精油(エッセンシャルオイル)希釈植物油イブニングプリムローズオイル(月見草油)とは?特徴・成分・使い方・選び方まで

アロマ精油・エッセンシャルオイル

イブニングプリムローズ油は、イブニングプリムローズ(Oenothera biennis)の種子から採取される植物油です。日本では「月見草油」とも呼ばれ、精油(エッセンシャルオイル)を希釈する植物油として使用されています。

リノール酸やγ-リノレン酸などの脂肪酸を含むことが特徴の一つで、比較的しっとりとしたリッチなテクスチャーもイブニングプリムローズ油ならではの魅力です。
精油の香りを楽しむための希釈油として使用するほか、ほかの植物油とブレンドして、使用感を調整することもできます。

一方で、植物油は種類によって色や香り、テクスチャー、成分、保存性などが異なります。イブニングプリムローズ油を精油の希釈に使用する場合も、その特徴を知ったうえで、用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。

この記事では、イブニングプリムローズという植物の基本情報から、月見草油の特徴や成分、色・香り・テクスチャー、精油を希釈する際の使い方、希釈油としてのブレンド方法、選び方、保存方法まで詳しく解説します。

精油の希釈油としてイブニングプリムローズ油を使ってみたい方は、ぜひ参考にしてください。

イブニングプリムローズとはどんな植物?

イブニングプリムローズは、アカバナ科マツヨイグサ属の植物です。北アメリカを原産とし、現在ではさまざまな地域で見られるようになっています。
夕方から夜にかけて黄色い花を開き、翌朝にはしぼむことから「Evening Primrose(イブニングプリムローズ)」という名前で呼ばれています。
日本では「メマツヨイグサ(雌待宵草)」として知られるほか、「月見草」と関連づけて紹介されることもあります。
ただし、植物としての「ツキミソウ」と「メマツヨイグサ」は別種のため、イブニングプリムローズ油の原料について確認するときは、学名の Oenothera biennis を確認するとわかりやすいでしょう。

イブニングプリムローズの基本情報

項目内容
英語名Evening Primrose
和名メマツヨイグサ(雌待宵草)など
学名Oenothera biennis
科名アカバナ科(Onagraceae)
属名マツヨイグサ属(Oenothera)
原産地北アメリカ
植物分類一年草・二年草
主な使用部位種子
花の特徴黄色い花を夕方から夜にかけて開き、翌朝にはしぼむ
植物油イブニングプリムローズ油(月見草油)

イブニングプリムローズ油は、この植物の種子から採取される植物油です。

イブニングプリムローズと月見草の違い

「月見草」と「イブニングプリムローズ」は、どちらもマツヨイグサ属の植物ですが、植物学上は別の植物です。

一般に「月見草(ツキミソウ)」と呼ばれる植物の学名は Oenothera tetraptera(エオネセラ テトラプテラ)、今回取り上げるイブニングプリムローズの学名は Oenothera biennis(エオネセラ ビエニス または オエノテラ ビエニス)です。

「学名」とは、世界共通で植物の種類を特定するために使われる名前のこと。同じ植物でも地域や国によって呼び名が異なることがあるため、学名を確認することで、どの植物を指しているのかを正確に区別できます。

どちらもアカバナ科マツヨイグサ属に分類される近縁の植物ですが、学名が異なるため、別の種として扱われます。

月見草イブニングプリムローズ
学名Oenothera tetrapteraOenothera biennis
科名アカバナ科アカバナ科
属名マツヨイグサ属マツヨイグサ属
英名Four-winged Evening PrimroseなどEvening Primrose
植物油イブニングプリムローズ油(月見草油)

では、なぜイブニングプリムローズの植物油が「月見草油」と呼ばれているのか。

日本では、イブニングプリムローズ(Oenothera biennis)から採取される植物油が「月見草油」という名称で流通しています。そのため、植物としての「月見草」と、植物油の名称として使われる「月見草油」は、必ずしも同じ植物を指しているわけではありません。

この記事で紹介するのは、Oenothera biennis の種子から採取されるイブニングプリムローズ油です。日本で「月見草油」と呼ばれている植物油について、精油の希釈油としての特徴や使い方、選び方などを紹介します。

イブニングプリムローズ油と月見草油

アロマテラピーや化粧品の分野において、「イブニングプリムローズ油」と「月見草油(つきみそうゆ)」は全く同じオイルを指します。
英語の「Evening Primrose(夕方に咲くサクラソウに似た花)」という呼び名を、日本ではその神秘的な開花習性から、古くより親しみのある「月見草」と訳して呼んできた歴史があるためです。
植物学上の厳密な分類では、黄色い花を咲かせる「メマツヨイグサ」という植物の種子が原料となりますが、キャリアオイルや化粧品原料の正式な名称としては「月見草油」として統一され、広く親しまれています。

イブニングプリムローズ油(月見草油)とは?

項目内容
英名Evening Primrose Oil
和名月見草油
学名Oenothera biennis
科名アカバナ科(Onagraceae)
属名マツヨイグサ属(Oenothera)
抽出部位種子
抽出方法圧搾法など
淡黄色~黄色など
香り原料や精製方法によって異なる
使用感しっとりとした比較的リッチなタイプ
用途キャリアオイル、化粧品原料など

イブニングプリムローズ油の特徴

脂肪酸組成

イブニングプリムローズ油は、リノール酸を多く含む植物油として知られています。また、γ-リノレン酸(GLA)を含むことも大きな特徴の一つです。
ただし、脂肪酸の含有量は、原料の産地や品種、採油方法、精製方法などによって異なる場合があります。そのため、具体的な含有率については、使用する商品の分析値やメーカーが公開している資料を確認するとよいでしょう。

リノール酸
リノール酸は、多くの植物油に含まれている不飽和脂肪酸です。イブニングプリムローズ油では、主要な脂肪酸のひとつとして知られています。

γ-リノレン酸
γ-リノレン酸(GLA)は、一般的な植物油にはあまり含まれていない脂肪酸です。イブニングプリムローズ油の特徴的な成分のひとつとして知られています。

色・香り・テクスチャー

イブニングプリムローズ油は、精製・未精製などによって、色や香り、使用感に違いがあります。


淡黄色から黄色系のものなどがあります。

香り
未精製タイプでは植物由来の独特な香りが感じられる場合があります。一方、精製タイプでは香りが比較的穏やかなものもあります。精油の香りを主役にしたい場合は、香りの穏やかな精製タイプを選ぶ方法もあります。

テクスチャー
比較的しっとりとしたリッチなタイプです。さらっと軽い植物油と比較すると、塗布したときにコクのある、しっとりとした使用感があります。

イブニングプリムローズ油の使い方

イブニングプリムローズ油は、植物油として単独で使用できるほか、ほかの植物油とブレンドしたり、精油(エッセンシャルオイル)を希釈するための植物油として使用したりできます。
比較的しっとりとしたリッチなテクスチャーが特徴のため、ほかの植物油と組み合わせることで使用感を調整することもできます。

ここでは、イブニングプリムローズ油の基本的な使い方から、精油の希釈に使用する方法まで紹介します。

植物油として単独で使う

イブニングプリムローズ油は、精油を加えず、植物油として単独で使用することもできます。

比較的しっとりとしたリッチなテクスチャーが特徴のため、使用する際は少量から手に取り、肌に薄く伸ばして使用感を確認するとよいでしょう。

顔やボディに使用するほか、ひじやかかとなど、部分的に使用する方法もあります。

初めて使用する場合は、少量から試し、使用感を確認することをおすすめします。

他の植物油とブレンドする

イブニングプリムローズ油は、他の植物油とブレンドして使用することもできます。

例えば、
・ホホバ油
・スイートアーモンド油
・アプリコットカーネル油
・マカデミア種子油
などがあります。

植物油は種類によって、テクスチャーや香りなどに違いがあります。イブニングプリムローズ油とほかの植物油をブレンドすることで、好みに合わせて使用感を調整できます。

イブニングプリムローズ油の配合量に、すべての用途に共通する決まった割合があるわけではありません。まずは少量からブレンドし、テクスチャーや香りを確認しながら調整するとよいでしょう。

精油の希釈油として使う

イブニングプリムローズ油は、精油(エッセンシャルオイル)を希釈する植物油の一つとして使用できます。

精油を肌に使用する場合は、植物油などの基材で希釈して使用します。イブニングプリムローズ油を希釈油として使用する場合も、使用する部位や精油の種類などを考慮して濃度を調整します。

イブニングプリムローズ油そのものの香りが気になる場合や、ほかの植物油のテクスチャーを加えたい場合には、植物油同士をブレンドしてから精油を加える方法もあります。

希釈オイルの作り方

精油の希釈オイルは、植物油に精油を加えて作ります。
まず、清潔な容器にイブニングプリムローズ油を入れ、使用する濃度に合わせて精油を加えます。容器のふたを閉め、全体が均一になるように混ぜれば完成です。

作成した希釈オイルには、以下の内容を記録しておくと管理しやすくなります。
・使用した植物油
・使用した精油
・希釈濃度
・作成日

10mLの希釈オイルを作る場合の目安

希釈濃度を考える際の一例として、10mLの植物油に対して以下のような量が目安になります。

希釈濃度  精油の量の目安
0.5%    1滴程度
※精油1滴の量は、ドロッパーや製品によって異なります。上記はあくまで目安です。

希釈濃度を考えるときの注意点

精油を希釈する際は、使用する部位や精油の種類などに応じて濃度を考える必要があります。

一般的には、顔などに使用する場合は低めの濃度から検討し、ボディに使用する場合も使用する精油の注意事項を確認したうえで濃度を決めます。

また、精油は種類によって使用上の注意事項が異なります。使用量や使用できる部位などについて個別の注意が必要な精油もあるため、「○%ならどの精油でも同じように使用できる」と考えないことが大切です。

初めて使用する精油や植物油の場合は、少量から試すなど、使用する製品の注意事項を確認しながら使用してください。

イブニングプリムローズ油を使った精油ブレンド例

イブニングプリムローズ油は、精油の香りを楽しむための希釈油としても使用できます。
精油は1種類だけでなく、複数を組み合わせて香りを楽しむこともできます。イブニングプリムローズ油をベースに、好みの香りを組み合わせてください。

フランキンセンス+ラベンダー
落ち着いた印象のフランキンセンスに、穏やかな印象のラベンダーを組み合わせたブレンド。

ゼラニウム+オレンジ・スイート
華やかなゼラニウムと、フレッシュで明るい印象のオレンジ・スイートを組み合わせたブレンド。
精油をブレンドするときは、まず少量から作り、それぞれの香りのバランスを確認するとよいでしょう。

※精油には種類によって使用上の注意事項があります。使用前に各精油の注意事項を確認してください。

イブニングプリムローズ油の選び方

イブニングプリムローズ油には、精製・未精製の違いや、容器、内容量など、商品によってさまざまな違いがあります。

精油の希釈油として使用する場合は、香りやテクスチャーだけでなく、保存のしやすさや使用頻度なども考慮して選ぶことをおすすめします。

精製・未精製で選ぶ

イブニングプリムローズ油には、精製タイプと未精製タイプがあります。

未精製タイプ
原料由来の色や香りが残りやすいのが特徴です。植物油そのものの色や香りを楽しみたい場合に向いています。

精製タイプ
精製工程を経ることで、色や香りが比較的穏やかなものがあります。精油の香りを主役にしたい場合や、植物油特有の香りを避けたい場合に選択肢になります。

精製・未精製のどちらが適しているかは、使用目的や好みの香り、テクスチャーなどによって選ぶとよいでしょう。

容器で選ぶ

植物油を選ぶときは、容器の仕様も確認してください。
光や温度などの影響を受けにくいよう、遮光性のある容器を使用した商品もあります。

ただし、容器だけで商品の品質を判断するのではなく、原料、製造元、保存方法、使用期限などの表示も合わせて確認することが大切です。

内容量で選ぶ

植物油は、開封後も長期間保管するより、使用頻度に合わせて無理なく使い切れる容量を選ぶと管理しやすくなります。

特に初めて使用する場合や、精油の希釈油として少量ずつ使う場合は、大容量の商品よりも小容量の商品を選ぶ方法があります。

具体的な保存方法や使用期限については、次の章で紹介します。

イブニングプリムローズ油を使うときの注意点

イブニングプリムローズ油を精油の希釈油として使用する場合は、植物油そのものだけでなく、一緒に使用する精油の種類や注意事項も確認することが大切です。

精油は原液のまま肌に使用しない
精油を肌に使用する場合は、植物油などで希釈して使用します。
精油は原液のまま肌に使用せず、使用する部位や精油の種類などに合わせて適切な濃度に調整してください。

初めて使用する場合は少量から
植物油や精油は、使用する人の肌の状態などによって合わない場合があります。
初めて使用する植物油や精油を肌に使用する場合は、少量から試すなど、慎重に使用してください。

精油ごとの注意事項を確認する
精油には、光毒性に注意が必要なものや、皮膚刺激に注意が必要なものなど、それぞれ使用上の注意事項があります。
使用する精油について、メーカーや専門機関などが案内している注意事項を事前に確認してください。

また、妊娠中・授乳中の方、子ども、高齢者などが使用する場合は、一般的な濃度だけで判断せず、使用する精油の注意事項を確認してください。

手作りの希釈オイルは少量ずつ作る
植物油と精油を自分でブレンドする場合は、清潔な容器を使用し、必要な量だけ少量ずつ作ると管理しやすくなります。
作成日や使用した精油、希釈濃度などを容器に記録しておくのもおすすめです。

イブニングプリムローズ油の保存方法と使用期限

イブニングプリムローズ油を使用するときは、購入した商品の表示やメーカーが案内する保存方法・使用期限を優先してください。

植物油は種類や製品によって保存条件が異なるため、一般的な目安だけで判断しないことが大切です。

基本的な保存方法
基本的には、直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所で保管します。
商品によっては冷蔵保存が案内されている場合もあるため、自己判断で保存方法を変更せず、パッケージやメーカーの案内を確認してください。

開封後は早めに使い切る
植物油は、開封後に空気や光、温度などの影響を受けます。
そのため、開封後は長期間保管せず、商品の表示やメーカーが案内する使用期限・使用目安に従って、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。

使用頻度が少ない場合は、最初から使い切りやすい容量を選ぶこともポイントです。

保存・管理のポイント
・使用後はすぐにキャップをしっかり閉める
・直射日光の当たる場所や高温になる場所を避ける
・容器の口やオイルの出口を清潔に保つ
・開封日を記録しておく
・商品に記載された使用期限・保存方法を確認する

また、使用前にオイルの状態や香りを確認し、明らかな異臭や見た目の変化など、いつもと違う状態が見られる場合は使用を控えましょう。

イブニングプリムローズ油を使うときのQ&A

Q-1. イブニングプリムローズ油は精油の希釈に使えますか?
はい。イブニングプリムローズ油は、精油を希釈する植物油のひとつとして使用できます。
ただし、精油を肌に使用する場合は、精油の種類や使用部位などに応じて濃度を調整してください。

Q-2. イブニングプリムローズ油は単独でも使えますか?
はい。精油を加えず、植物油として単独で使用することもできます。
比較的しっとりとしたテクスチャーなので、少量から使用感を確認してください。

Q-3. 精油とほかの植物油を一緒に使えますか?
はい。
イブニングプリムローズ油をホホバ油やスイートアーモンド油などとブレンドし、そのブレンドオイルに精油を加える方法もあります。
植物油によって香りやテクスチャーが異なるため、好みに合わせて組み合わせることができます。

Q-4. 開封後の使用期限はどのくらいですか?
使用期限や開封後の使用目安は商品によって異なります。
そのため、一律に「開封後○か月」と決めるのではなく、商品のラベルやメーカーの案内を優先してください。
保存状態や使用頻度も考慮し、できるだけ早めに使い切ってください。

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