精油(エッセンシャルオイル)のケモタイプ(Chemotype・化学種)とは?ケモタイプ精油紹介

アロマ精油・エッセンシャルオイル

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精油(エッセンシャルオイル)は天然植物から抽出される芳香成分の集合体です。
しかし天然物である以上、同じ植物から採れた精油でも、毎回まったく同じ香りや成分になるわけではありません。

ワインの味が産地や気候によって変わるように、精油もまた、植物が育つ環境によって香りや成分が変化します。

例えば、
・気温
・降水量
・日照時間
・標高
・土壌の性質
・栽培方法(栽培・野生)
・収穫時期
・蒸留条件
などによって、植物が作り出す芳香成分のバランスは大きく変わります。

一般にハーブは、開花直前から半開花頃にもっとも精油含有量が高くなるため、その時期に収穫されることが多いですが、収穫時期の違いだけでも香りは変化します。また、果実が未熟か完熟かによっても芳香成分は異なります。

さらに、生育地の標高によっても香りは変化します。例えばラベンダーは、標高が高くなるほど主要成分である酢酸リナリルが増加し、より甘く柔らかな香りになる傾向があります。野生ラベンダーと畑で栽培されたラベンダーでは、香りの力強さや複雑さに大きな違いが生まれます。

このように、精油は単なる「香り」ではなく、植物が育った自然環境そのものを反映した天然産物なのです。

 

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ケモタイプ(Chemotype・化学種)とは?

ケモタイプ(Chemotype)とは、同じ植物種であっても、生育環境の違いによって主要な化学成分が異なるタイプのことを指します。「Chemotype」は「化学的な型(タイプ)」という意味で、日本語では「化学種」と訳されます。

精油は植物が作り出す天然化学物質の集合体であり、その成分バランスは非常に繊細です。
植物学的には同じ種でも、主要な化学成分が異なと化学的には別の特徴を持つため、精油の作用・刺激性・用途が変わることがあります。

● ケモタイプが生まれる要因
植物の化学成分は、以下の環境条件によって大きく変化します。

・気候(気温・日照・降水量)
・土壌(pH・ミネラル・標高)
・栽培方法(野生・有機栽培など)
・収穫時期(開花前・開花中・果実の熟度)
・蒸留条件(温度・時間・乾燥状態)

これらの条件が異なると、植物が生成する芳香成分の比率が変わり、主要成分が異なる精油=ケモタイプが生まれます。

例えば同じローズマリーでも、
・1,8-シネオールが多いタイプ
・カンファーが多いタイプ
・ベルベノンが多いタイプ
では、香りも作用も大きく異なります。

そのため、ケモタイプ精油では学名の後ろに主要成分名を付けて区別します。

例:
・Rosmarinus officinalis CT cineole
(ローズマリー・シネオール)
・Rosmarinus officinalis CT camphor
(ローズマリー・カンファー)

この「CT」は「Chemotype(ケモタイプ)」の略です。

同じ「ローズマリー」でも、作用がまったく異なるため、アロマテラピーでは必ずケモタイプを確認する必要があります。

ケモタイプは特に、
・ローズマリー
・タイム
・バジル
・ニアウリ
などでよく知られています。

 

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ケモタイプを理解する必要性

ケモタイプ精油は、同じ植物名であっても香りや作用が大きく異なるため、精油選びにおいて非常に重要な考え方です。

特にアロマテラピーでは、
・作用の違い
・刺激性の違い
・安全性の違い
に大きく関わるため、学名だけでなくケモタイプ表記まで確認することが推奨されています。

天然植物は、育つ環境によって姿を変えます。ケモタイプは、植物が自然環境に適応した結果として生まれる「香りの個性」とも言えるでしょう。

ケモタイプ精油

1.ローズマリーのケモタイプ

ローズマリーはケモタイプ精油の代表例です。産地や環境によって主要成分が大きく変化します。

● ローズマリー・シネオール(CT cineole)
1,8-シネオールを多く含むタイプです。シャープで清涼感のある香りが特徴で、呼吸器系への使用で知られています。

● ローズマリー・カンファー(CT camphor)
カンファーを多く含み、刺激感のある力強い香りを持ちます。筋肉ケアやスポーツ後の使用で知られています。

● ローズマリー・ベルベノン(CT verbenone)
ベルベノンを多く含むタイプで、柔らかく上品な香りが特徴です。比較的穏やかなタイプとして扱われます。

2.タイムのケモタイプ

タイムも非常に多くのケモタイプを持つ植物として知られています。

● タイム・チモール(CT thymol)
チモールを多く含むタイプで、非常に力強く刺激性も高いことで知られています。

● タイム・リナロール(CT linalool)
リナロールを多く含み、比較的穏やかで優しい香りを持ちます。

● タイム・ツヤノール(CT thujanol)
ツヤノールを含む希少タイプで、柔らかく繊細な香りが特徴です。

3.バジルのケモタイプ

バジルにも複数のケモタイプがあります。

● バジル・リナロール
甘さのあるハーバル調の香りが特徴です。

● バジル・メチルチャビコール
スパイシーでアニス調の香りを持つタイプです。

4.ニアウリのケモタイプ

ニアウリはオーストラリアやニューカレドニアなどで生育するフトモモ科植物です。

● ニアウリ・シネオール
清涼感のあるシャープな香りを持つ代表的タイプです。

● ニアウリ・ネロリドール
落ち着いた柔らかな香りを持つタイプです。

参考図書
・アロマテラピー精油事典 発行:成美堂出版
・アロマテラピーの教科書 発行:㈱新星出版社
・アロマセラピーの全てがわかる本 発行:㈱ソーテック社
・精油の化学 発行:フレグランスジャーナル社
 
>>アロマ・精油・エッセンシャルオイルの禁忌表・禁忌事項・禁忌一覧

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