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カーネーションは花屋でよく見かける馴染み深い花ですが、名前は花の色が肉の色に似ていたことからラテン語で肉の色を意味する「カルニス」が由来であるという説や、戴冠式に使う花、冠に似ている花ということで、英語で戴冠式を意味する「コロネーション(coronation)」が由来であるという説があります。
また、カーネーションの学名はDianthus caryophyllusですが、Dianthusは神の花、caryophyllusはクローブに似た香りという意味で、クローブのような強い芳香を持つ尊い神の花、神の花冠に使う花、という意味合いでつけられたのではないかと解釈されています。
カーネーションの精油は大量の花から極少量しか採れないためとても高価で、アロマセラピーで使うことは少なく、主に香水の香料として活用されています。
ここではカーネーションとはどのような植物か?使い方の歴史、カーネーションの精油の香りや特徴、作用、具体的な使い方・活用法やブレンドレシピ、使用する時の注意点・禁忌などを紹介します。
カーネーションってどんな植物?
カーネーションは一定の開花時期は持たず、ある程度成長すると一年に何回も花をつける四季咲き性の植物で、その花はスペインやモナコ公国、ホンジュラスの国花になっています。
原産はヨーロッパや西アジアで、現在は広い地域で栽培が行われています。
カーネーションには非常に多くの品種がありますが、一般的に草丈は10~30㎝程度で、一つの茎に一輪花をつけるものはスタンダードタイプ、茎が枝分かれして複数の花をつけるものはスプレータイプと呼ばれています。
花びらの形も様々で、花びらの先がギザギザとした形の剣先咲き、花びらのふちが丸みを帯びた形の丸弁咲き、上から見ると星形に見えるくらい花びらの先が尖っているスター咲きなどがあります。花の色は赤やピンクが多いですが、白や黄色、紫などもあります。
現在流通しているカーネーションはさほど香りは強くありませんが、元々はとても香りの強い花で、日本では高級香料である麝香という言葉を使った、麝香瞿麦(ジャコウナデシコ)という別名がつけられています。
カーネーションの使い方・活用法
カーネーションは古代ギリシャ時代から観賞用、食用として栽培されていたと言われています。古代ギリシャ時代の哲学者、生物学者で植物学の祖とも言われているテオフラストスが書いた書物「植物誌」の中に名前が登場しているそうです。
国花としているスペインではいつの年代からかは不明ですが、フラメンコを踊る時に口にくわえる花として活用されています。また、オペラカルメンで主人公カルメンが髪の毛に挿す花として定着しているそうです。
さらにカトリック教徒が多いスペインでは、カーネーションは十字架にはりつけられたキリストを見送った聖母マリアの目からこぼれた涙の跡に生えた花とも言われており、お墓に飾る花としても活用しているそうです。
またカーネーションと言えば、母の日に送る花というイメージですが、この習慣はアメリカが発祥です。これはアメリカの南北戦争で味方だけではなく敵兵に対しても献身的に負傷兵のケアを行っていたアン・ジャービスという女性が亡くなった時、その娘であるアンナ・ジャービスが母を追悼する会を開き、参加者に母が好きだった白いカーネーションを配ったことが起源であると言われています。この追悼会が行われたのは1907年で、そこから少しずつ広がっていき1914年に正式に母の日と制定されました。
日本で初めて母の日のイベントが行われたのは明治末期で、教会で行われていたイベントから人々に広まっていったと言われています。
観賞目的以外では香水の香料として活用されており、イッセイミヤケのロードゥイッセイアイゴーオードトワレやラルチザンパフュームのウイエソバージュオードトワレなど多くの香水に使われています。
カーネーション精油の特徴
カーネーション精油の抽出法
カーネーションの花から有機溶剤抽出法で精油を抽出します。精油は濃いオレンジ~茶色です。
有機溶剤を使用して抽出した精油はアブソリュートと呼ばれ、一昔前は溶剤の残留も多く、混ざり物なしの天然の状態を良しとするアロマセラピーにおいては敬遠される傾向にありました。
しかし、現在は技術が進み、精油に微量な有機溶剤が残留している可能性はありますが、あまり気にする必要はないと言われています。
ただ、有機溶剤抽出はなるべく肌には使わない、という考えがアロマセラピーでは一般的なこともありますので、肌には使わず、香りのみを楽しむ使い方をおすすめします。
カーネーション精油の香りの特徴
カーネーションは華やかで甘い花の香りの精油です。甘さの中にほんのりとクローブに似たスパイス調の香りが感じられます。
カーネーション精油の香料・原料データ
英名 | Carnation カーネーション |
和名 | 阿蘭陀石竹 オランダセキチク |
学名 | Dianthus caryophyllus |
別名 | オランダナデシコ、ジャコウナデシコ |
科名 | ナデシコ科 |
産地 | アメリカ、エジプト、ケニア、ヨーロッパなど |
精油の抽出部位 | 花 |
ノート * | ミドル |
精油の主な成分 | 安息香酸ベンジル、オイゲノール、サリチル酸ベンジル、ヘキサデカナールなど |
ブレンド相性 | マンダリンなどの柑橘系、イランイランなどの花の香りと相性が良いです。 |
*ノートは精油の揮発する時間や香りの持続する時間を表すものです。香り立ちが最も早いが持続時間が短いトップノート、香り立ちはゆっくりだが長い時間香り続けるベースノート、ちょうど中間の性質を持つミドルノートの3つに分類されます。
カーネーションの活用法
カーネーションだけでも香りを楽しめますが、他の精油を加えることでより香りが豊かになります。ブレンドにおすすめの精油も併せて紹介していますので、基本のレシピに足して使ってください。
レシピを活用する際は、カーネーションの使用時の注意事項、ブレンドとして加える精油の使用時の注意事項のいずれかに該当する項目がないかどうか確認してください。
精油の成分に対する体の反応には個人差があります。気分不快を感じた場合は使用を中止してください。
芳香浴
精油の香りを室内に拡散させ香りを楽しむ方法です。
【レシピ】
カーネーション・・・1滴
コットンに精油のカーネーションを垂らす、もしくはアロマデフューザーを使って香りを拡散させます。
【おすすめのブレンド】
ジャスミン・・・1滴
ジャスミンはエストロゲンという女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。女性ホルモンの分泌変動は妊娠の維持、出産に関わりますので妊娠中の方は使用を控えてください。また、子宮筋腫などエストロゲンの変動が影響を与える持病のある方は使用を控えてください。
ルームスプレー
部屋中に香りを拡散させ香りを楽しむ方法です。スプレーを使う時はその都度、瓶をよく振ってください。スプレーは肌にはつけないようにしてください。
【レシピ】
精製水・・・8ml
無水エタノール・・・12ml
カーネーション・・・4滴
無水エタノールに精油のカーネーションを混ぜ、その後精製水を加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた液体をスプレー式の遮光瓶に入れて使ってください。遮光瓶は風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。スプレーは2週間程度で使い切ってください。
【おすすめのブレンド】
マンダリン・・・8滴
マンダリンは肌につくと皮膚刺激を与える可能性がありますので、肌につけないようにしてください。
カーネーションの禁忌・注意点
・肌への使用について
カーネーションにはオイゲノールやヘキサデカナールなど皮膚刺激を与える成分が複数含まれていますので皮膚に塗布する使い方は控えてください。
・妊娠中の方
オイゲノールは子宮の筋肉の収縮に影響を与える可能性があります。子宮筋の収縮は流産を誘発する可能性がありますので、妊娠中の方は使用を控えてください。