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アンジェリカルートはアンジェリカというハーブの根(root)から採れる精油です。アンジェリカの種から取られたものはアンジェリカシードと呼ばれています。
アンジェリカルートの精油は根から抽出されていますので、香りは大地のようと表現され、またセクシーなムスク調の香りもしますので女性にも人気です。
ここではアンジェリカとはどのような植物か?名前の由来や使い方の歴史、さらにアンジェリカルートとはどのような精油なのか?精油の香りや特徴、使い方、使用時の注意点などについて紹介します。
アンジェリカってどんな植物?
アンジェリカとはヨーロッパ原産のセリ科の植物で、和名を西洋当帰といいます。アンジェリカは成長すると草丈は2m程になり、春~夏頃に少し緑がかった白い花を咲かせます。
アンジェリカはどの部位も活用できるハーブと言われており、その根や種は精油やリキュールの香りづけに、葉はお茶やサラダに、茎は砂糖漬けにされフルーツケーキのトッピングなどに使われています。また、香りの強い植物ですのでドライフラワーやポプリとして香りを楽しむこともできます。
なお漢方に当帰という生薬がありますが、当帰と西洋当帰(アンジェリカ)は同じセリ科シシウド属の植物ではありますが両者は別の植物です。漢方の当帰にアンジェリカは使われていません。
アンジェリカの名前の由来
「アンジェリカ」という名前はラテン語で大天使を意味する「Angelus」が由来であると言われています。
これは疫病が流行った時に、修道僧の夢に天使が現れて「アンジェリカには疫病を治す秘めた力がある」と教えてくれた、という話から名付けられたと言われています。
アンジェリカの使い方・活用法の歴史
アンジェリカの名前の由来となった夢のお告げをした天使は、悪魔祓い、悪魔を成敗する大天使ミカエルであると言われています。そのためアンジェリカは天使のハーブ、精霊の根、などと呼ばれ、体調の不良に使うだけではなく、悪魔払いのハーブとして使われていました。
中世ヨーロッパではアンジェリカはペストに対抗するために使われていたという説がありますが、当時はペストの原因は悪臭や悪魔の仕業と考えられていたので、薬効を期待して使われていたというより、悪臭を遮断することや、悪魔祓いとしてアンジェリカが使われていたのかもしれません。
なお17世紀頃に出された書物には、アンジェリカは感染症や傷の手当、痛風や喘息、消化不良の治療などに対して良いハーブであると紹介されています。
また、アンジェリカはお菓子やお酒の風味付けとしても活用されてきました。アンジェリカの茎は砂糖漬けにしてケーキや焼き菓子に彩りや風味をつけるために活用されました。
今もクリスタルアンゼリカという名前で、製菓コーナーなどで販売されています。
ただ、現在日本で販売されているクリスタルアンゼリカは、アンジェリカではなくフキを砂糖漬けにして緑色に着色したものがほとんどですので、日本でアンジェリカを使ったお菓子に出会う機会は洋菓子店以外では少ないかと思います。
アンジェリカを使った有名なお酒としてはベネディクティンドムがあります。
ベネディクティンドムはフランス産のブランデー(果実酒からつくった蒸留酒)をベースとするリキュール(蒸留酒に果実やハーブなどを加えて香味を移し、砂糖やシロップ、着色料などを添加して調製した混成酒)で、フランス発祥の世界最古の薬酒と言われており、アンジェリカをはじめ複数のハーブが漬け込まれ、感染症に対する抵抗力を高める強壮薬のような目的で使われていた、と言われています。
ベネディクティンドムは、日本でも購入可能です。
アンジェリカルート精油の特徴
アンジェリカルート精油の抽出方法
アンジェリカの根を乾燥させて、水蒸気蒸留法で精油を抽出します。色は無色~薄黄色です。
アンジェリカルート精油の香りの特徴
アンジェリカルートは、最初はスパイシーな香りや柑橘のようなフレッシュでシャープな印象の香りを感じますが、時間が経つと徐々に甘さや落ち着きのある香りに変化していきます(芳香分子の揮発する速さが違うので、時間によって香りが変わります。最初に揮発するのが早いトップノートの香りが感じられ、それから徐々に揮発するのが遅いミドル、ベースノートの香りが感じられます。)。
香りは強く、香りの持続時間も長いです。ブレンドするときは、主役というよりは香りの土台となるように、また量は他の精油より少なめに使うことでお互いの香りが引き立ちます。
アンジェリカルート精油の香料・原料データ
英名 | Angelica root |
和名 | ヨーロッパ当帰 |
学名 | Angelica archangelica |
科名 | セリ科 |
産地 | オランダ、ベルギー、ドイツなど |
精油の抽出部位 | 根 |
ノート * | ベース |
精油の主な成分 | α-ピネン、β-ピネン、α-フェランドレン、ミルセン、ベルガプテンなど |
ブレンド相性 | マンダリンやグレープフルーツなどの柑橘系、カモミール・ローマンやゼラニウムなど花の香りと相性が良いです。 |
禁忌・注意 | 妊娠中、授乳中の方は使用を控えてください。 敏感肌の方は使用を控えてください。 光毒性を持つ精油です。精油を肌につけたあとに紫外線に当たらないようにしてください。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
アンジェリカルート精油の使い方・活用法
アンジェリカルートの使い方・活用法を紹介します。
ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介しますので、基本のレシピに足して、使ってください。
精油は単体でも活用できますが、他の精油を加えることで香りが豊かになり、精油をより効果的に活用できます。
レシピを活用する際は、アンジェリカルートの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項の両方に該当する項目がないかどうか確認の上、活用してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じたり、肌に合わないと感じた場合は使用を中止してください。
・芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
アンジェリカルート・・・3滴
コットンに精油のアンジェリカルートを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。アロマデフューザーを使う場合はそれぞれの取り扱い説明書の内容に沿って使用してください。
【おすすめのブレンド】
クラリセージ・・・2滴
クラリセージは妊娠中の方、頻発月経、過多月経の方は使用を控えてください。また、子宮筋腫などエストロゲンが原因で症状が悪化する病気をお持ちの方は使用を控えてください。
・ルームスプレー
空間にスプレーすることで、速やかに香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってから使ってください。スプレーは肌にはつけないで空間に噴霧してください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
アンジェリカルート・・・5滴
無水エタノールに精油のアンジェリカルートを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
マンダリン・・・4滴
マンダリンは特に使用上の禁忌事項はありません。
・バスソルト
入浴時、バスソルト30gを浴槽に入れてよく混ぜてから入浴してください。長湯はかえって疲れてしまうこともありますので、40度くらいのお湯に15分程度浸かってください。敏感肌の方で刺激を感じた場合は、このレシピの量を2~3回に分けて使う(1回の入浴で10~15gお風呂に入れる)ようにしてください。
なお精油は、なるべく天然塩に混ぜてから湯船に入れてください。
精油をそのまま湯船に入れると、お湯にかき混ぜただけでは溶けないため、精油の原液が肌につき、皮膚刺激を感じることがあります。
天然塩に混ぜ、細かく分散されやすくしてから湯船に入れることで、より安全に使うことができます。
【レシピ】
アンジェリカルート・・・2滴
天然塩・・・30g
ボウルなどに天然塩と精油のアンジェリカルートを入れてよく混ぜます。何回かに分けて使う場合は、蓋のある容器に残ったバスソルトを入れて、風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管し、2~3日以内に使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
プチグレン・・・4滴
プチグレンは特に禁忌事項はありません。
アンジェリカルート精油の禁忌・注意点
・妊娠中・授乳中の方
通経作用があり、子宮を刺激する可能性のある精油ですので、妊娠中の方は使用を控えてください。授乳中の方も安全のため使用は控えたほうが良いとされていますので、授乳中の方も使用を控えてください。
・敏感肌の方
敏感肌の方は刺激を感じる場合があります。使用中に肌に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、ぬるま湯で洗い流してください。
・日中使用する時
アンジェリカルートには、肌につけて紫外線に当たると皮膚に炎症を起こす、光毒性という性質を持った成分が含まれています。紫外線の少ない夜に使用するか、日中に使用する場合は紫外線カットの服を羽織るなどUVケアをしっかりと行ってください。