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ラベンダー・ストエカスはラベンダーの一種で、ストエカスは原産地の1つであるストエカデス諸島(現在のイエール諸島)という地名が語源になっていると言われています。
ウサギのような形の可愛らしい花を咲かせることが特徴で、花から採れる精油は少し薬っぽいような、苦みのある草の香りがします。
ラベンダー・ストエカス精油は神経毒性を持つケトン類という成分を多く含んでおり日本のアロマセラピーではあまり使われていません。
ただ、極端に危険性が高いから使われていないということではなく、ラベンダーを使いたいならより安全な真正ラベンダー精油、似た香りや成分であればローズマリー・カンファー精油など、より認知度の高い精油のほうが積極的に使われていることが大きな理由です。
取り扱いに注意が必要な上級者向けの精油ではありますが、海外のアロマセラピーでは気持ちを前向きにしたい時や痰がらみの症状緩和を目的に使われています。
ここではラベンダー・ストエカスとはどのような植物か?ラベンダー・ストエカスの精油の香りや特徴、使い方・活用法や、使用する時の注意点などについて紹介します。
ラベンダー・ストエカスってどんな植物?
ラベンダー・ストエカスは地中海沿岸地域~北アフリカ原産の多年草で、現在はアメリカやオセアニア、日本でも栽培されています。
草丈は20~60㎝、茎は細く、地面付近から枝分かれしながら伸びていき、成長すると樹形は半球状になります。
茎の断面は四角形で、若い茎は緑色で表面に産毛のような細かい毛が生えています。
葉は緑~やや白っぽい緑色、幅は3㎜程度、長さは4㎝程度で、茎全体に生えています。
花は茎の先端に小さな花が楕円形に密集して咲き、花の集合体の上部から苞(ホウ)、または苞葉(ホウヨウ)と呼ばれる花びらのような見た目をした葉が数枚伸びています。
花の色は一般的には紫色ですが、白色の花のホワイトスパークラ―、ピンク色のキューレッドなどの品種があります。花の咲く回数も年1回~4回と品種によって違いがあります。
ラベンダー・ストエカスの使い方・活用法の歴史
古代ローマ時代にラベンダーが香り付けや殺菌効果を期待して入浴や洗濯につかわれていたと言われていますが、この時代にラベンダーと呼ばれて使われていたのはラベンダー・ストエカスではないかと言われています。
当時は薬草としても活用されており、ラベンダー・ストエカスをワインや酢に漬け込んだものを傷み止めとして活用していたそうです。
また、古代ローマ時代の医師であるディオスコリデスは自身の著書、薬物誌に「(ストエカスは)細い小枝を持つ薬草で、タチジャコウソウのような毛があるが、葉は長く、味は辛くてやや苦みがある。その煎じ汁はヒソップのように胸部の痛みに効く。これを解毒剤に配合しても有効である。」と書き残しているそうです。
現在は世界各地で主に園芸用植物として活用されています。
各地で品種改良が行われており、ヨーロッパだけではなくアメリカやオセアニア、日本でも新しい品種が作られています。
ドライフラワーやスワッグ(花で作る壁飾り)の材料、香水用香料としても活用されており、ジョーマローンロンドンのアンバー&ラベンダーコロンに配合されています。
ラベンダー・ストエカス精油の特徴
ラベンダー・ストエカス精油の抽出方法
ラベンダー・ストエカスの花(花穂)や茎から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。
ラベンダー・ストエカス精油の香りの特徴
青々とした草の香りに、ほんのり苦みや消毒のような香りが加わった香りです。
ラベンダー・ストエカス精油の香料・原料データ
英名 | Lavender Stoechas ラベンダー・ストエカス |
和名 | ー |
学名 | Lavandula stoechas ラヴァンドゥラ ストエカス |
別名 | フレンチラベンダー、スパニッシュラベンダー、ラワンドゥラストエカス |
科名 | シソ科 |
産地 | フランス、スペイン、ポルトガルなど |
精油の抽出部位 | 花(花穂)、茎 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | フェンコン、カンファー、リナロール、1.8-シネオール、α-ピネンなど |
ブレンド相性 | グレープフルーツなど柑橘系の香りやスペアミントなどハーブ系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
ラベンダー・ストエカスの活用法
ラベンダー・ストエカスだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
またレシピを活用する際は、ラベンダー・ストエカスの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
ラベンダー・ストエカス・・・1滴
コットンに精油のラベンダー・ストエカスを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
スペアミント・・・1滴
スペアミントは通経作用がある可能性がありますので、妊娠中の方は使用を控えてください。肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
ラベンダー・ストエカス・・・4滴
無水エタノールに精油のラベンダー・ストエカスを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
グレープフルーツ・・・8滴
グレープフルーツは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ラベンダー・ストエカスの禁忌・注意点
・妊娠中、授乳中の方、小児への使用
ラベンダー・ストエカスに含まれているフェンコンやカンファーは神経毒性が示唆されているケトン類という成分です。妊娠中、授乳中の方、小児への使用は控えてください。
・てんかん発作を起こしたことのある方
ラベンダー・ストエカスに含まれているフェンコンやカンファーは中枢神経を刺激し、てんかん発作を誘発する可能性があります。てんかん発作を起こしたことがある方は使用を控えてください。
・高濃度での使用、長期連用について
ケトン類は高濃度で使用するとめまいなどの症状を起こす可能性がありますので、レシピの濃度を上限として使用してください。また、長期間の連用により肝臓や腎臓にダメージを与えるとされていますので、連続しての使用は長くても一週間程度としてください。