表面は撥水性がとても高く、葉にかかった水は丸い水滴となり転げ落ちてしまうため、沼地のような泥水のある環境で生育していても葉をきれいに保つことができます。
花の大きさは直径20㎝程度、色は白やピンク色で、花が終わると花の中央にカタクと呼ばれる種の集合体ができます。
カタクは蜂の巣のような形をしており、巣穴状に空いた穴の中にピーナッツのような形の実が実ります。
実が出来たばかりの頃は、実はカタクの穴にピッタリとはまっていますが、カタクが枯れるとカタクの穴から容易に外れるようになります。
水底の泥の中には根と地下茎があり、地下茎の一部は肥大化し蓮根となります。
ロータスの使い方・活用法の歴史
ロータスは約1億年前のものと思われる化石が北半球の国々で発見されている植物で、日本でも約1~2万年前の化石が見つかっています。
いつから活用されているのかはっきりしませんが、紀元前2500年頃から1500年頃のインダス文明時代の遺跡にロータスを髪につけた女神像が描かれており、その頃には宗教的な儀式に活用していたのではないかと考えられています。
また、いつからかは不明ですがロータスは仏教のシンボルとして扱われています。
仏教においてロータスは極楽に咲く花とされており、お釈迦様が座っている台はロータスの花になっており、死んだ人が極楽に仏として生まれ変わる時の場所もロータスの花の上だと説かれています。
ロータスは仏教の教えを広めることにも活用されており、仏となるために必要な心の在り方、生き方をロータスの花に例えて説明したものが妙法蓮華教と呼ばれています。
日本でいつから活用されていたか不明ですが、飛鳥時代に仏教が伝来してからは仏様の花、極楽の花として認識されるようになっていきました。
奈良時代に書かれたとされる常陸国風土記(ひたちのくにふどき)にはロータスの根(蓮根)は美味しい、薬効もあると書かれており、この頃には食用にしたり何らかの薬としていたと考えられています。
日本では現在もロータスの根を食用として様々な料理に活用しています。
特におせち料理には欠かせない食材となっており、その理由はロータスの根は中に空洞があるため輪切りにすると穴が開いていて、その穴から先が見えることから「物事の先が見える、見通しがきく」ということを連想させるからであるとか、1つの花からたくさんの種ができることが子宝や子孫繁栄を連想させるからだと言われています。
また、ロータスの実は疲労回復や心を落ち着かせることに役立つ生薬とされており、薬膳料理の食材としても活用しています。
現在世界各地では主に観賞用植物、香料として活用されており、エルメスのオードトワレ「ナイルの庭」やジョーマローンロンドンのフィグ&ロータスフラワーコロンなど高級香水に配合されています。
ロータス精油の特徴
ロータス精油の抽出方法
ロータスの花から有機溶剤抽出法か水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は焦げ茶色です。精油の抽出法によって色や使用上の注意事項に違いはありません。
ロータス精油の香りの特徴
上品な甘さの花の香りです。オリエンタルな香りと表現されることもあります。
ロータス精油の香料・原料データ
英名 | lotus ロータス |
和名 | 蓮 ハス |
学名 | Nelumbo nucifera ネルムボ ヌキフェラ |
別名 | 蜂巣(はちす)、蓮華(れんげ) |
科名 | ハス科 |
産地 | インド、ベトナムなど |
精油の抽出部位 | 花 |
ノート * | ミドル~ベース |
精油の主な成分 | テトラデカノール、ヘプタデカジエン、パルミチン酸メチルエステルなど |
ブレンド相性 | ネロリなどフローラル系の香りやフランキンセンスなど樹脂系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
ロータスの活用法
ロータスだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、ロータスの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
ロータス・・・1滴
コットンに精油のロータスを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ネロリ・・・1滴
ネロリは女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの変動は妊娠の維持や出産に関りますので妊娠中の方は使用を控えてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ロータス・・・2滴
無水エタノールに精油のロータスを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
フランキンセンス・・・5滴
フランキンセンスは使用上の禁忌事項はとくにありません。
ロータスの禁忌・注意点
・妊娠中の方
ロータス精油に危険性の高い成分は入っていないとされていますが、使用データなどの情報が少ない精油ですので、念のため妊娠中のかたは使用を控えてください。