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シダーウッドアトラスは古代エジプト時代にはすでに活用されていたと言われている植物です。
シダーウッドのシダー(Cedrus)という言葉は、ヒマラヤスギ属の学名で、ヒマラヤスギ属の樹木や、ヒマラヤスギ属に樹形が似ている樹木の名前に使われています。
このシダーという言葉の由来は、アラビア語で力を意味する「kedron」が語源であるという説や、セム語で霊的なパワーという意味を持つ言葉が語源であるという説があります。
シダーウッドアトラスが宗教的な儀式に活用されたり神殿作りに使われたとされているのは、霊的な力を持つ特別な木であると考えられていたからかもしれません。
その精油はアロマセラピーにおいても役立つ作用を多く持っているのですが、近年は原料となる樹木の減少により、環境保護の観点から積極的な使用は控える傾向にあります。
ここではシダーウッドアトラスとはどのような植物か?使い方の歴史、シダーウッドアトラスの精油の香りや特徴、作用、使い方・活用法やブレンドレシピ、使用する時の注意点・禁忌などを紹介します。
シダーウッドアトラスってどんな植物?
精油のシダーウッドアトラスが採れる植物は精油と同じ名前のシダーウッドアトラスですが、このシダーウッドアトラスは、アトラスシダー、ホワイトシダー、モロッコシダーウッドとも呼ばれているマツ科ヒマラヤスギ属の高木です。
樹高は40m程度、3㎝位の針のような形の葉をつけます。
シダーウッドアトラスは雄しべだけを持つ雄花と、雌しべだけを持つ雌花の2種類の花をつける雌雄異花の樹木で、花が終わると球果、いわゆる松ぼっくりを実らせます。
原産地は北アフリカのアトラス山地で、標高1200m~2800m程度の高地に自生しており、欧米では公園や庭木として植栽されています。
日本にも存在してはいるものの、その数は少なく、新宿御苑や小石川植物園(東京本園)など限られた場所でしか見ることはできないと言われています。
シダーウッドアトラスの使い方・活用法の歴史
植物のシダーウッドアトラスは古代エジプトでは化粧や香料、ミイラの防腐剤に活用されていたと言われています。
ミイラの防腐剤として使う時は、防腐作用があると考えられていたシダーウッドアトラスなど複数の芳香物質を混ぜたものに包帯を浸して、それをミイラに巻き付けたのだそうです。
古代ギリシャ、古代ローマにおいては宗教的な儀式に使う薫香、書物の虫食い予防に役立つ香りとして使われていたとされています。
また、シダーウッドアトラスは旧約聖書の中にも登場しており、ソロモン王が神殿を建てる時に建材として使った木だとされています。ただ、この旧約聖書の内容に関しては、建材に使われた樹木は近縁種であるレバノンシダーであるという説もあります。
シダーウッドアトラスはこのように古くから活用されてきた樹木ですが、近年では自生している樹木の数が減少し絶滅の危機に瀕しており、香料としても建材としても使用を控える傾向にあります。
シダーウッドアトラス精油の特徴
シダーウッドアトラス精油の抽出方法
シダーウッドアトラスの木部から水蒸気蒸留法で精油を抽出します。精油は淡黄色から琥珀色で、やや粘性があります。
シダーウッドアトラス精油の香りの特徴
シダーウッドアトラスは精油を嗅いだ瞬間はカンファー臭という少し薬のような香りがするのですが、カンファー臭は時間が経つと消え、その後は落ち着いた樹木の香りと、濃厚な甘い香りが感じられます。
少し個性的で、人によって好き嫌いが分かれやすい香りです。
シダーウッドアトラス精油の香料・原料データ
英名 | Cedarwood atlas シダーウッドアトラス |
和名 | アトラススギ |
学名 | Cedrus atlantica |
別名 | ホワイトシダー、アトラスシダー、モロッコシダーウッド |
科名 | マツ科 |
産地 | モロッコ、アルジェリア、ヒマラヤなど |
精油の抽出部位 | 木部 |
ノート * | ミドル~ベース |
精油の主な成分 | α-ヒマカレン、β-ヒマカレン、アトラントン、セドロール、カジネンなど |
ブレンド相性 | ベルガモットなどの柑橘系、サイプレスなどの樹木系の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
シダーウッドアトラスの活用法
シダーウッドアトラスだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
なおレシピを活用する際は、シダーウッドアトラスの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
シダーウッドアトラス・・・2滴
コットンに精油のシダーウッドアトラスを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ベルガモット・・・1滴
ベルガモットは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
シダーウッドアトラス・・・7滴
無水エタノールに精油のシダーウッドアトラスを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
サイプレス・・・5滴
サイプレスはエストロゲンという女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの分泌変動は妊娠の維持・出産に関わりますので妊娠中の方は使用を控えてください。
子宮筋腫などエストロゲンが影響を与える持病のある方も使用を控えてください。
シダーウッドアトラスの禁忌・注意点
・妊娠中、授乳中、小児、乳幼児への使用
シダーウッドアトラスの主な成分であるアトラントンは神経毒性が示唆されるケトン類というグループの成分です。安全のため、妊娠中、授乳中の方や小児、乳幼児への使用は控えてください。
・てんかん発作を起こすことのある方
シダーウッドアトラスの主な成分であるアトラントンは神経毒性が示唆されるケトン類というグループの成分で、てんかん発作を誘発する可能性があるとされています。シダーウッドアトラスはアトラントンの含有量がとても多いというわけではありませんが、安全のため使用を控えてください。
・敏感肌の方
敏感肌の方は、皮膚に刺激を感じる場合がありますので使用を控えてください。